要介護認定を受けるメリットやデメリットを解説!受けるとどうなる?何が得?

「要介護認定を受けるメリットやデメリットは?」
「要介護認定を受けるとどうなるの?」
という方へ、要介護認定を受けるメリット・デメリットについてまとめました。
要介護認定を受けると利用できる介護保険サービスの種類も紹介しているため、要介護認定を受けようか迷っている方はぜひご覧ください。
要介護認定について

まずは、要介護認定の基礎知識を解説します。
要介護認定って何?
要介護認定とは、どれくらいの介護が必要な状態かを客観的に数値化して判定したものです。
介護保険サービスを利用するための「パスポート」であり、利用できる介護保険サービスの規模を決める役割を果たします。
要介護認定について詳しくはこちら↓
要介護認定とは?区分や判定基準・申請から要介護度決定までの流れなどを解説
要介護認定を受けるとどうなる?
要介護認定を受けると「要支援1・2」または「要介護1~5」のいずれかに区分され、要介護度に応じた介護保険サービスを利用できるようになります。
自宅で受けられる居宅サービス、施設に入所して受ける施設サービス、住み慣れた地域で受けられる地域密着型サービスなどを1〜3割の自己負担で利用することが可能です。
介護者の負担が軽減し、要介護者が自宅や施設でより安心して生活できる環境が整います。
介護保険について詳しくはこちら↓
介護保険とは?目的や受けられるサービス・制度のしくみ等をわかりやすく解説!
要介護認定を受けるメリット

- 経済的負担を抑えられる
- 介護者・要介護者の心身の負担が軽減する
- 介護者のQOL向上や自立支援になる
要介護認定を受けるメリットは、介護保険で公的な介護サービスが受けられることです。
介護保険サービス一覧
居宅サービス | 訪問介護 |
---|---|
訪問入浴介護 | |
訪問看護 | |
訪問リハビリテーション | |
居宅療養管理指導 | |
通所介護(デイサービス) | |
通所リハビリテーション(デイケア) | |
短期入所生活介護(ショートステイ) | |
短期入所療養介護(医療型ショートステイ) | |
福祉用具貸与 | |
特定福祉用具販売 | |
住宅改修費の支給 | |
施設サービス | 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム / 特養) |
介護老人保健施設(老健) | |
介護医療院 | |
地域密着型サービス | 小規模多機能型居宅介護 |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | |
夜間対応型訪問介護 | |
看護小規模多機能型居宅介護 | |
地域密着型通所介護(小規模デイサービス) |
経済的負担を抑えられる
要介護認定を受けて介護保険サービスを利用すると利用費用が原則1~3割の自己負担で済むため、経済的負担が軽減されます。
7~9割は公的介護保険で支払われ、自己負担分を抑えることが可能です。
たとえば、3万円分の介護サービスを利用しても、実際に支払うのは1割負担の場合3,000円程度です。
介護保険の自己負担額についてはこちら↓
介護保険制度の使い方解説!仕組みや利用できる3つのサービス紹介。申請方法やサービス利用までの流れも
介護者・要介護者の心身の負担が軽減する
介護保険サービスが1~3割負担で利用できるため、気軽に介護の一部または全部を専門職によるサービス機関に委ねられます。
訪問介護やデイサービスなどを利用すると、介護者は仕事や家事に集中できる時間が増え、介護疲れやストレスの軽減につながるでしょう。
ケアマネジャーや各種専門職に介護の悩みを相談できるため、より効果的なリハビリや介護を取り入れることも可能です。
通所サービスやショートステイなどの利用で要介護者の社会的な交流が増えると、孤立感の軽減や心の健康など要介護者にとってもよい効果が期待できます。
要介護者のQOL向上や自立支援になる
要介護認定で利用できるサービスは、要介護者の生活の質(QOL)向上と要介護者の自立支援に貢献します。
各種サービスを利用して機能訓練やリハビリテーションを受け、身体機能の維持や向上が図られると、自立した生活を長く送れるでしょう。
ほかの利用者との交流やさまざまな活動への参加は、社会とのつながりを維持し、生きがいや楽しみを見つけることを可能にします。
要介護者の自立が維持されると、介護者の介護負担も軽減できるでしょう。
要介護認定を受けるデメリット

- 介護申請から認定までに時間がかかる
- 異なった判定を受ける場合がある
- 定期的な手続きが発生する
要介護認定には、上記のようなデメリットもあります。
介護申請から認定までに時間がかかる
要介護認定の申請から結果通知までには、30日ほどかかります。
認定調査の日程調整や主治医意見書の作成に時間を要した場合は、1か月以上の日数がかかるでしょう。
手続きに手間や時間がかかってしまうのは、要介護認定を受けるときに壁となることがあります。
要介護認定を受けるタイミングについてはこちら↓
要介護認定を受けるベストなタイミングは?入院中の場合やとりあえず認定される際に注意点
異なった判定を受ける場合がある
訪問調査や主治医に要介護者の症状や現状が正しく伝わらず、本来必要な要介護度とは異なった判定になることがあります。
本来の要介護度より軽度に認定された場合は必要なサービスが提供されず、重度に認定された場合は過度なサービスを受けて自立が妨げられる可能性があるでしょう。
異なった判定が出ると、本来必要な介護保険サービスが受けられずQOLの向上につながりません。
要介護認定の不服申し立てについてはこちら↓
要介護認定の結果に対して不服申し立てはどこにする?メリットデメリットなども解説
定期的な手続きが発生する
要介護認定には有効期間があり、有効期限内に更新手続きが必要です。有効期限は初回認定で原則6か月、更新認定で原則12か月とされている自治体が多いでしょう。
更新手続きを忘れると要介護認定が失効し、介護保険サービスが利用できなくなってしまいます。
更新時には再度認定調査と主治医意見書の提出が必要であるため、その都度時間と手間がかかるでしょう。
要介護認定の有効期限についてはこちら↓
要介護認定を申請できる人はこんな人!条件や必要なものなど解説。本人以外の申請は?
要介護度は上がった方がメリットが多い?

要介護度が上がると介護保険サービスの上限額が上がりますが、身体状況の悪化を意味するため、必ずしも喜ばしいことではありません。
要介護度が上がった際のメリット
- 介護保険サービスの上限額が上がる
- 利用できる介護保険サービスが増える
要介護度が上がると介護サービスの月額利用限度額が増額し、より多くのサービスを介護保険で賄え、利用できる介護サービスの範囲や内容が広がります。
たとえば、要介護1以上になると入浴や排泄の介助など身体介助サービスが利用可能となるなど、より手厚い支援を受けられるでしょう。
また、要介護3以上ではなければ入所できない特別養護老人ホームなど、重度向けのサービスが新たに利用可能です。
適切な介護保険サービスについてはこちら↓
介護保険は使わないと損?要介護認定を受けたけど使わないとどうなる?
要介護度が上がった際のデメリット
- 施設によっては退去が必要
- 必要な介護費用が増える可能性がある
要介護度が上がると、現在入所している施設が対応できなくなり退所を求められる場合があります。
サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームでは、入居条件に「自立度」が影響するため、より手厚い介護施設への移動を促されるでしょう。
また、要介護度が上がるということは介護の必要量が増加するということであり、介護にかかる費用の自己負担額が増える可能性は少なくありません。
デイサービスやショートステイなどは介護度により利用料金が高くなるため、同じ回数利用しても負担が増えることがあります。
要介護認定を受けた後サービスを使わないとどうなる?

要介護認定だけ受け、介護保険サービスを利用していないというケースは少なくありません。家族のサポートのみで行き届いていたり、緊急時の備えとして考えていたりなど、理由はさまざまです。
要介護認定だけ受けて介護保険サービスを使わないということは可能ですが、定期的な更新が必要であることや、いざ使おうとした際に心身状況が変化していて認定された要介護度が合わない可能性があることなどを知っておきましょう。
要介護認定を変更したい際は区分変更申請が必要で、再度手続きしなければなりません。
また、介護保険サービスを利用しなくても介護保険料の支払い義務は継続します。
介護保険サービスを利用して必要な専門的ケアを受け、自立生活を長く続けられる状態を保つことが、介護保険の賢い活用方法でしょう。
要介護認定だけ受けた際のメリットデメリットはこちら↓
とりあえず要介護認定だけ受けるべき?メリットデメリットや介護保険の賢い使い方
要介護認定のメリットデメリットを把握して介護保険サービスを賢く活用しよう
要介護認定を受ける大きなメリットは、介護保険サービスが1~3割負担で利用できることです。
経済的負担を軽減できて利用のハードルが下がるため、気軽にサービスを受けることが可能です。
介護者の負荷を下げるだけではなく、要介護者に専門的ケアが行き届き生活の質を向上させることにつながります。
要介護認定を受けるデメリットは、申請に時間がかかったり、要介護認定を受けたあとに定期的な更新手続きが発生することです。
要介護認定を受けてしばらく期間が空いたあとに介護保険サービスを利用しようとしたとき、心身状況に変化があれば区分変更申請が必要になる可能性もあります。
また、介護保険サービスを利用する予定がなくても要介護認定だけ受けておくことはできますが、要介護認定を受けたあとも介護保険料の支払いは継続するため、せっかくなら専門的ケアを早期に活用しましょう。
専門家の元で心身機能の維持などに取り組むと自立生活を長期に続けられる可能性が向上します。
要介護認定のメリットデメリットを踏まえ、なるべく長く元気に過ごせる方法を検討しましょう。
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