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2022.7.1

【要介護認定のメリット・デメリット】要介護認定で受けられる公的サービスや特徴を解説

要介護認定のメリット・デメリット要介護認定で受けられる公的サービスや特徴を解説

「家族の要介護認定を受けようか迷っている…」「要介護認定を受けたらどうなるの?」と悩んでいる人は意外に多いようです。

公的介護保険制度や要介護認定について調べてみたところ、要介護認定を受けると、いくつかのメリットがありました。

こちらの記事では、要介護認定のメリット・デメリットや要介護認定で受けられる公的サービスと特徴についてお伝えします

ぜひ最後までお読みください。

要介護認定とは|受けるとどうなる?

要介護認定とは 受けるとどうなる?
  • 公的介護保険とは
  • 要介護認定とは
  • 要介護認定区分について
  • 受けるとどうなる?

要介護認定の前に、日本の公的介護保険について簡単に説明します。

公的介護保険とは

公的介護保険は、介護を必要とする人に対して介護の費用を給付してもらえる保険です。
40歳で介護保険に加入し保険料の支払いがスタートします。

保険制度なので加入対象者が保険料を負担し、必要な人へ給付する仕組みです。
保険の給付(サービス)を受けるためには様々な手続きが必要で、受けられるかの審査もあります。

現在の日本では「社会全体で介護が必要な人を支える」仕組みになっています。

要介護認定とは

要介護認定とは介護の程度を数値化して客観的に判断したものです。
日々の生活でどのくらい介護(介助)が必要なのかを可視化します。

公的介護保険給付(サービス)を利用するためには審査を受け「要介護認定」されることが必要です。

要介護認定されると介護保険サービスを利用でき、様々な介護サービスを1〜3割の自己負担で受けることが可能になります。

要介護認定区分について

  • 要介護1~5『介護保険サービス利用』
  • 要支援1・2『介護予防サービス利用』
  • 非該当『地域支援事業の利用』

「要介護1〜5」「要支援1・2」「非該当」のいずれかで認定されます。

非該当で自立していると判断された場合は、介護保険サービスは利用不可なので地域支援事業が利用できます。

要介護認定は、要支援と要介護の2種類です。

「認定に必要な5項目チェック」

  • 身体機能
  • 生活機能
  • 認知機能
  • 精神・行動障害
  • 社会生活への適応

上記を基準に、介護の度合いを判断します。

尚、要支援・要介護については、この記事の後半で詳しくお伝えします。

受けるとどうなる?

要介護認定を受けると、ケアプランが作成され、公的介護給付(サービス)が受けられるようになります。

※要介護と要支援では、受けられる介護給付(サービス)に違いがあります

認定を受けることで、公的介護保険のもと、介護給付(サービス)を受けられるのです。
利用限度額内で作成されたケアプランをベースに、公的介護保険を利用します。

要介護認定は取消できるの?不服申し立て

先にも記載しましたが、要介護認定区分は3つあります。

日常生活の中で介護(介助)が必要と思われて要介護認定を申請したはずが、「非該当」で自立していると判断された場合、介護保険サービスは利用不可になります。

「それじゃ、要介護度が上がれば介護保険サービスが利用可能になるからお得では…」と考える人もいらっしゃいますが、実は、要介護度が高いことは必ずしもお得とはいえないのです。

理由として、様々な介護サービスには「要介護度が上がる=基本料金が高い」ものがあるからです。

例えば、特養(特別養護老人ホーム)やデイサービス(通所介護)などです。
同じサービスを利用しても、要介護度が上がると利用者負担も増加する仕組みなのです。

上記を踏まえて結果に不服がある場合は、まずはお住まいの役所に相談しましょう。

それでも納得できないときは、各都道府県にある「介護保険審査会」に不服申し立てをすることができます。

公的介護保険制度についてはこちら↓↓
介護保険制度のしくみとは?申請の流れ~使い方と利用できる3つのサービス

要介護認定|要介護とは

要介護認定 要介護とは

要介護は1〜5までの5段階に分けられます。

在宅や施設への通所・入居まで幅広いサービスを受けることができます。
利用できるサービスは、介護サービスとなります。

要介護は、日常生活において、「自分一人で身の回りのことを行えず、人からの介護(介助)が必要な状態です。

例えば入浴の場合、自分では身体を洗うことができないため入浴介助が必要な状態です。

要介護認定|要支援とは

要介護認定 要支援とは

要支援は2段階に分けられ、要支援1と要支援2があります。

日常生活において、部分的な支援を必要としている、または要介護予備軍が対象です。
利用できるサービスは、介護予防サービスとなります。

日常生活は自分ひとりで行うことはできるが、多少の支援が必要な状態に当たります。

例えば入浴の場合、自分ひとりで身体を洗ったり浴槽につかったりはできるが、風呂場の掃除はできない状態です。

要介護認定のメリット|使える介護サービス

要介護認定のメリット
  • 居宅介護サービス
  • 施設サービス
  • 地域密着型サービス
  • 環境を整備
  • 福祉用具の貸与及び購入費の支給

要介護認定を受けるメリットは、介護保険が使えるようになり、介護サービスが受けられることにあります。

きちんと介護保険料を納めているのですから、必要であれば利用したいですね。

ここでは、要介護認定を受けることで利用できる介護サービスを紹介します。

居宅介護サービス

  • 自宅訪問
  • 施設への通所
  • 日帰り、短期宿泊

生活の中心は住み慣れた自宅で受けることのできる介護サービスです。
大きく分けて、「自宅訪問」「施設への通所」「短期宿泊」があります。

自宅訪問
住み慣れた自宅で日常生活を送りながら介護サービスが受けられます。

ホームヘルパー、リハビリ専門のスタッフ、看護師、医師、歯科医師、薬剤師などが自宅へ訪問します。

日常生活の身の回りのお世話や機能訓練、介護全般に関する情報提供のサービスを受けられます。

施設への通所
施設への通所サービスは、健康チェックや食事介助、入浴介助やレクリエーションなどが受けられるデイサービス(通所介護)があります。

また、リハビリテーションに特化したデイケア(通所リハビリテーション)も利用でき、介護者は在宅での介護のサポートを受けられます。

デイサービスについてはこちら↓↓
デイサービスとデイケア|どっちを選んだらいいの?違いと選び方を解説

日帰り、ショートステイ(短期宿泊)
日帰りやショートステイでのサービスを受けられ、介護者や家族もリフレッシュできます。

利用者の介護状況によって、連続30日まで利用可能です。
医療的ケアが受けられる短期入所療養介護や特養の短期入所介護があります。

施設サービス

  • 施設に入所し専門家のケアを受けられる
  • 介護者や家族の介護負担の軽減
  • 施設入居待ち

要介護認定を受けた人が、在宅で日常生活をおくることが困難な場合、施設に入所して受ける介護サービスです。

介護に精通した専門職のケアを受けることができます。
要介護者が施設に入所することで、介護者や家族の介護負担は軽減されるでしょう。
また、施設入居待ちに利用できます

各施設によって受けられる公的介護サービスは異なりますので確認しておくとよいでしょう。

地域密着型サービス

  • 地域密着型介護サービス
  • 地域密着型介護予防サービス

地域密着型サービスは居宅サービスや施設サービスと違い、居住地である市区町村の被保険者のみが利用可能です。

お住まいの地域で生活ができるよう、各事業所がある市区町村の要介護者・要支援者に提供するサービスです。

2006年4月の介護保険制度改正により創設されました。

居宅・施設サービスは都道府県が主体となり、地域密着型サービスは市区町村が主体となります。

地域密着型サービスの強みは、利用者の需要に対応でき柔軟なサービスを提供できる点です。
小規模な施設が多いので、アットホームな環境の中で介護サービスを受けられるでしょう。

市区町村によって提供されるサービス内容は異なります。
地域包括支援センターやケアマネージャーに問い合わせてみましょう。

環境を整備

【居宅介護住宅改修】
居宅介護住宅改修は、介護保険制度によって自宅を介護仕様に改修できるサービスです。

住み慣れた自宅で利用者が安心安全に暮らせるように、住宅環境を整えられます

居宅介護住宅改修 ※こちらをクリックすると詳細が見えます
  • 手すりの取り付け
  • 段差の解消
  • 床材の変更
  • 扉の取り替え
  • 便器の取替え
  • その他、上記の住宅改修に付帯する工事

手すりの取り付けについてはこちら↓↓
手すりの取り付けは介護保険を利用しよう!条件や内容、申請から設置までの流れ注意点などを解説

福祉用具の貸与及び購入費の支給

【福祉用具貸与】
福祉用具貸与は、利用者の自立した日常生活のために、指定事業者が福祉用具を貸与するサービスです。
ただ貸すだけではなく、適切な福祉用具の選択や援助・調整なども行います。

【特定福祉用具販売】
特定福祉用具はレンタルに適さないポータブルトイレや入浴補助用具などの福祉用具です。

要支援1以上の方が対象で、購入時に介護保険の適用を受けられます。

特定福祉用具(一例) ※こちらをクリックすると詳細が見えます
  • 腰掛便座
  • 自動排泄処理装置の交換可能部品
  • 簡易浴槽
  • 移動用リフトのつり具の部分
  • 入浴補助用具

要介護認定のデメリット

要介護認定のデメリット
  • 申請から認定までに時間がかかる
  • 異なった判定を受ける場合がある

続いて、要介護認定のデメリットについてお伝えします。

申請から認定までに時間がかかる

デメリットのひとつに、申請をしてから結果通知まで30日前後の時間を要します

例えば、今すぐにでも階段に手すりを設置したい場合、すぐに給付を利用することはできません。

異なった判定を受ける場合がある

訪問調査で、要介護者の症状・現状を正しく伝えられないと、申請者の思いと異なった判定になるケースがあるようです。

「普段はできないことを、訪問調査のときだけ偶然できた」や「介護者の伝えたいことを正しく伝えられない」などです。

異なった判定が出てしまうと、本来必要な介護サービスを受けることができません。
事前の準備や確認をして、しっかり対応していきましょう。

要介護認定を受けるために|申請について

要介護認定を受けるために 申請について

公的介護保険サービスを受けるためには、市区町村に要介護認定の申請をする必要があります。

申請の流れについては以下の通りです。

【電話相談】市区町村の担当窓口


【要介護認定の申請】市区町村へ本人または家族


【主治医の意見書】
※市区町村の依頼で主治医が意見書を作成
【訪問調査】
市区町村の職員が自宅訪問して審査する


【一次判定】コンピューター判定


【二次判定】介護認定審査会


【要介護度の決定】


【認定結果通知】申請から30日以内に郵送


市区町村から委託されたケアマネージャーが訪問し、本人や家族に調査を行います
かかりつけ医(居ない場合は市区町村が紹介する医師)が「主治医意見書」を作成。

その後、コンピューターに、訪問調査の結果を入力し、一次判定されます。

二次判定では、一次判定の結果や訪問踏査の特記事項と主治医意見書により介護認定審査会(保健・医療・福祉の専門家)で審査・判定となります。

とりあえず?要介護認定を正しく受けるために

とりあえず?要介護認定を正しく受けるために
  • 要介護認定の判断基準とは
  • 家族も参加するの?|訪問調査
  • 質問事項は要チェック|訪問調査

要介護認定の判断基準とは

引用画像:介護保険制度における要介護認定の仕組み(厚生労働省)

厚生労働省の参考資料によると、

”要介護認定は、「介護の手間」を表す「ものさし」としての時間である「要介護認定等基準時間」を下記基準にあてはめ、さらに痴呆性高齢者の指標を加味して実施するもので、「要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成11年4月30日厚生省令第58号)」として定められている”

引用元:介護保険制度における要介護認定の仕組み(厚生労働省)

と記載されています。

上記の通り、要介護認定の基準は「対象者の介護にはどれくらいの手間がかかるのか?」という観点から定められます

画像にもありますように、「介護の手間」を時間に換算して評価した「要介護認定等基準時間」によって要介護認定の基準は決定するのです。
参考サイト:要介護認定はどのように行われるか(厚生労働省)

家族も参加するの?|訪問調査

訪問調査には必ず家族も参加しましょう。

要介護者は、「できない自分を認めたくない」「自分には介護は必要ない」と感じている人は少なくありません。

また、認知症で認知機能の低下があると、思い違いをしている可能性もあります。

異なった事実を伝えてしまう場合も考えられるため、家族も一緒に参加して正しい情報を伝えましょう

質問事項は要チェック|訪問調査

訪問調査での質問内容は、複数の項目があります。

その場で沢山の質問をされると、伝え忘れたり、思っていることを上手に伝えられなかったり…
訪問調査の前に、情報取集して自分なりの回答や伝えたいことをメモしておくことをおすすめします。

要介護者の普段の生活や介護者や家族が大変なこと・困っていることを箇条書きでメモしておき、調査員に記録したメモを渡したことで伝え忘れがなくなり安心でしょう。

リハビリデイサービス りふり

リハビリデイサービス りふり

りふりの特徴は要支援・要介護認定の方へ、短時間から長時間利用まで幅広いニーズに対応しています。

身体機能の回復と日常生活の向上を目指す「生活リハビリ」に特化したデイサービスです。

生活リハビリは「歩く」「食事をする」「着替える」「トイレに行く」「入浴する」など生活する上で行う動作全般を「リハビリ」と捉えています。

カラダの状態を維持・向上して日常生活動作を自らの力で行えるように働きかけていくリハビリのことです。

一人ひとりに応じて組み立てるオーダーメイドのメニューは、経験豊富な理学療法士によるきめ細やかで質の高いリハビリを提供しています。

生活リハビリとは↓↓
生活リハビリとは?特徴や介護職が行う内容・効果を解説!受けられる施設も紹介

【新店舗OPEN】りふり亀有店

【公的】要介護認定申請をして、持続可能な介護を目指しませんか

【公的】要介護認定申請をして持続可能な介護を目指しませんか

今回は、要介護認定を受けようか迷っている人向けに、要介護認定で受けられる公的サービスのメリットデメリットについてご紹介しました。

ゴールが見えにくい介護は、介護者や家族がつい無理をして心身ともに疲弊してしまいます。

長距離走のように持続可能な介護を目標に、公的介護保険の要介護認定申請を行い利用できる介護サービスの活用を目指していきましょう。




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