訪問入浴サービスの内容|料金・通所や訪問介護との違いなど解説
介護において、入浴介助は大きな負担となる行為のひとつです。
訪問入浴サービスは自宅での入浴をサポートするサービスなので、要介護者やご家族の負荷を下げられるでしょう。
この記事では、訪問入浴サービスの内容や条件・料金などを解説していきます。
訪問入浴サービスとは?
- 訪問入浴サービスの内容
- 訪問入浴サービスの利用条件
まずは訪問入浴サービスの内容や利用条件を説明します。
ただ自宅のお風呂で要介護者の入浴をサポートするサービスではなく、誰もが利用できるサービスでもありません。
内容や利用条件をしっかりチェックしましょう。
訪問入浴サービスの内容
- スタッフ看護師1名を含めた2~3名
- 専用の浴槽を使用
訪問入浴サービスは、看護師1名を含めた3名のスタッフが自宅に来てくれます。
自宅にある浴槽ではなく、スタッフが専用の浴槽を持ち込んで使用するサービスです。
移動が難しい要介護者だったり、自宅のお風呂や脱衣所が狭かったりする場合も、訪問入浴サービスなら快適に入浴できるでしょう。
訪問入浴サービスの利用条件
- 要介護1~5
- 医師から入浴の許可を得ている
- 要支援1~2の方は『介護予防訪問入浴介護』
訪問入浴サービスは誰でも利用できるわけではありません。
要介護1~5の認定を受けている要介護者で、医師からの入浴を許可されていることが条件となります。
要支援1~2の方は、自宅にお風呂がない、感染症等の理由で他の施設で入浴が難しいなど特別な事情がある場合「介護予防訪問入浴介護」を利用できます。
介護予防訪問入浴介護は、身体の清潔を保持することや心身機能の維持、要支援状態の維持や悪化防止を目的としたものです。
自立支援を軸にしているため、スタッフの人数も看護師1名を含めた計2名と、訪問入浴サービスより少ない人数となります。
訪問入浴サービス・介護予防訪問入浴介護の料金
入浴サービス | 介助内容 | 自己負担額 |
---|---|---|
訪問入浴サービス (要介護1~5) |
全身浴 | 1,260円/回 |
部分浴 | 1,134円/回 | |
清拭 | 1,134円/回 | |
介護予防訪問入浴介護 |
全身浴 | 852円/回 |
部分浴 | 767円/回 | |
清拭 | 767円/回 |
※1割負担の場合の自己負担額です
※地域等によって異なる場合があります
訪問入浴サービスと介護予防訪問入浴介護の料金を表にしました。
介護予防訪問入浴介護はあくまで介護予防や自立支援を目的としており、スタッフの人数も少ないことから1回当たりの料金が安くなっています。
介助内容によっても料金が異なるため、ケアマネージャーと相談しながら進めるといいでしょう。
訪問入浴サービスの流れ
- 体調の確認
- 脱衣・浴槽の準備
- 入浴開始
- 上がり湯
- 着衣・体調確認
- 片付け・終了
訪問入浴サービスはどのように進行するのか、流れを紹介します。
1.体調の確認
まずは、入浴が可能な体調かどうかを確認します。
血圧・脈拍・体温などをはかり、利用者の健康状態を看護師がチェックします。
入浴は体に負担がかかる行為なので、事前の体調確認は重要です。
2.脱衣・浴槽の準備
体調が良好であることが確認されたら、スタッフが脱衣や浴槽の湯等の準備をします。
浴槽は専用のものが準備されるため、浴室や脱衣所が狭くても心配いりません。
お湯が出てくる水栓をスタッフに案内しましょう。
3.入浴開始
利用者の希望や状態に合わせて、スタッフが全身浴・部分浴・清拭を行っていきます。
ベッドなどからの移動もスタッフが補助します。
全身を湯舟に浸ける一般的な入浴は「全身浴」、全身浴が難しい利用者に行う洗髪や陰部洗浄、足湯のみなど部分的な入浴が「部分浴」です。
また、体調等で湯舟に浸かるのが難しい場合は、お湯で濡らしたタオルで体を拭く「清拭」で対応するケースもあります。
4.上がり湯
仕上げにシャワーでお湯を体の隅々までかけ、上がり湯を行います。
上がり湯は湯冷め防止などの効果があると言われており、長めの時間をとることもあるでしょう。
5.着衣・体調確認
スタッフが利用者の体を拭いたりベッドに移動させたりし、着衣を行います。
入浴は体に負担となることがあるため、入浴後も看護師が血圧・脈拍・体温などを測ります。
体調に変化がないことを確認し、入浴は終了です。
6.片付け
入浴後の体調確認と同時進行でスタッフが片付けを行い、訪問入浴サービスは終了です。
通所(デイサービス)や訪問介護と訪問入浴サービスの違い
- 通所(デイサービス等)は施設の入浴設備を使用
- 訪問介護は自宅の浴槽を使用
入浴介助はデイサービスなどの通所や訪問介護でも行っていますが、どちらも訪問入浴サービスと違いがあります。
通所(デイサービス等)は施設の入浴設備を使用
デイサービスやデイケアといった通所は、施設にいる時間内に施設の入浴設備を使用して入浴します。
介護用の設備が整っており、スタッフも介護のプロです。
利用者もその家族も安心して利用できるでしょう。
訪問介護は自宅の浴槽を使用
訪問介護は、家にスタッフが来て介護を行うサービスです。
入浴介助も行いますが、訪問入浴サービスの入浴介助と違う点は自宅の浴槽を使用する点です。
また、訪問介護では入浴介助をスタッフ1名で行います。
訪問入浴サービスのメリット・デメリット
- 訪問入浴サービスのメリット
- 訪問入浴サービスのデメリット
訪問入浴サービスのメリットやデメリットを説明します。
両方を知っておけば、要介護者にあった選択ができるでしょう。
訪問入浴サービスのメリット
- 介護者の負担軽減
- 心身の健康を保持
- 介護保険を適用できる
入浴介助は介護側の負担が大きいため、訪問入浴サービスを利用すれば負担が軽減できます。
また、通所の入浴や訪問介護の入浴よりも充実した入浴タイムが確保でき、体を清潔に保つだけでなくリラックス効果も期待できるので、心身の健康に繋がるでしょう。
条件を満たせば介護保険が適用されるので、自己負担額を抑えながら利用できる点もメリットです。
訪問入浴サービスのデメリット
- 訪問介護よりも高額
- 要介護者へのストレス
訪問入浴サービスは訪問介護よりも高額になり、利用回数を増やすと経済的に負担となってしまうのがデメリットです。
また、自宅に居ながらいつもと違う環境で入浴するため、要介護者が入浴拒否をするなど、ストレスのかかる状態になることが考えられます。
利用する場合は要介護者と意思疎通を図り、納得してサービスを利用するようにしましょう。
訪問入浴サービスはこんな人におすすめ
- 自宅のお風呂だと介助しにくい
- 通所サービスが苦手
- 要介護度が高め
- 体調が変化しやすい
訪問入浴サービスは、上記のような人におすすめです。
自宅のお風呂や脱衣所が狭いなど、入浴介助しにくい場合は、専用のバスタブを持って来てくれる訪問入浴サービスが良いでしょう。
デイサービスなどの通所サービスを利用すれば施設のお風呂に入れてもらえますが、自宅以外の場所が疲れるなどの理由で苦手な人もいます。
また、要介護度が高めの方は、スタッフが多く持ち運び可能なバスタブを利用する訪問入浴サービスを検討してみてください。
体調の変化が著しい方も、看護師が必ず常駐して入浴の前後に体調チェックをしてくれる訪問入浴が安心です。
生活リハビリデイサービスりふりの入浴サービス
- 入浴設備
- 入浴時の対応は自立支援!
- 体温・血圧・サチュレーションでバイタルチェック
生活リハビリデイサービスりふりの入浴サービスについて紹介します。
個浴の入浴設備
- ユニットバスタイプ
- リフト付きタイプ
りふりは、利用者様ひとりひとりにリラックスしていただきたいため、個浴の入浴設備を整えています。
一般家庭でもよく見るユニットバスタイプと、車椅子の方でも利用しやすいリフト付きタイプです。
どちらも広々しており、安全に入浴できる環境が整っています。
入浴時の対応は自立支援重視!
りふりでは自立支援を重視しているので、利用者様一人一人に合った入浴介助を心がけています。
利用者様ができることは見守り、サポートが必要な場合は必要な分だけサポート!
基本的に利用者様一人につき一人のスタッフがつき、1対1で入浴介助や見守りを行います。
体温・血圧・サチュレーションでバイタルチェック
入浴時は体温・血圧・サチュレーションを計測して、利用者様の体調をしっかり確認します。
入浴は体に負担をかけることもあり、体調変化が起こりやすいため、体調確認には余念がありません。
安全第一に、リラックスできる充実した入浴タイムを提供できるようにしています。
訪問入浴サービスは自宅の浴室や要介護者の状態を見て検討しよう
訪問入浴サービスは、看護師を含む3名で自宅を訪問し、専用のバスタブで入浴介助を提供するサービスです。
要介護認定を受けている方は介護保険が適用されます。
また、要支援1~2で自宅の浴室が狭いなど特別な理由がある場合は、介護予防訪問入浴介護という名称の同じようなサービスを受けることが可能です。
自宅では入浴介助が難しい、通所サービスが合わないといった方に、訪問入浴サービスや介護予防訪問入浴介護がおすすめ。
また、要介護度が高く、少しの移動も困難な方や体調の変化が起こりやすい方も、訪問入浴サービスを検討しても良いでしょう。
利用の際は、要介護者の希望や状態などをしっかり確認したうえでケアマネージャーに相談して決めましょう。
カテゴリー|ブログ