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2025.8.7

短期入所生活介護(ショートステイ)とは?特徴や対象者、その他類似施設との違いをわかりやすく解説

短期入所生活介護(ショートステイ)とは?特徴や対象者、その他類似施設との違いをわかりやすく解説

「短期入所生活介護って何?」
「短期入所生活介護を利用する際の注意点は?」

といった疑問にお答えすべく、短期入所生活介護(ショートステイ)とは何かをまとめました。

特徴や料金、利用する際の注意点など、短期入所生活介護について詳しく解説しています。

短期入所生活介護(ショートステイ)とは?

短期入所生活介護(ショートステイ)とは?

短期入所生活介護(ショートステイ)は、要介護者が介護施設に短期間入所して介護などが受けられるサービスです。

特徴

短期入所生活介護は、1日単位で利用でき、連続利用日数は30日までです。

在宅介護の継続を前提とした一時的な支援サービスであり、30日を超える連続利用は介護保険給付の対象とならず、自費での負担となります。

施設形態には大きく分けて「併設型」と「単独型」の2種類があり、併設型は特別養護老人ホームなどの入所施設に併設されたもので、単独型はショートステイ専門の独立した施設です。

どちらも24時間体制で介護職員が常駐し、安心・安全なケアを提供しています。

対象者

短期入所生活介護の対象者は、要介護認定で要介護1から要介護5の認定を受けた方です。

要介護度に応じて利用できるサービス内容や利用料金が設定されており、より重度の要介護者ほど手厚いケアを受けられるでしょう。

利用にあたっては、ケアマネジャーが介護状況に基づいて作成するケアプランに基づき、利用日数や頻度が決められます。

一方、要支援1・2の認定を受けた方は要支援者の自立支援と介護予防に重点を置いた「介護予防短期入所生活介護」というサービスが利用可能です。

要介護認定で受けられる公的サービスについてはこちら↓
【要介護認定のメリット・デメリット】要介護認定で受けられる公的サービスや特徴を解説

目的

  • 介護者の負担軽減
  • 利用者の心身機能向上・維持
  • 施設入所前の慣らし

短期入所生活介護には主に3つの目的があります。一つは介護者の負担軽減です。

介護者が病気・冠婚葬祭・旅行・出張などで一時的に介護ができなくなった際や、介護疲れで休養が必要なときなど短期入所生活介護が役立ちます。

介護者の身体的・精神的負担を軽減できるため、在宅介護の健全な継続が可能となるでしょう。

二つめは要介護者の心身機能の向上・維持です。施設での専門的な介護やリハビリテーションで、要介護者の身体機能を維持したり向上したりできるでしょう。

環境変化によるリフレッシュ効果やほかの利用者との交流により、孤立感の解消や精神面での健康維持にもつながります。

また、施設入所前の慣らしとしても活用でき、将来的な施設入所に向けた準備期間として活用することも可能です。

短期入所生活介護(ショートステイ)の種類とサービス内容

短期入所生活介護(ショートステイ)の種類とサービス内容
  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護

短期入所生活介護には、提供するケアの違いで上記の2種類に分類できます。

短期入所生活介護

短期入所生活介護では、日常生活を送るうえでの基本的な介護サービスを受けられます。

食事介助や入浴介助、排泄介助など身体介護のほか、施設内での洗濯や居室の掃除など基本的な生活援助も含まれていることが特徴です。

利用者の心身を活性化させるレクリエーション活動や、介護職員によるリハビリテーション、機能訓練なども実施し、安全で快適な生活環境を整えて利用者の心身機能の維持と向上を目指します。

短期入所療養介護

短期入所療養介護は、医療的な管理とケアが含まれており、医師や看護師が常駐して医療的介護が必要な方を支援する点が特徴です。

食事や入浴などの一般的な生活援助はもちろん、医師の指示による投薬管理、喀痰吸引や経管栄養などの医療的処置、理学療法士や作業療法士による専門的な機能訓練やリハビリテーションなどを受けられます。

短期入所生活介護(ショートステイ)の利用料を部屋タイプ別に解説

短期入所生活介護(ショートステイ)の利用料を部屋タイプ別に解説
サービス要介護度従来型個室多床室ユニット型個室
ユニット型的多床室
短期入所生活介護要支援1451円/日451円/日529円/日
要支援2561円/日561円/日656円/日
要介護1603円/日603円/日704円/日
要介護2672円/日672円/日772円/日
要介護3745円/日745円/日847円/日
要介護4815円/日815円/日918円/日
要介護5884円/日884円/日987円/日
短期入所療養介護要支援1579円/日613円/日624円/日
要支援2726円/日774円/日789円/日
要介護1753円/日830円/日836円/日
要介護2801円/日880円/日883円/日
要介護3864円/日944円/日948円/日
要介護4919円/日997円/日1,003円/日
要介護5971円/日1,052円/日1,056円/日
※併設型の場合

短期入所生活介護の利用料は、上記のとおりです。

短期入所生活介護の利用料は、介護度や居室タイプによって異なります。

利用料のほかに、オムツ代や食事代などは別途必要です。

参考:短期入所生活介護(ショートステイ)|厚生労働省
参考:短期入所療養介護|厚生労働省

短期入所生活介護(ショートステイ)サービス提供施設

短期入所生活介護(ショートステイ)サービス提供施設

短期入所生活介護サービスはさまざまな種類の施設で提供されており、利用者の状態や必要なケアの内容によって適した施設を選択できます。

短期入所生活介護サービス提供施設

  • 特別養護老人ホーム
  • 一部の有料老人ホーム
  • ショートステイ専門施設

短期入所生活介護サービスを提供する主な施設は、上記3種類です。

特別養護老人ホームは、常時介護が必要な高齢者の受け入れや身体介助、機能訓練、レクリエーションなどサポートが幅広く充実しています。

有料老人ホームは比較的新しい施設や、バリアフリー設備・上質なサービス・個室などを備えた快適な環境が整っている点が魅力です。

ショートステイ専門施設は小規模で家庭的な雰囲気ときめ細かなサービスが特徴で、一人ひとりに合わせた対応や比較的静かな環境を重視する方に向いています。

短期入所療養介護サービス提供施設

  • 療養病床を持つ医療機関
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院

短期入所療養介護サービスは、より医療的なニーズの高い利用者に対応するため、受け入れは医療機関や医療系介護施設に限られます。

療養病床を持つ医療機関では、医療ケアや機能訓練を中心としたサービスを受けられます。

介護老人保健施設は医師が常駐しており、看護師や理学療法士などの専門職による総合的なケアが特徴です。

介護医療院は医療的ケアが必要な重度の方も受け入れ可能で、プライバシーに配慮された居室環境が整っています。

短期入所生活介護(ショートステイ)の注意点

短期入所生活介護(ショートステイ)の注意点
  • 予約がとりにくいことがある
  • 短期間での環境変化でストレスになる場合がある
  • 連続利用日数が30日を超えると介護保険が適用されない

短期入所生活介護を利用する際には、上記3つの注意点があります。

予約がとりにくいことがある

短期入所生活介護は要介護者や要支援者の需要が高い一方ベッド数が限られているため、予約が取りにくい可能性があります。

特に年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの連休時期は競争が激しくなるでしょう。

早めの申し込みやケアマネジャーを通じた情報収集を心がけ、急に利用が必要になった際のことも検討しながら動かなければなりません。

各施設は予約状況を公開していたり、随時空きベッド情報を更新していたりすることもあるため、こまめにサイトをチェックしましょう。

短期間での環境変化でストレスになる場合がある

短期入所生活介護では、慣れ親しんだ自宅から施設への急な移動により、利用者がストレスを感じる場合があります。認知症の方や環境変化に敏感な方は、特に混乱や不安を感じやすいでしょう。

なるべく負担を少なくするためには、事前の施設見学や体験利用を行い、段階的に慣れていくことがおすすめです。

普段使用している日用品や馴染みのある物を持参するといった、安心感を得るための工夫も必要です。

連続利用日数が30日を超えると介護保険が適用されない

短期入所生活介護では、連続利用日数が30日を超えると介護保険の給付対象外となり、全額自己負担です。

短期入所サービスの利用日数は、原則として「要介護認定の期間(通常は1年など)の半分くらいまで」と決められています。

とはいえ、要介護者の状態や介護者の都合などを考慮し、必要と認められる場合には期間の半分を超える日数を使うことも可能です。

長期間の利用には行政への届け出やケアプランの調整が必要であるため、ケアマネジャーに相談しましょう。

短期入所生活介護を上手に活用して在宅介護を継続しよう

短期入所生活介護(ショートステイ)は、在宅介護を継続するために一時的に要介護者が短期間施設に宿泊しながら必要な介護を受けられるサービスです。

介護者の負担軽減と要介護者の心身機能維持の両方を実現できます。

利用にあたっては、施設の種類や特徴を理解し、利用者の状態に適したサービスを選択することが大切です。予約の取りにくさや環境変化によるストレス、30日の利用制限などの注意点も事前に把握し、計画的な利用を心がけましょう。

ケアマネジャーと相談し長期的な介護計画のなかで短期入所生活介護を活用すると、安心で持続可能な在宅介護の実現につながります。





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