高齢者のリハビリについて│目的や注意点・効果なども解説!おすすめのメニューも紹介
「高齢者がリハビリをすると、どんな効果が得られるの?」
「高齢者がリハビリをする際、何に注意するべき?」
高齢になると、体を動かすのがしんどいと感じる日もあるでしょう。しかし、リハビリなどで体を動かすほうが、心身ともに長く健康で居られます。
今回は、高齢者のリハビリについて、目的や効果、注意点について解説します。おすすめのリハビリメニューについてもご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
リハビリとは?
リハビリとは「リハビリテーション」の略で、re(再び)・habilitation(適した)という意味の組み合わせから成り、「本来あるべき状態にまで回復し、人間らしく生きるために行うすべての活動」のことをいいます。
リハビリというと、病院や施設で行われる訓練をイメージする人が多いでしょう。もちろん、病気や怪我によって低下した身体の機能を回復させることも、リハビリです。
また、リハビリとは、ただ機能を回復させるだけではなく、自分らしく生きるために行われる活動という幅広い意味を持っています。
高齢者が取り組むリハビリの目的や効果
高齢者がリハビリを行う目的は、病気や怪我で低下した身体機能を回復させることや、自立した生活を送れるようにすることなどです。
高齢になると、病気や怪我がなくても、筋力や関節可動域が低下して身体機能が低下します。身体機能が低下すると、日常生活が一人で送れなくなり、周囲のサポートが必要になる場面が増えます。これまで一人でできていたことができなくなることで、生活への満足度が下がったり、ストレスを感じたりする高齢者もいるでしょう。
リハビリで筋力の強化や関節可動域の改善を図り、身体機能が回復すると、自立した生活を維持できます。その結果、高齢者の自尊心や満足度が高まり、生活の質が向上するでしょう。
また、高齢者は、栄養不足や運動不足、社会参加の機会減少が原因で、身体的・精神的・社会的に虚弱な「フレイル」状態になるリスクがあります。フレイルが進行すると、要介護状態になりやすいため、食事や運動に気を使い、社会との関わりを持つなど、早期に対策する必要があります。
リハビリを行って日常生活での動作が改善されると、外出や趣味活動などに参加しやすくなり、社会的なつながりを持ちやすくなります。フレイルの予防だけでなく、高齢者の孤独感が解消され、メンタルの安定やQOL向上にもつながるでしょう。
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高齢者にとってリハビリが重要なワケ
高齢者のリハビリは、病気の慢性化・介護予防のために必要不可欠です。
高齢者は複数の不調を抱えていることが多く、病気が慢性化すると合併症を併発したり機能障害を起こしたりするおそれがあります。病気を抱えながらも自立した生活を送れるように、そして病気の進行防止や改善のために、重要なことのひとつがリハビリです。
また、高齢者は脳血管疾患や転倒などが原因で要介護状態になるケースが多くみられます。適切なリハビリを行うと、血圧や血糖値がコントロールできるため病気の予防になります。筋力を強化することで転倒リスクの軽減にもなり、怪我予防としても効果的でしょう。
要介護状態になるのを回避するためにも、高齢者はリハビリで身体機能を維持・向上させることが大切です。
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高齢者が公的保険を利用してリハビリを行う方法
高齢者は、医療保険・介護保険のいずれかを利用してリハビリを受けられる場合があります。詳しい内容は地域によって異なる場合があるため、自治体に確認しておきましょう。
医療保険が適用されるリハビリ
リハビリテーション名 | 対象となる疾患(一例) |
脳血管疾患リハビリテーション | ・脳梗塞・脳出血・くも膜下出血・パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症 |
運動器リハビリテーション | ・上・下肢の複合損傷・脊髄損傷・関節の変形・損傷・筋肉の機能低下 |
呼吸器リハビリテーション | ・肺炎・肺がん・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・胸部外傷 |
心大血管疾患リハビリテーション | ・急性心筋梗塞・慢性心不全・狭心症発作・大動脈解離・呼吸循環機能が著しく低下している人 |
廃用症候群リハビリテーション | ・急性疾患等に伴う安静による廃用症候群 |
医療保険が適用されるリハビリは、主に病気や怪我からの回復を目指して、医師の指示に基づき医療機関・施設などで行われます。治療や訓練を重視しており、日数に制限があるのが特徴です。
医療機関・施設によって提供しているリハビリは異なり、日数は病気や怪我の種類により異なります。
医療保険を利用してリハビリを受けるためには、まずは担当の医療機関に相談し、適切な施設やプログラムを紹介してもらい、手続きを行いましょう。
医療保険と介護保険のリハビリの違いについて詳しくはこちら↓
リハビリできない?医療保険と介護保険のリハビリの違いについて
介護保険が適用されるリハビリ
介護保険が適用されるリハビリは、医療機関を退院した後やQOL向上を目指し、医師の指示に基づいて施設などで行われます。介護認定を受けた方が対象であり、「通所リハビリテーション」「短時間通所リハビリテーション」「訪問リハビリテーション」の3種類のサービスが利用できます。
通所リハビリテーションはデイケアとも呼ばれており、病院や介護施設などに日帰りで通って受けるサービスです。主に生活機能向上を目指して行われ、レクリエーションや食事の時間も設けられています。生活リズムを保ちやすく、孤独感の解消にも効果的でしょう。
短時間通所リハビリテーションは、レクリエーションや食事の時間はなく、リハビリだけを受けられるサービスです。自宅以外の場所に長時間いると疲れてしまうという方に向いています。
訪問リハビリテーションは、自宅でリハビリが受けられるサービスです。理学療法士や作業療法士などの専門職スタッフが自宅を訪問し、歩行訓練や飲み込みの練習など日常生活で必要な動作の指導を受けられます。施設に通うのが難しい方でも、安心して利用できるでしょう。
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【要介護認定のメリット・デメリット】要介護認定で受けられる公的サービスや特徴を解説
高齢者のリハビリで注意するべきこと
- 無理なくできる運動を行う
- 目的・目標を明確にする
- 体調を考慮しながら行う
高齢者のリハビリは、「無理なくできる運動を行う」「目的・目標を明確にする」「体調を考慮しながら行う」の3つのポイントに注意して行う必要があります。
無理なくできる運動を行う
高齢者の年齢や体力・健康状態を考慮し、個人のレベルに合う適切な計画を立てることが大切です。運動は継続が大切であるため、無理なく続けられるメニューを提案しなければなりません。
リハビリ計画は定期的に見直しを行い、回復度に合わせて内容を変更していきましょう。
目的・目標を明確にする
リハビリは目的や目標を明確にして行いましょう。「リビングの床拭き掃除をして綺麗にする」「一人で食事がとれるようになりたい」など、目的・目標を明確に持つことでリハビリに積極的に取り組めるようになります。
また、目的や目標を達成できると達成感が得られ、自立した生活を送るうえで自信が持てるようになるでしょう。
体調を考慮しながら行う
リハビリは体調を考慮しながら行うことが重要です。体調が悪かったり、元気でも自覚症状がなかったりした場合、リハビリによって病気を悪化させてしまうおそれがあります。リハビリの前には、息切れ・動悸などいつもと違う体調ではないか確認しましょう。
また、リハビリは症状・怪我の状態や回復度合いによって一時的に強い痛みが出る場合があります。リハビリを休んだほうが良い痛みもあるため、無理はせず、痛みがある場合は理学療法士などのセラピストに確認してください。
リハビリでの痛みの原因や対処法について詳しくはこちら↓
リハビリは痛みがあっても続けるべき?~痛みの原因と対処法~
おすすめのリハビリメニュー
高齢者におすすめのリハビリメニューとして「健口眠体操」を紹介します。
健口眠体操は、東京大学医学部付属病院所属の松平浩特任教授が開発した高齢者向けの体操で、5分間という短い時間内に21種類もの運動が盛り込まれています。椅子に座って行える運動ばかりが選択されているため、高齢者でも安全に行えるのが特徴です。
「生活リハビリデイサービスりふり」でも健口眠体操を導入しており、実際に行った利用者のなかには運動機能の向上を実感されている方も多くいます。明るい音楽を使用しており、思わず体を動かしたくなるような工夫もされていて、多くの利用者が楽しんで継続されています。
健口眠体操について詳しく知りたい方はこちら↓
【高齢者向け体操】健口眠体操バーチャルゲームプログラム│口腔・睡眠・運動器トレーニング
適切なリハビリで健やかな毎日を送ろう!
高齢者がリハビリを行うと、病気や怪我で低下した身体機能の回復が期待できます。また、筋力の強化や関節可動域の改善によって、転倒や病気の重症化、フレイルを防げるため、要介護状態の予防にも役立つでしょう。
日常生活での動作が改善され、社会とのつながりを持てるようになると、孤独感が解消され、心身ともに健やかな日々を送れるでしょう。
高齢者のリハビリは、医療保険・介護保険のいずれかを利用して実施可能です。最適な内容のリハビリを受けるために、まずは担当の医療機関に相談しましょう。
「生活リハビリデイサービスりふり」では、理学療法士などのセラピストがマンツーマンでリハビリを行っています。利用者一人ひとりに合わせた内容のリハビリを実施しているため、満足度の高いサービスが受けられます。
葛飾区・江戸川区のリハビリ施設をお探しの方は、ぜひ利用者ファーストの「生活リハビリデイサービスりふり」にお問い合わせください。
生活リハビリデイサービスりふりについて詳しくはこちら↓
生活リハビリデイサービス りふり
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