フレイルとは?症状や原因から予防方法までわかりやすく解説!サルコペニアとの違いも
「フレイルって何?」
「フレイルを予防するにはどうしたらいいの?」
と疑問のある方のために、フレイルについてまとめました。
症状や予防法をはじめ、サルコペニアとの違いについても解説します。知っておけば健康なうちから対策ができ、もし症状が現れても早期対応が可能でしょう。
長く健康でいるため、ぜひ参考にしてください。
フレイルって簡単にいうと何?
- 身体的フレイル
- 精神・心理的フレイル
- 社会的フレイル
フレイルは、「虚弱」という意味があり、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指します。
フレイルには「身体的フレイル」「精神・心理的フレイル」「社会的フレイル」の3つがあります。
厚生労働省によると、身体的機能、精神・心理的機能、社会的機能が低下すると、急速にフレイルが進行するといわれています。
身体的フレイル
身体的フレイルは、筋力の減少や運動器の障害などで歩行などの移動機能が低下した状態を指します。
加齢によって筋力は自然と低下していきますが、何も対策しないでいるとふらつきや転倒のリスクが高まるだけでなく、車椅子生活を余儀なくされるなど、自立生活にも支障をきたすでしょう。
また、口周りの機能が低下する「オーラルフレイル」も、身体的フレイルの1つです。食べる時にむせやすくなった、柔らかいものばかりを食べるようになった、という方は、口腔機能が低下している可能性があるため、注意が必要です。
精神・心理的フレイル
不安症状、うつ状態、不眠、疲労感、認知機能低下などの症状を、精神・心理的フレイルといいます。
定年で仕事を退職したり、パートナーとの別れを経験したりと、環境の変化などで以前のような活力を失ったり、生きる気力が低下したりし、精神的に支障をきたしてしまうことがあるでしょう。
社会的フレイル
家族や友人などと交流する機会が減り、社会とのつながりが希薄になることで社会的孤立や孤食、閉じこもり状態などが生じることを社会的フレイルといいます。
社会的フレイルは、身体的フレイルよりも気づきにくいといわれているため、注意が必要です。
サルコペニアとの違い
フレイルは、身体的・心理的・社会的な虚弱のことを指すのに対し、サルコペニアは主に加齢や疾患による筋肉量と筋力が低下した状態を指します。
サルコペニアの要因には、加齢による筋肉量の減少や食事量の減少、運動量の低下などが挙げられます。
サルコペニアが進行すると、下肢や体幹などの筋力の低下により歩くスピードが遅くなる、ふらつきが多くなるなど、転倒や骨折のリスクが高まるでしょう。
フレイルの症状や原因
フレイルは、さまざまな症状から診断することが可能です。フレイルの詳しい症状や原因について解説します。
フレイルの症状
項目 | 評価基準 |
体重減少 | 6か月で2kg以上の(意図しない)体重減少 |
疲労感 | (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする |
歩行速度 | 通常歩行速度<1.0m/秒 |
筋力低下 | 握力:男性<28kg、女性<18kg |
身体活動 | 1.軽い運動・体操をしていますか? 2.定期的な運動・スポーツをしていますか?上記の2つのいずれも「週に1回もしていない」と回答 |
フレイルになると体重が著しく減少する、疲労感が強い、などの症状が現れます。また、運動不足による筋力の低下、歩行速度の低下などもフレイルの症状の一つです。
上記の評価基準は、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの日本版フレイル基準(J-CHS基準)です。
5つの症状のうち、3項目以上該当する方はフレイル、1つか2つ該当する方はフレイルの手前のプレフレイル、いずれも該当しない方は健常と診断されます。
原因
- 栄養不足
- 運動不足
- 社会参加の不足
フレイルは、栄養不足・運動不足・社会参加の不足などの原因により起こります。
独居や高齢者のみの世帯は、調理が難しい、買い物に行くのが億劫などの理由で食事が偏ることがあります。偏った食生活は栄養が不足し、フレイル状態になるリスクを高めるため注意が必要です。
また、運動不足は筋力低下を助長させ、日常生活動作の低下や姿勢不良、バランス能力の低下など、さまざまな支障をきたします。
社会参加の不足も、フレイルになる原因の一つです。社会的な繋がりが不足すると、孤立感が生じるだけでなく、コミュニケーション不足により認知機能が低下する可能性があります。社会参加の不足は、身体的・精神的な健康に影響を与えるでしょう。
フレイルを予防するのに必要なこと
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- 外出・人との交流
フレイルを予防するには、食事・運動・社会との関わりが必要です。具体的にどのように予防すれば良いのか、解説します。
バランスの良い食事
フレイルの予防には、バランスの良い食事をとることが大切です。特に、肉や魚、卵、大豆などは、筋肉を作るために必要なタンパク質を多く含む食品なので、しっかりと食事に取り入れましょう。
「毎食バランスの良い食事を作るのは難しい」という方は、配食サービスの利用を検討しましょう。栄養バランスに配慮したメニューに加え、減塩食やアレルギー食、刻み食など、希望に合わせてさまざまな食事形態で提供されています。配食サービスを上手に利用して、健康的な食生活を目指しましょう。
適度な運動
日頃から適度な運動やトレーニングを行うことで、フレイルのリスクを軽減できる可能性があります。近くの公園まで散歩をする、少し遠くのスーパーまで買い物に行ってみるなど、生活の中で少しずつ体を動かす習慣をつけることが大切です。
一人では運動が難しい、専門家に指導してもらいたい、という方は、リハビリデイサービスの利用がおすすめです。デイサービスは、基本的に要介護認定を受けている方が利用できる施設ですが、最近では自費のリハビリデイサービスも増えています。
理学療法士などのセラピストが自分に合った運動を提案してくれるため、今まで運動の習慣がない方も安心して運動ができるでしょう!
高齢者が自宅でできる運動について詳しくはこちら↓
理学療法士考案!高齢者が自宅でできる運動を動画で紹介
外出・人との交流
フレイルの予防で特に重要なのは、外出や人との交流です。地域のボランティアに参加したり、趣味のクラブに入会したりと、自分に合った方法で社会参加の機会を増やしましょう。
人との交流により、気持ちが明るく前向きになれるだけでなく、認知機能の低下を予防する効果も期待できます。
また、デイケアなどの利用もフレイルの予防に効果的です。デイケアは、専門的なリハビリが受けられる他、利用者同士での交流ができ、心身の機能低下の予防・改善の効果が期待できるでしょう。
デイケアについて詳しくはこちら↓
デイサービスとデイケア|どっちを選んだらいいの?違いと選び方を解説
簡単フレイルチェック!
- 輪っかテスト
- イレブンチェック
フレイルの兆候があるかどうかを知るために、自宅で簡単にチェックできる簡易テストがあります。フレイルのチェックテストで、現在の状態を確認しましょう。
指輪っかテスト
- 両手の親指と人差し指で輪を作ります。
- 利き足ではない方のふくらはぎの一番太い部分を、力を入れずに軽く囲んでみましょう。
輪っかテストは、フレイルの一つであるサルコペニアの状態を、計測器は使わずに自分の指を使って確認する簡易テストです。
作った輪っかでふくらはぎが囲めなかった場合はサルコペニアの可能性は低く、ちょうど囲める場合はサルコペニアの可能性は中程度、囲んだ時にふくらはぎと指の間に隙間ができる場合はサルコペニアの可能性が高いといえます。
イレブンチェック
イレブンチェック11項目 | 回答欄 | |||
栄養 | 1 | ほぼ同じ年齢の同性と比較して健康に気を付けた食事を心がけていますか | はい | いいえ |
2 | 野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日2回以上は食べていますか | はい | いいえ | |
3 | 「さきいか」、「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛み切れますか | はい | いいえ | |
4 | お茶や汁物でむせることがありますか | いいえ | はい | |
運動 | 5 | 1回30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していますか | はい | いいえ |
6 | 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか | はい | いいえ | |
7 | ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか | はい | いいえ | |
社会参加 | 8 | 昨年と比べて外出の回数が減っていますか | いいえ | はい |
9 | 1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか | はい | いいえ | |
10 | 自分が活気に溢れていると思いますか | はい | いいえ | |
11 | 何よりまず、物忘れが気になりますか | いいえ | はい |
イレブンチェックは、フレイルの基準である食事や栄養、運動、社会参加の3つの項目から、自分がフレイルの兆候があるのかどうかをチェックできるものです。
回答欄の右側に6つ以上丸がついた方は、フレイルになる可能性が高く、1つ丸が増えるごとにフレイルのリスクが高まります。
生活リハビリデイサービスりふりのフレイル対策
- 理学療法士によるマンツーマンリハビリ
- バランスのとれた食事提供
- 定期的なイベント
生活リハビリデイサービスりふりでは、リハビリの他に栄養バランスのとれた食事やイベントなど、さまざまなフレイル対策を行っています。 りふりの詳しいサービス内容について紹介します。
理学療法士によるマンツーマンリハビリ
りふりでは、理学療法士や作業療法士などの専門家がマンツーマンでリハビリを行っています。身体の状態や生活習慣は人によってさまざまなので、利用者一人ひとりの状態を確認し、その結果や目標に応じてメニューを組み立てていきます。
また、りふりのリハビリの特徴は単なる運動や筋トレではなく、歩く、食事をする、着替えをする、トイレに行く、入浴するなどの、実際の生活で行う動作を中心とした生活動作訓練を実施していることです。
その方に本当に必要なリハビリを行うことで、生活の質が向上し、フレイルの予防につながるでしょう。
バランスのとれた食事提供
りふりでは、栄養バランスのとれた食事を温かい状態で提供しています。
普通食、介護食(一口大・刻み・極小・極小のとろみ付き・ムース食など)、塩分コントロール食、低タンパク食など、一人ひとりの健康状態に応じた食形態での提供も可能です。
定期的なイベント
お花見や七夕、納涼会、運動会、クリスマス、お正月など、季節に合わせたイベントを1~3カ月に1回行っています。
このイベントは、心身の活性化、認知機能の維持・向上、他者との交流の促進などの目的があります。イベントを通して四季を感じることも、フレイル予防の1つとなるでしょう。
また、利用中の余暇活動に手芸や塗り絵、ipadでの脳トレ、囲碁、将棋、youtube、音楽鑑賞などを行っています。
スマホの使い方が知りたいという方には、電源の入れ方や電話のかけ方など、基本的なスマホの使用方法も教えています。
スマホが使えるようになれば、人との交流がしやすくなり、フレイルの予防につながるでしょう。
フレイルを予防して健康的な老後を送ろう
フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の段階のことを指し、身体的・心理的・社会的の3つの機能が低下することで、フレイルが急速に進行してしまいます。フレイルを予防するためには、バランスの良い食事、適度な運動、外出や他者との交流が大切です。
りふりでは、一人ひとりの体の状態に合わせたマンツーマンのリハビリの他、栄養バランスのとれた食事や季節のイベントなど、フレイル予防に効果的なサービスを提供しています。
フレイルは、予防することで健康な状態に戻る可能性があるため、日頃から適度な運動を取り入れたり、地域のクラブ活動に参加したりと、フレイルが進行しないように健康的な生活を送りましょう!
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