体幹トレーニングは高齢者におすすめのリハビリ!脊柱起立筋を鍛える座位でできる運動など紹介
「高齢者に体幹トレーニングは必要?」
「高齢者でもできる体幹トレーニングってあるの?」
体幹トレーニングとは、身体の中心になる部分を鍛えることです。高齢者の体幹トレーニングは、転倒や怪我の予防などにつながります。
体幹トレーニングが重要な理由と高齢者におすすめの体幹トレーニングをわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
体幹トレーニングについて
体幹トレーニングと聞くと、スポーツ選手など身体をしっかり鍛える方が重視するものだと思われることがあります。しかし、アスリートだけではなく、一般の方、高齢者にとっても、より健康的で活動的なライフスタイルを実現するための鍵になります。
体幹トレーニングとは?
体幹は、手足や頭を除いた体の中心になる部分で、首から腰にかけての胴体をさします。また、筋肉だけでなく骨や重要な内臓も含めて、「体幹」です。心臓、肺、腎臓、肝臓、腸など、生命を維持するために不可欠な臓器が体幹に集まっています。
体幹トレーニングは、胴体部分の筋肉を鍛え、体のバランスを整えることが一番の目的です。使われていない筋肉を活性化させ、硬くなりがちな筋肉の柔軟性を高めることで、日常動作のパフォーマンス向上が狙えます。
体幹トレーニングで期待できる効果
体幹トレーニングで体幹の筋肉が鍛えられると、体を支える筋肉が強化され、柔軟性が向上するといわれています。そのため、姿勢が良くなったりさまざまな動作に安定性が出たりすることが期待できるでしょう。姿勢の改善や動作の安定は、怪我の予防や腰痛の軽減などにもつながります。
また、体幹トレーニングによってお腹周りの筋肉を鍛えることで、内臓の位置が正しい位置に納まることから、内臓のズレによって生じる便秘や消化不良などの不調の改善も期待できます。
筋肉の衰えによる怪我の予防や痛みが改善するだけでなく、内臓にも良い作用があるといわれているため、スポーツをする人だけではなく、さまざまな人の健康増進に有効です。
高齢者における体幹トレーニングの重要性
体幹トレーニングは、姿勢の改善や動作のスムーズさ、内臓機能の向上が期待できるため、特に高齢者にとって重要です。
高齢になると、体の中心部分である体幹の筋肉が弱くなり、細くなることが一般的です。体幹の筋力が落ちると、姿勢が悪くなったり、歩くのが難しくなったりするため、日常の動作がスムーズに行えなくなるかもしれません。
特に、体を支えたり動かしたりするのにとても大切な「お尻の筋肉」「背中の筋肉」「背骨を支える筋肉」「腰の筋肉」が弱くなりやすいとされています。
体幹トレーニングは、お尻や背中、腰など重要な筋肉を強化できるといわれており、スムーズな日常動作に必要なトレーニングです。
快適な生活を送るために必要な身体コンディションを整えられるため、高齢者にとっての体幹トレーニングは健康を保つための重要な手段の一つでしょう。
高齢者におすすめの体幹トレーニング
- 脊柱起立筋を鍛えるトレーニング
- 腸腰筋を鍛えるトレーニング
- 座位でできるトレーニング
高齢者におすすめの体幹トレーニングとして「脊柱起立筋を鍛えるトレーニング」と「腸腰筋を鍛えるトレーニング」、「座位でできるトレーニング」を紹介します。
トレーニングだけではなく日々の生活の中で、立っているときや歩いているときにも、体幹を意識して使うと、健康を維持する上で役立ちます。
高齢者におすすめのトレーニングについてはこちら↓
理学療法士考案】座位でもできる高齢者転倒予防トレーニングを動画つきで紹介
脊柱起立筋を鍛えるトレーニング
【ヒップリフト】
- 仰向けになり、両膝を立てます。
- 深呼吸をして、息を吐きながらお腹を凹ませます。腰と床の間に隙間ができないようにしましょう。
- 「1.2.3.4.5」と数えながら、お尻をゆっくりと上げます。腰が反らないよう注意してください。
- 「1.2.3.4.5」と数えながら、お尻をゆっくりと元の位置に戻します。
お尻を持ち上げるヒップリフトは、背骨の両側にある大きな筋肉の脊柱起立筋を鍛えられます。脊柱起立筋とは、立っているときや歩いているときに、背中を真っ直ぐ保つために重要な筋肉です。脊柱起立筋がしっかりしていると、姿勢が良くなり、腰痛などの予防にもつながります。
日々の生活で背中を丸めがちな人は、脊柱起立筋を意識して鍛えるといいでしょう。ヒップリフトは、お腹やお尻、脚の筋肉を強化するのに役立ちます。無理なく続けられる範囲で行い、体調が悪いときや、痛い場所があるときは控えましょう。
腸腰筋を鍛えるトレーニング
【お尻歩きトレーニング】
- 床に座って脚をまっすぐ伸ばします。
- お尻の左右を交互に動かしながら、骨盤を少し持ち上げて前に進みます。
- 同じようにお尻を動かしながら、今度は後ろに移動します。
- 畳1畳分のスペースで、前に進んだり後ろに戻ったりを繰り返します。
お尻歩きトレーニングは、お腹と腰のあたりにある腸腰筋を鍛えることが可能です。腸腰筋は歩いたり立ったりするときに必要で、腸腰筋がしっかりしていると、姿勢が良くなり、転びにくくなるなど、日常生活がより快適になります。体の健康や自立生活の維持に重要な筋肉であるため、意識して鍛えるといいでしょう。
お尻歩きトレーニングのポイントは、背筋を伸ばして大きな一歩を意識することです。最初は難しいかもしれませんが、続けることで徐々に上達します。お尻歩きトレーニングは、普段使わない筋肉を動かすので、体をしっかりと支える力がつくでしょう。
慣れてきたら、膝を曲げて足を浮かせてみると、さらに効果的です。
座位でできるトレーニング
【体ねじり運動】
- 椅子に座って背筋を伸ばします。
- 頭の後ろで手を組みます。
- 右ひじを左ひざにつけるイメージで斜めに状態を倒して戻します。
- 左ひじを右ひざにつけるイメージで斜めに状態を倒して戻します。
- 3・4を10回繰り返します。
体ねじり運動は、お腹周りや背中周りの筋肉を鍛えるのに有効といわれています。息を吐きながら上体を倒すのがポイントです。ひじとひざをくっつける必要はありません。体をねじりながら無理のない範囲で上体を倒しましょう。
体幹トレーニングで健康も支えましょう
体幹トレーニングは、スポーツ選手だけでなく、一般の方や高齢者にとっても重要です。日常生活での動作の改善、姿勢の安定、内臓機能の向上など、多くの健康上のメリットがあります。特に高齢者にとっては、歩行能力の維持や生活機能の向上に役立ちます。
トレーニングは、無理なく続けられる範囲で、継続することが大切です。日常生活の中で、立っているときや歩いているときにも体幹を意識してみてください。高齢者にとって体幹を鍛えることは、快適な生活を送るための大切な要素です。
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