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2025.7.23

介護職が働きやすい施設は?介護施設に従事する理学療法士が解説

介護職が働きやすい施設は?介護施設に従事する理学療法士が解説

「介護職として働きやすい施設の特徴を知りたい」
「介護職が働きやすい施設の見極め方は?」

働きやすい介護施設を探している方へ向けて、介護施設に従事している理学療法士が介護職にとって働きやすい施設についてまとめました。

働きやすい施設の特徴や働きやすい施設を見極める方法、各介護施設の特徴をふまえた働きやすいポイントを解説します。

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介護職が働きやすい施設とは?

介護職が働きやすい施設とは?
  • 人間関係が良好
  • 評価制度が整っている
  • 各休暇の取得実績が高い
  • ワークライフバランスが重視されている
  • 5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が徹底されている
  • マニュアル作成・定期的な更新がされている

上記を満たしている職場は、従業員一人ひとりが能力を発揮でき、心身ともに健康を保ちながら継続して働ける環境が整っています。

人間関係が良好

働きやすい施設は、従業員同士の人間関係が良好であることが多いでしょう。

介護職の離職原因は人間関係が上位に挙がっていることが多く、従業員同士の関係は働きやすさにおいて重要です。

介護業務は従業員同士の連携が必須であり、チームワークの良し悪しでサービスの質が左右されます。

円滑なコミュニケーションでスムーズな情報共有やお互いのサポートができる環境であれば、働きやすいといえるでしょう。

また、肩書などに関係なく意見交換がしやすい風通しのよい施設は、信頼関係が築きやすいといわれています。

新しいアイディアの創出や時代に沿った変革などがされやすいのも、人間関係が良好な介護施設です。

評価制度が整っている

評価制度が整っている職場とは、従業員の能力や成果を客観的かつ公平に評価できる仕組みが明確に設けられている職場です。

評価制度が整っている施設は、年齢や在籍年数などに関係なく能力や成果を評価する仕組みになっています。

評価基準が明確で透明性があれば従業員は自分の成長目標を設定しやすく、キャリアアップへの道筋も見えやすくなるでしょう。

評価結果が給与や昇進に適切に反映されると、モチベーションの維持も可能です。

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各休暇の取得実績が高い

有休をはじめ、産休や育休など各休暇の取得実績が高い施設は、休んでも施設が円滑に運営できる仕組みや制度が整っていると考えられます。

休暇は従業員のリフレッシュやライフプランの形成などに必要であり、従業員の権利です。

休暇が思うように取れない介護施設は、不満や不公平感が広がっている可能性が高いだけではなく、有休取得拒否などで違法行為にあたる場合もあります。

休暇が取りやすい介護施設は健全な運営がされており、従業員の満足度を高め、貢献意欲の維持や向上にもつながるため、働きやすい環境といえるでしょう。

ワークライフバランスが重視されている

仕事とプライベートの両立がしやすい環境や制度が整っていると、ワークライフバランスを重視しながら介護職として長く働けます。

ワークライフバランスに重きをおいている施設は、仕事と私生活のどちらかに偏ることなく、健康的で充実した生活を送りながら働くことが可能です。

従業員のライフプランや生活スタイルなどに合わせた柔軟な働き方ができたり、健康増進の福利厚生が充実していたりするため、安定した職場環境であることが多いでしょう。

心身ともに健康な状態で働けると、業務のパフォーマンス向上などにもつながります。

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5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が徹底されている

整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5Sが整った環境では、従業員がストレスなく業務に集中できるため働きやすいといえるでしょう。

5Sは、職場環境の改善や効率化をはかるために必要であり、施設全体でしっかり実践されている必要があります。

作業時間の短縮やコスト削減、生産性の向上、事故や怪我のリスク軽減などのメリットがあるため、従業員の負担軽減や安全な労働環境などに直結します。

働きやすい介護施設は5Sが徹底され、サービスの質だけではなく従業員の満足度も高い傾向にあるでしょう。

マニュアル作成・定期的な更新がされている

業務マニュアルが整備され、定期的に更新されている施設は従業員にとって働きやすい環境です。

明確なマニュアルがあれば、新人や中途採用の従業員もスムーズに業務に取り組めて教育も一貫して行えるでしょう。

また、マニュアルが定期的に更新されていると、課題の抽出や修正、共有ができている環境だと考えられます。

一方でルールが属人化されていると、入職や転職時に新人にも教育係にも負担が多く、ミスや過不足の原因にもなるでしょう。

マニュアルが充実していると、教育体制の強化や新人の定着が期待できます。

介護職が働きやすい施設を見極める方法

介護職が働きやすい施設を見極める方法
  • 教育システムがしっかりしているか確認
  • 職場の雰囲気・環境を確認
  • 従業員の人数が少なすぎないか確認
  • 施設の方針を確認

求人情報だけでは得られない上記のポイントにも注目すると、働きやすい施設を見極めることが可能です。

教育システムがしっかりしているか確認

どのような教育システムがあり、実際に運用できているかを確認します。

教育システムが充実している施設では、新人に対する上司のサポート体制が手厚く、安心して業務に取り組めます。

「新人研修やOJT(現場指導)が体系的に実施されている」「資格取得やキャリアアップの支援がある」などは注目すべきポイントです。

面接時には、新人教育の具体的な内容や期間、指導担当者がいるかどうかについて詳しく確認しましょう。

職場の雰囲気・環境を確認

可能であれば実際の職場を見学して、雰囲気や環境を確認しましょう。

従業員同士のコミュニケーションや利用者への接し方、表情や身だしなみなどは、働きやすい施設かどうかを判断するポイントになります。

職場見学が難しければ、SNSや口コミサイトなどから情報収集してみましょう。

また、面接で「年齢や職種問わず積極的に意見交換しながらお互いを高めていくことが可能か?」といった質問をすると、職場の風土や価値観を感じ取ることが可能です。

従業員の人数が少なすぎないか確認

実際に働いている従業員数を知ることも、働きやすさを見極めるヒントです。

適切な人員配置がされている施設では、業務が特定の個人に集中することなく、チーム全体で業務を分担できる環境が整っています。

従業員数が十分であれば業務が属人化されにくく、休暇取得や急な欠勤時にも柔軟な対応が可能です。

面接時には、現在の従業員数と利用者数の比率などを確認するとよいでしょう。

施設の方針を確認

働きやすい職場を選ぶには、施設の経営方針や理念が自分の価値観と合致していることが重要です。

施設の方針と自分の価値観が合っていれば、同じ方向を向いて目標を共有し、自分を高めながら施設や利用者に貢献できるでしょう。

方針に共感できない職場では、思考や行動などに疑問を感じながら働くことになるため、ストレスを感じたり業務のモチベーションが低下したりし、働きにくさを感じる可能性があります。

施設の種類別に働きやすいポイントを解説

施設の種類別に働きやすいポイントを解説

介護施設といっても業態はさまざまで、働きやすいポイントも異なります。各施設の特徴を理解し、自分に合った職場を見つけましょう。

訪問介護

訪問介護は、利用者の自宅などに従業員が出向いて食事や排せつ、入浴などの介護を行います。

利用者の生活などに合わせてスケジュールを組むため、時間の融通が利きやすく、家庭の事情に合わせた柔軟な働き方が可能です。

業務は利用者と一対一であることが多く、人間関係のストレスが比較的少ない環境で業務にあたることができます。

派遣ヘルパーや登録ヘルパーという形で働けば自分のペースも守りながら希望時間や曜日を選択して働けるため、仕事とプライベートの両立もしやすくなります。

通所介護(デイサービス)

通所介護は、利用者ができる限り自立した生活を送れるように、食事・入浴など日常生活のサポートや、機能訓練・リハビリテーション・レクリエーションなど身体機能向上のためのサービスを提供している施設です。

利用者の介護度が比較的低く、夜勤がないため、負担が少ない環境で規則正しい生活リズムを保ちながら働けるでしょう。

また、無資格・未経験でも始めやすく、介護の基本的な知識や技術を身につけながら働くことが可能です。

チームで連携して働くため、困ったときは同僚や上司にすぐサポートしてもらえたり、休暇の相談がしやすかったりします。

家庭との両立を重視する方や、介護業界に初めて挑戦する方に適しているでしょう。

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通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリテーションは、高齢者や障がい者など日常生活に支障をきたしている利用者が、医師の指示に基づいた専門的なリハビリや医療的ケア・介護サービスを受けられる施設です。

医療・リハビリテーションの専門性が高い環境であるため、介護職としてのスキルアップが期待できます。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職との連携により、多職種協働による学びが多く、介護の専門性を深めることができるでしょう。

将来的なキャリアアップを重視する方や、介護職として専門性を深めたい方に適した職場環境です。

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ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)

ショートステイとは、介護が必要な利用者が施設に短期間入所して介護サービスを受けられる施設です。

基本的に短期間利用が前提の介護サービスであり、利用者が頻繁に入れ替わるため、多様な利用者と出会えて介護スキルやコミュニケーションスキルを向上させることができるでしょう

臨機応変に対応する力や、さまざまな知見を得られる点もショートステイで働く魅力です。

また、夜勤がある勤務形態で夜勤手当がつくため、給与水準は比較的高いとされています。

豊富な経験を積みたい方や、給与面での安定を重視する方に向いているでしょう。

グループホーム

グループホームとは、認知症のある高齢者が少人数ので共同生活を送る介護施設のことです。

家庭的な環境でスタッフの介助を受けながら、入浴や食事、排せつなどの日常生活の世話や機能訓練を行い、利用者ができる限り自立した生活を営めるよう支援します。

従業員同士の連携が密で協力的な職場環境であるため、チームケアによる一体感が生まれやすいことが特徴です。

少人数の共同生活をサポートする業務であることから利用者一人ひとりと深く関わり、慣れた顔ぶれのなかで安定して働くことができるでしょう。

アットホームである点や、緊急対応が少なく落ち着いた環境である点もグループホームの働きやすさです。

認知症ケアの知識や技術を深めたい方や、安定した環境で働きたい方に適しています。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者を対象としたバリアフリー対応の賃貸住宅であり、見守りサービスや生活相談サービスを提供する住まいです。

サービス付き高齢者向け住宅の利用者は比較的自立度の高く、介護者の身体的負担が少ない傾向にあります。

生活支援と安否確認が主な業務であるため、作業内容が明確化されている点も特徴です。

無資格・未経験でも働きやすく、介護業界への入門として適した職場です。

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介護老人保健施設

介護老人保健施設は、要介護者が在宅復帰を目指しながら、リハビリテーションや医療的ケア、日常生活上の介護サービスを受けられる施設です。

医療やリハビリ体制が整っている施設であるため、医療・リハビリテーションの知識・スキルを身に付けられます。

利用者の在宅復帰支援という明確な目標があり、回復の過程や目標達成を間近で見てモチベーションを得ることが可能です。

また、質の高いケアを維持するために研修制度や資格取得支援制度が充実している施設が多く、スキルアップやキャリアアップしやすい環境が整っています。

夜勤に入れば夜勤手当がつき、経済的な安定もはかれるでしょう。

専門性を高めたい方や、給与を重視する方におすすめです。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、常時介護が必要で在宅生活が困難な高齢者を対象に、日常生活全般の介護や機能訓練、健康管理などを24時間体制で提供する入所型介護施設です。

社会福祉法人や地方自治体が行っていることから経営基盤が安定しているため、各種手当が充実している傾向にあります。

24時間365日体制のなかで、働き方も「夜勤のみ」や「平日休みにしたい」などある程度シフトを調整することができるでしょう。

また、看護師や栄養士など専門職でチームが構成されるため、多職種が混在するチームで働きながらさまざまな知見を深めることが可能です。

要介護度が高い利用者が多いことから、介護スキルを磨いてキャリアアップの機会が多い点も魅力でしょう。

有料老人ホーム

有料老人ホームとは、高齢者が安心して生活できるよう、食事の提供や介護、家事援助、健康管理といったサービスを提供する民間運営の高齢者向け施設です。

さまざまな介護度の利用者に対応するため、多様な介護経験を積めるでしょう。

公的施設よりも利用料が高めに設定されており、設備やサービスの充実化が求められていることから、介護職員にも質の高さが求められます。

そのため、専門性を高めるためのキャリアパスが明確である施設が多く、未来を見据えた働き方ができるでしょう。

また、利用者が長年生活する場である有料老人ホームは経営基盤が安定しており、夜勤手当などで給与水準も高めです。

安定した環境で働きながらスキルアップをはかりたい方や、給与水準が高いところで働きたい方などに向いています。

長く働き続けられる介護施設を見つけるために

介護職として働きやすい施設は、良好な人間関係や整備された評価制度、休暇取得実績の高さなどが特徴として挙げられます。

働きやすい施設を見極めるためには公式サイトやSNS・施設見学などで情報収集し、教育システムの確認や職場の雰囲気、従業員の人数などを確認しましょう。

また、施設別の特徴や働きやすさを把握し、求める働き方と合っている施設を選びましょう。




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