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2025.6.10

高齢者の熱中症の原因は?適切な予防策と対処法を解説

高齢者の熱中症の原因は?適切な予防策と対処法を解説

「なぜ高齢者は熱中症になりやすいの?」
「高齢者の熱中症の原因が知りたい」

という方へ、高齢者が熱中症になる原因についてまとめました。

ほかにも重症化のリスクや予防法、そして緊急時の対処法など詳しく解説しています。

高齢者が熱中症になる原因

高齢者が熱中症になる原因
  • 感覚機能の低下
  • 体内の水分量が少ない
  • エアコンの使用を控える
  • 水分の摂取を控える

高齢者が熱中症になる原因として考えられるのは、主に上記4つです。

高齢者の熱中症についてはこちら↓
高齢者は熱中症になりやすい?理由や症状・対策・応急処置など紹介

感覚機能の低下

高齢になると、暑さを感じる感覚機能が低下します。本来不快に感じる気温でも、高齢者は暑さを認識できないことが少なくありません。

体温調節の機能も衰え、発汗による体温調節がうまく働かなくなります。

また、喉の渇きを感じる感覚も鈍くなり、水分補給が足りていない状態に陥りやすいのも高齢者の特徴です。

このような感覚機能の低下は危険な身体状況を作り出し、熱中症のリスクを高めます。

高齢者が快適に過ごせる冷房の設定温度についてはこちら↓
高齢者が快適に過ごせる冷房の設定温度は?最適な室温や寝るときの注意点など

体内の水分量が少ない

若年層では体重の約60%が水分ですが、高齢者では50%程度まで低下するといわれています。

水分を体内に保持する能力も減退するため、少しの発汗や水分不足でも脱水状態に陥りやすくなるでしょう。

体内の水分量が少ないと、血流が悪くなり体温調節もうまくできなくなるため、熱中症のリスクが高まります。

エアコンの使用を控える

高齢者は、暑さが増してもエアコンの使用を控える傾向があるといわれています。

暑さを感じにくい体質により、室温が危険なレベルまで上昇しても不快感を覚えにくいことが理由です。

また、エアコンの冷風を嫌う方や「昔はエアコンなしでも過ごせた」という価値観を持つ方も少なくありません。

電気代を気にしてエアコンの使用を控えることもあるでしょう。

高齢者がエアコン使用を控える理由はこちら↓
高齢者がエアコンを嫌いな理由は?夏に使ってもらうための方法

水分の摂取を控える

高齢になると「トイレの回数を減らしたい」「夜間にトイレで起きたくない」などの理由で水分摂取を控える傾向があります。

のどの渇きを感じにくいため、水分補給の必要性を自覚しにくいこともあるでしょう。

食事量の減少に伴い、食事から摂取する水分量も減っています。

高齢者の水分補給についてはこちら↓
高齢者の水分補給は何がいい?1日の摂取量目安やタイミング・拒否された際の対応など

高齢者の熱中症が重症化するとどうなる?

高齢者の熱中症が重症化するとどうなる?
  • 意識障害
  • 高体温
  • 臓器障害
  • 後遺症
  • 死亡

熱中症が重症化すると、意識がもうろうとしたり昏睡状態に陥るなどの意識障害が現れることがあります。

また、体温が40度を超える高体温により、腎臓や肝臓などの臓器が機能不全に陥ることもあるでしょう。

重症化が進行すると脳の損傷による記憶障害や認知機能の低下など、回復後にも後遺症が残ることがあります。

最悪の場合には多臓器不全を引き起こし、命に関わる深刻な事態に至ることもあるため、少しでも異変を感じたら、早急に医療機関を受診することが重要です。

高齢者の熱中症予防

高齢者の熱中症予防
  • 室温管理
  • 水分補給
  • バランスの取れた食事

熱中症を効果的に予防するには、上記3つがポイントです。エアコンや扇風機を使って室温を28度以下に保ち、湿度は45~60%に保ちましょう。

水分はのどの渇きを感じる前からこまめに補給し、1日1.5~2リットルを目安に摂取しましょう。起床時や食事時、入浴前後、就寝前などのタイミングを決めて飲むと習慣化が可能です。

また、ナトリウムやカリウムなどの電解質を取り入れたバランスの良い食事を心がけましょう。

高齢者の熱中症対策におすすめのアイテムについてはこちら↓
高齢者におすすめ熱中症対策グッズ!室内を快適に過ごすための方法

高齢者が熱中症になったら

高齢者が熱中症になったら
  • 涼しい場所に
  • 衣服を緩めて体を冷やす
  • 水分・塩分の摂取

熱中症の症状が現れた場合は、上記の手順で応急処置を行いましょう。

まず、速やかにエアコンの効いた室内や日陰など、涼しい場所へ移動させてください。屋外の場合は、できる限り風通しの良い日陰を選ぶと効果的です。

次に、首回りや胸元の衣服をゆるめ、体内の熱が逃げやすいようにします。

さらに、首、脇の下、太ももの付け根など、太い血管がある部分を冷やすと、体温を効率よく下げることが可能です。

意識がある場合は、経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ、こまめに飲ませましょう。

一度に大量に与えるのではなく、体調を見ながら継続的に水分と塩分の補給を行うことが大切です。

もし、意識がない、反応が鈍い、嘔吐など症状があるときは、迷わず救急車を呼んでください。

また、応急処置をしても回復が見られない場合や症状が悪化するようであれば、早急に医療機関で受診しましょう。

高齢者が熱中症になる原因を理解して日ごろから予防しよう

高齢者の熱中症は、加齢による身体機能の変化と生活習慣が複合的に作用して発症リスクが高まります。

感覚機能の低下や体内水分量の減少、エアコン使用や水分摂取を控える習慣が熱中症の主な原因です。

重症化すると生命に関わる可能性があるため、室温管理、定期的な水分補給、バランスの取れた食事による予防を心がけましょう。

りふりでは、熱中症指数計を数か所に設置し、座って過ごすスペースとリハビリを行うスペースなど場所によって適温を分けて管理しています。

また、利用者の様子などを確認しながら水分摂取を促し、利用者の体調管理に努めていることも特徴です。

適切な熱中症対策で、安全快適に夏を乗り切りましょう。




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