高齢者の熱中症対策!暑い夏を乗り切る飲み物や食事・グッズなど紹介

「高齢者ならではの熱中症対策は?」
「高齢者が熱中症にならない夏の過ごし方を知りたい」
という方のために、高齢者の熱中症対策についてまとめました。
熱中症で救急搬送される人の多くが65歳以上の高齢者であり、自宅で発症するケースも多いため、正しい知識と対策が命を守ることにつながります。
高齢者の身体的特徴や体力をふまえた熱中症対策を解説するため、参考にしてください。
高齢者の熱中症対策

- 定期的な水分摂取
- 室内環境を適切に整える
- バランスの良い食事
- 睡眠環境を整える
高齢者の熱中症対策は、主に上記4点がポイントです。
定期的な水分摂取
1日に1.2~1.5リットルの水分を定期的に摂取しましょう。水分補給のタイミングは、1時間に約200ml(コップ1杯分)が目安です。
喉の渇きを自覚する頃には脱水が進行している可能性があるため、喉の渇きを感じる前の水分補給が重要といわれています。
そのほか、外出やスポーツなどで大量に汗をかいた際は重点的に水分補給し、その後の体調にも気を配りましょう。
高齢者の熱中症対策におすすめの飲み物は、経口補水液やスポーツドリンク、麦茶です。
ナトリウムが不足しがちな夏には、塩水や野菜ジュースなども取り入れてみましょう。
アルコールやカフェインの多い飲み物は利尿作用があるため避けたほうがいいといわれています。
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室内環境を適切に整える
エアコンを使用し、部屋を過ごしやすい室温と湿度に整えましょう。
高齢者は皮膚感覚が低下し暑さを感じにくい傾向にあるため、熱中症指数計を設置して危険度が目視できるようにする必要があります。
一般的には、室内の温度は28度以下、湿度は45%~55%程度が安全な環境です。
エアコンは積極的に使用し、扇風機と併用すると効率よく室内環境を整えられるでしょう。
就寝時は、寝室の温度管理を徹底し、エアコンを使用して夜間の熱中症を予防しましょう。
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高齢者におすすめ熱中症対策グッズ!室内を快適に過ごすための方法
バランスの良い食事
バランスの取れた食事で、熱中症を体の中から予防しましょう。
高齢になると水分保持機能が低下するため、食事で必要な栄養素や水分を補う必要があります。
特に意識して摂りたい栄養素は「たんぱく質」「ビタミンB1」です。
筋肉は体内の水分を蓄える役割があります。高齢者は筋肉量が減少しやすいため、たんぱく質を摂取して筋肉量の維持や向上を目指しましょう。
ビタミンB1は暑さによる疲労を回復する効果が期待できます。
きゅうりやすいかなどの夏野菜は、水分とカリウムを同時に補給できるためおすすめです。カリウムには、体内の余分な塩分を排出し、体の水分バランスを整える働きがあります。
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【管理栄養士監修】高齢者向け夏バテ対策レシピ集
睡眠環境を整える
質の良い睡眠は熱中症予防の基本です。十分な睡眠は日中の疲労を回復し、十分な体力を蓄えるのに役立ちます。
寝室の温度は26~28度、湿度は50~70%に保ち、エアコンや扇風機を活用して快適な睡眠環境を作りましょう。
特に熱帯夜などはエアコンをつけっぱなしにして就寝すると、一定の室温を保ちながら快適な睡眠を維持しやすくなります。
寝ている間にも水分は失われるため、就寝前と起床後にコップ1杯(約200ml)の水分を補給しましょう。
通気性の良いパジャマや寝具を選び、体温調節しやすい環境を整えることもおすすめです。
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高齢者が快適に過ごせる冷房の設定温度は?最適な室温や寝るときの注意点など
高齢者が熱中症になりやすい?

加齢によって身体機能が変化したり衰えたりするため、高齢者は熱中症になりやすい傾向があります。
その理由や原因について見ていきましょう。
高齢者が熱中症になりやすいのはなぜ?
- 温度に対する感覚が低下する
- 体の熱を外に逃がす能力が低くなる
- 基礎代謝量の低下から細胞内の水分が減少する
- 喉の渇きに気付きにくい
高齢者が熱中症になりやすいといわれるのは、主に上記4つが理由として挙げられるでしょう。
温度に対する感覚や体内の熱を放出する能力が低下していると体が暑さに反応しないため、水分補給やエアコンの使用を適切なタイミングで行えません。その結果、体に熱がこもりやすくなります。
また、加齢とともに基礎代謝量が低下すると細胞内の水分が減少し、脱水になりやすく熱中症を引き起こしてしまう可能性が考えられるでしょう。
喉の渇きを感じにくくなって水分補給が遅れることも、熱中症になりやすい大きな要因です。
高齢者の熱中症についてはこちら↓
高齢者は熱中症になりやすい?理由や症状・対策・応急処置など紹介
高齢者は何が原因で熱中症になる?
高齢者が熱中症になりやすい原因として、暑さ対策を十分に取れていないことが挙げられます。
年齢を重ねると暑さを感じにくくなったり、喉の渇きに気づきにくくなったりするため、エアコンの使用を控えたり、水分を取るタイミングが遅れたりしてしまい、体温が上昇して脱水が進むのです。
「電気代がもったいない」「トイレが近くなるのが嫌」といった理由で、危険な暑さの中で気づかぬうちに脱水状態に陥ってしまいます。
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高齢者の熱中症の原因は?適切な予防策と対処法を解説
高齢者の熱中症が重症化するとどうなる?

重症度 | 症状 | 対処法 |
---|---|---|
Ⅰ度 | めまい・立ちくらみ・大量発汗など | 応急処置と見守り |
Ⅱ度 | 頭痛・嘔吐・倦怠感など | 医療機関へ |
Ⅲ度 | 意識障害・けいれん発作など | 救急車 |
熱中症の重症度は3段階に分類され、それぞれ異なる症状と対処法があります。
高齢者の熱中症は急速に重症化する可能性があるため、軽度の症状でも油断せず慎重に対応しましょう。
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高齢者の熱中症が重症化しやすい理由は?うつ熱(こもり熱)などの症状や重症度を解説
高齢者の身体に合った熱中症対策で夏を乗り切ろう
高齢者の熱中症対策には、日頃からの予防意識と、暑さに負けない生活環境を整えることが欠かせません。
定期的な水分摂取や室内の温度・湿度管理、バランスのとれた食事、そして質の良い睡眠を確保するなど、生活習慣そのものを夏仕様に見直すことが大切です。
高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくく自分では異変に気づきにくいため、家族や周囲の人の見守りや声かけも助けとなります。
今回ご紹介した熱中症対策を取り入れ、無理なく安全に夏を過ごしましょう。
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