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2023.7.21

高齢者の水分補給は何がいい?1日の摂取量目安やタイミング・拒否された際の対応など

高齢者の水分補給は何がいい?1日の摂取量目安やタイミング・拒否された際の対応など

「高齢者の水分補給はどんなものがいい?」
「どのタイミングで水分補給をしたらよいかわからない」

という方に、高齢者の水分補給についてまとめました。

同居している高齢者がなかなか水分を取ってくれない、と悩んでいるご家族の方も参考にしてください!

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高齢者は熱中症になりやすい?理由や症状・対策・応急処置など紹介

高齢者の水分補給におすすめの量や飲料

高齢者の水分補給におすすめの量や飲料
  • 高齢者の水分補給は食事以外で1,000~1,500ml/日が目安
  • 高齢者の水分補給は麦茶や水がおすすめ!コーヒーはNG

高齢者は喉の渇きを感じにくく、水分が不足しがちです。そのため、1日に必要な水分摂取量を把握し、適切に水分補給をすることが大切です。

高齢者が1日に摂取すべき水分摂取量の目安や、水分補給におすすめの飲料について紹介します。

高齢者の水分補給は食事以外で1,000~1,500ml/日が目安

高齢者は、食事による水分摂取量を除いて1日に1,000~1,500mlの水分補給が推奨されています

しかし、高齢者は水分が必要だと感じる機能が低下したり、水分を多く取り過ぎるとトイレが近くなりそうと心配になったり、水分摂取を拒む方も少なくありません。

高齢者の1日に必要な水分摂取量を念頭に置き、その人に合った方法で適切な水分量の摂取が大切です。

また、不安や混乱、興奮状態などの認知症の症状は水分不足とも関係があり、適切な量の水分摂取で認知症の症状が改善した例もあります

十分な水分は、脳内の血流を改善し、栄養素や酸素が体内に行き渡ることで脳を活性化させます。それにより覚醒水準が上がり、認知機能を高める効果が期待できます。

人によっては2,000ml以上の水分を取らないと「落ち着かない」状態が続くこともあり、症状に合わせた対応が必要でしょう。

高齢者の水分補給は麦茶や水がおすすめ!コーヒーはNG

高齢者の水分補給におすすめの飲料は、麦茶や水です

水に電解質と糖質をバランスよく配合した経口補水液は、食欲のない日や1日の水分量が少ない日など、体調に合わせて摂取するとよいでしょう。

コーヒーや緑茶は利尿作用があるため、水分補給には適していません。塩分や糖分が多く含まれているスポーツドリンクなども、飲む量には注意が必要です。

糖尿病などの持病がある方は、どの飲料が適しているかをかかりつけ医に相談してみましょう。

高齢者が水分補給を拒否したら?

高齢者が水分補給を拒否したら?
  • 好きな飲み物を用意する
  • 飲む回数を増やして一回量を少なくする
  • 家の中でも水筒を側に置いておく
  • 果物やスープなどの水分量の多い食事にする

高齢者の中には、さまざまな理由で水分補給を拒否する方も少なくありません。そういう場合は、飲みたくない理由に合わせて対応しましょう

水や麦茶が苦手な方は、好きな飲み物を用意すると水分を摂取できる可能性があります。ただし、甘い飲み物ばかりになってしまうと別の病気を引き起こしかねません。

1日のうちでお茶を飲む時間、好きな飲料を飲む時間と上手に分けて摂取するとよいでしょう。

また、一回にたくさん飲むのが辛いという方は、飲む回数を増やして一回量を少なくする方法がおすすめです。少しずつこまめに摂取することで、無理なく水分補給ができます。

家にいると水分補給を忘れてしまう場合は、水筒に飲み物を入れて常に側に置いておきましょう。冷蔵庫に飲み物を取りに行くのが億劫、という方でも手の届くところに水筒があれば、こまめに水分補給ができます。

また、飲料だけでなく果物やスープなどで水分を摂取する方法もあります。飲料での水分摂取が難しい方なども、水分量の多い食事にすると自然と水分の補給に繋がるでしょう。

高齢者は水分の取り過ぎにも注意

高齢者は水分の取り過ぎにも注意
  • 腎機能の低下により水分制限のある方
  • 心疾患などにより利尿剤を使用している方

1日に取るべき水分量の目安は決まっていますが、 人によっては水分の取りすぎに注意が必要です

腎臓の機能が低下している方は、体内の水分を尿として正しく排泄することが難しくなります

そのため、水分を多く摂取してしまうとむくみ、体重増加、呼吸困難、血圧上昇などの症状が現れ、高血圧や心不全などの原因になる可能性があるのです。

水分の適量には個人差があるため、必ず医師の指示に従い適切な水分摂取をしましょう。

また、心不全などの心疾患により利尿剤を服薬している方も、水分を取りすぎると心臓に負荷がかかる可能性があります

利尿剤は、心臓のポンプ機能の低下で体内に水分が貯留することを防ぐために使用しますが、水分摂取量が多いと体内の水分量が減らず、心臓への負荷が軽減されません。

利尿剤を服薬している場合は、適切な量の水分補給をし余分な水分を尿として排出することで、心臓にかかる負荷を減らし、むくみや息切れなどの症状改善が期待できます。

利尿剤の種類や用法によって、水分摂取量の制限が異なる場合があるため、医師の指示に従い、正確な水分摂取量を確認しましょう。

高齢者の水分補給に最適!水分補給ゼリーの作り方

高齢者の水分補給に最適!水分補給ゼリーの作り方

飲料での水分補給が難しい方や、なかなか水分を摂取してくれない高齢者におすすめなのが、水分補給ゼリーです

混ぜて冷やすだけで簡単に作れる、麦茶ゼリーを紹介します。

麦茶ゼリーの作り方

材料:ゼラチン5g・麦茶300ml

  1. 麦茶を容器に入れ、電子レンジで人肌に温める。
  2. 温まった飲料を大さじ2程度別の容器に移し、ゼラチンを入れ混ぜる。電子レンジで再度温め、ゼラチンを完全に溶かす。
  3. 溶けたゼラチンの中に、1で温めた飲料を3回程度に分けて混ぜる。
  4. 冷蔵庫で冷やす。

麦茶の他に、スポーツ飲料や100%ジュースでも代用が可能です。
好みに合わせて作ってみてください!

適切な水分補給で暑い夏を乗り切ろう!

高齢者は喉の渇きを感じにくく、水分摂取量が不足する場合があります。そのため、1日に摂取すべき水分摂取量を把握し、こまめな水分補給が大切です

また、高齢者が水分補給を拒否した場合、飲みたくない理由に合わせて対策をする必要があります。好きな飲料で水分補給をする、飲む回数を増やし一回量を減らすなど、無理なく水分不足を補いましょう。

暑くなるこれからの時期、特に脱水になる可能性が高まります。その人に合った方法で適切な水分補給をし、暑い夏を元気に乗り切りましょう!

高齢者の夏の過ごし方について詳しくはこちら↓
高齢者の夏の過ごし方|暑いのに寒がる理由や夏バテ防止策




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