【管理栄養士監修】高齢者の足のむくみを解消する食べ物は?食事ケアの注意点や簡単レシピ

「高齢者の足のむくみを食事でケアしたい」
「高齢者の足のむくみ解消に役立つ食べ物とは?」
という方のために、高齢者の足のむくみを解消するのに役立つ食べ物についてまとめました。
高齢者は、加齢や疾患などさまざまな理由で足にむくみを生じやすいといわれています。放置すると、歩行しにくくなったり疾患を見逃したりと、健康リスクが高まることがあるでしょう。
本記事では、食事でのケア方法や注意点、簡単レシピなどを詳しく解説します。
高齢者の足がむくみやすい主な原因

- 身体機能の低下
- 生活の変化
- 食生活の乱れ
- 疾患
上記は高齢者の足がむくみやすい原因として考えられる主なものです。高齢者の足のむくみは複数の要因が重なって生じることが多いとされています。加齢に伴い、筋力が低下すると下半身に血液や水分が溜まりやすくなり、足のむくみが起こりやすくなります。
高齢になると外出や運動の機会が減るため、筋力が低下しやすい生活になることも、むくみを助長する要因でしょう。また、塩分の摂り過ぎは体が水分を溜め込もうと作用し、むくみを悪化させる原因となります。
加齢や生活の変化だけではなく、心不全や腎不全などの疾患、服用する薬の影響が関係していることも少なくありません。症状が長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
高齢者の足がむくみやすい原因について詳しくはこちら↓
高齢者はなぜ足がむくみやすい?考えられる原因と注意すべきポイント
高齢者の足のむくみを解消する食べ物

- バナナ
- ほうれん草
- きゅうり
- 青魚
- かぼちゃ
上記は高齢者の足のむくみ解消に役立つ食べ物です。体内の余分な水分を排出するカリウムや血流改善効果があるEPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)、ビタミンEなどが豊富に含まれています。毎日の食事に取り入れると、むくみの改善が期待できるでしょう。
バナナ
バナナに含まれるカリウムには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を尿として体の外に排出する作用があります。フルーツのなかでもバナナには特に多くのカリウムが含まれるため、むくみ解消に役立つでしょう。
バナナは他のフルーツと比べて手軽に食べられる点が嬉しいポイントです。調理が負担に感じるときでもバナナならすぐに食べられます。
カリウムは水溶性の栄養素で、食材を水にさらしたり長時間茹でたりするとカリウムが水に流出して十分に摂取できません。バナナは生で食べられるため、カリウムの流出を抑えて効率よく摂取できる点も魅力の一つです。
ほうれん草
ほうれん草はカリウムを多く含む野菜の一つです。加齢の影響で味の濃い料理を好みがちな高齢者は、塩分過多によるむくみを生じやすいため、意識して取り入れることをおすすめします。
ほうれん草は茹でて食べることが多いですが、茹でると水溶性であるカリウムがお湯に流出してしまう点に注意が必要です。茹でるときは短時間に留め、加熱する場合は炒めたり電子レンジを使ったりすると良いでしょう。
スープや味噌汁にすると、溶け出したカリウムを汁ごと摂取できるため、効率よくカリウムを摂れます。
きゅうり
きゅうりはカリウムを多く含む野菜で、高齢者の足のむくみ解消に役立ちます。きゅうりは9割以上が水分で構成されており、むくみ解消に不可欠なカリウムと水分を同時に摂取できるのが特長です。
生のまま食べられるため、調理の過程で失われやすいカリウムを余すことなく摂取できるでしょう。薄切りにしたり刻んだり、噛む力に合わせて食べやすさを調整できる点も高齢者におすすめできるポイントの一つです。
青魚(マグロ・サバなど)
マグロやサバなどの青魚には、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)といった良質な脂質が含まれています。EPAやDHAには血液の流れを改善する働きがあるため、下半身に滞りやすい血液が心臓へと戻りやすくなり、足のむくみを解消できる可能性があるでしょう。
青魚は良質なタンパク質も豊富で、筋力低下を防ぐ観点からも高齢者に適した食材です。魚の調理は下処理に手間がかかる印象が強いですが、刺し身や缶詰を利用すると、毎日の食生活に取り入れやすくなります。
かぼちゃ
かぼちゃには、カリウムやビタミンEが含まれています。ビタミンEには抹消の血管を広げて血流を改善する働きがあり、血流が滞ることで生じる足のむくみ解消に役立つ栄養素です。
ビタミンEは脂溶性であるため、油と一緒に調理すると吸収率が高まります。オリーブオイルを使って炒め物にしたり、脂質を含む牛乳を使ってポタージュスープにしたりすると無駄なくカリウムとビタミンEを摂取できるでしょう。
高齢者の足のむくみを食べ物でケアする際の注意点

- 減塩を心がけ温かい食事を食べる
- 基礎疾患がある場合は医師に相談
- 運動を習慣化する
足のむくみを食べ物でケアする際、上記の点に注意する必要があります。3つの注意点について詳しく解説します。
減塩を心がけ温かい食事を食べる
塩分が多い食事は体内に水分を溜め込みやすく、むくみを悪化させる原因になります。醤油やソースなど塩分が多い調味料を控え、出汁やレモン汁、スパイスの使用で少量の塩分でも美味しく食べられる工夫を心がけることが大切です。
また、食事はなるべく温かいものを摂りましょう。温かい食事は体を内側から温め、血流を促してむくみを軽減する効果が期待できます。温かい食事を摂れないときは、温かいお茶を一緒に飲むと良いでしょう。
基礎疾患がある場合は医師に相談
基礎疾患がある高齢者は、食べ物でケアする前に必ずかかりつけ医に相談しましょう。たとえば心臓や腎臓、肝臓の疾患がある場合、塩分やカリウムの摂取量が疾患の治療に影響を与える可能性があります。自己判断でむくみ対策を行うと、かえって体に負担をかけてしまうかもしれません。
事前にかかりつけ医に相談し、体の状態に合わせた正しいケアを行いましょう。
運動を習慣化する
足のむくみを食べ物でケアする際は、運動の習慣化を意識しましょう。足のむくみに対してさまざまな対処法がありますが、日常的な運動は特に効果が期待できる方法です。
特に、ふくらはぎの筋肉は、下半身に溜まった血液などを心臓へ押し戻す役割があるため、重点的に鍛えるといいでしょう。かかと上げ下げ運動や足首まわし、足指グーパーなどの運動はふくらはぎを中心に鍛えることができ、座ったままでも行えるため、無理なく続けやすい運動です。
高齢者の足のむくみ解消にいい運動についてはこちら↓
高齢者の足のむくみを解消するには?運動や意識するといい姿勢などを紹介
高齢者の足のむくみ解消が期待できる簡単レシピ
- きゅうりとわかめの酢の物
- サバ缶と大根のやさしい煮物
- ほうれん草とえのきのわさび和え
上記は、足のむくみ解消が期待できるレシピです。いずれも簡単に作れるため、ぜひ試してみてください。
きゅうりとわかめの酢の物

(材料:2~3人分)
- きゅうり2本
- ツナ缶(食塩無添加) 1缶(70g)
- 乾燥わかめ ひとつまみ
- ★酢 大さじ2
- ★砂糖 大さじ1
- ★薄口しょうゆ 小さじ2
(作り方)
- きゅうりは薄めの輪切りにして塩もみしておく。わかめは水で戻して食べやすく切る。ツナ缶は水気をきっておく。
- ★印の調味料をボウルに混ぜ合わせ、1)の材料を加えて和える。
酢に含まれているクエン酸やアミノ酸は、血液をサラサラにする作用があります。きゅうりに含まれているカリウムと組み合わせると、よりむくみ解消を高められるでしょう。ツナ缶を加えてタンパク質も摂取できるため、筋力低下を予防したい高齢者にもおすすめです。
サバ缶と大根の煮物

(材料:2~3人分)
- サバ水煮缶 1缶(190g)
- 大根 10cm分
- だし汁 400ml
- ★薄口しょうゆ 大さじ1
- ★みりん 大さじ2
(作り方)
- 大根はいちょう切りにして、耐熱皿に重ならないように並べて軽くラップをかけ、600W・5分ほど加熱する。
- 鍋にだし汁と★印の調味料、大根を入れて落し蓋をし、煮る。沸騰してきたら弱火にして大根に竹串が通るくらいになるまで煮込む(10〜15分)。
- 最後にサバ缶を汁ごと加え、温める程度に煮たら完成。サバ缶はお好みでほぐしてもOKです。
サバに含まれるEPAとDHAに加え、大根に含まれるカリウムも摂取できるレシピです。缶詰を使うことで手軽に作れます。
缶詰のサバには、生のサバよりも多くのEPA・DHAが含まれているため、効率よく血行促進の効果を得られるでしょう。煮汁ごと食べられることで、栄養素を無駄なく摂取できる点も嬉しいポイントです。
ほうれん草とえのきのわさび和え

(材料:2~3人分)
- ほうれん草 1束
- えのき 1/2束
- ★薄口しょうゆ 小さじ1
- ★練りわさび 1〜2cm
(作り方)
- ほうれん草は茹で、3cm幅に切る。
- えのきは石づきを落とし、半分に切ってさっと茹でる。
- ボウルに★印の調味料を入れてよく混ぜる。
- 3に1と2を加えて和えたら完成。
ほうれん草だけではなく、えのきにもカリウムが豊富に含まれており、一品で多くのカリウムを摂取できるレシピになっています。ほうれん草には鉄も多く含まれており、鉄には血行を良くする働きがあるため、むくみ解消には最適です。
高齢者の足のむくみ解消が期待できる飲み物

- トマトジュース
- ゆず茶
- ほうじ茶
高齢者が無理なく取り入れやすい、足のむくみ解消に効果が期待できる飲み物を3つご紹介します。飲みやすいものを日常生活に取り入れてみましょう。
トマトジュース
トマトジュースに含まれるカリウムには、体内の余分な塩分を排出する働きがあります。塩分の摂り過ぎによるむくみの解消に効果的でしょう。
また、トマトに含まれるリコピンには抗酸化作用があり、血管を健康に保つサポートをしてくれます。血流が滞ることでむくみが生じるため、血管の若々しさを維持してスムーズな血流を維持できるトマトジュースはむくみの予防や軽減に役立つと考えられます。
トマトジュースを選ぶ際は、食塩無添加タイプを選びましょう。塩分が入っているものを習慣的に飲むと、かえってむくみを助長させてしまう可能性があります。
ゆず茶
ゆずに含まれるヘスペリジンには、血管をしなやかに保ち、血流をスムーズにする働きがあるといわれています。運動不足や筋力低下によって血流が滞りやすい高齢者にとって、ヘスペリジンの作用は足のむくみ軽減につながるでしょう。
また、ゆずの香り成分であるリモネンにも血流を良くする働きがあり、ゆず茶はむくみ解消効果が高い飲み物だといえます。ヘスペリジンやリモネンはゆずの皮の部分に多く含まれているため、皮ごと入っているゆず茶を飲みましょう。
ほうじ茶
ほうじ茶にはカリウムが含まれており、体内の余分な塩分を体外に排出してくれる働きがあるため、足のむくみ解消に効果的だと考えられます。温かいほうじ茶を飲むことで体が温まり、血流が改善すると冷えによる下半身の血流低下を防ぐ効果も期待できるでしょう。
ほうじ茶はカフェイン含有量が少なめで、胃腸への刺激が緩やかな点も高齢者におすすめの理由です。水分補給にも適しており、脱水を防ぎながらむくみ対策ができます。
高齢者が注意すべき足のむくみ

- 片足だけむくむ
- 動悸などの症状が併発している
- 指で押した跡が1分以上戻らない
上記のような症状がみられる場合は早めに医療機関を受診しましょう。
片足だけむくむ場合は、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症などの疾患が隠れている可能性があります。放置すると命に関わるおそれがあるため、すぐに治療が必要です。
むくみに加えて動悸などの症状が同時にみられる場合は内臓疾患が疑われる可能性が高く、重症化する前に医療機関の受診が勧められます。
また、むくみがある部分を指で押してその跡が1分以上戻らない場合、内臓の機能低下など体内で異常事態が生じていることが少なくありません。対応が遅れると命に関わる事態になりかねないため、できるだけ早く医師に相談しましょう。
高齢者の足のむくみは食事からも対策を
高齢者は、身体機能の低下や食生活の変化など複数の要因が重なって足のむくみを生じやすいといわれています。
食事は、足のむくみ解消において今すぐに始められる身近なケアの一つです。体内の余分な水分を体の外に排出する働きがあるカリウムや、血流を改善する働きがあるビタミンE、EPA・DHAなどの栄養素がむくみ解消に役立つでしょう。
減塩を意識した食生活や運動の習慣化といった生活習慣の見直しも合わせて行うと、よりむくみ解消の効果が高まるといわれています。基礎疾患がある場合は、症状の悪化を防ぐためにあらかじめかかりつけ医に相談しておきましょう。
PROFILE
管理栄養士
今井尚美
(Imai Naomi)
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