高齢者がエアコンを嫌いな理由は?夏に使ってもらうための方法
「エアコンを使うように言っても使ってくれない」
「エアコンがあるのに扇風機だけで過ごしていて心配」
高齢の方は、「暑さを感じにくい」「冷えによる体調不良を避けたい」といった理由から、エアコンを使用しない傾向があります。
しかし、高齢者の熱中症リスクは年々高まっており、中でも室内で発症するケースが多いといわれています。
そこで、エアコンを使いたがらない高齢者の方に、エアコンの使用を促すための方法を解説します。
エアコンを快適に使用するポイントも解説するので、ぜひご覧ください。
高齢者が夏にエアコンを使いたがらない理由
- 加齢に伴って暑さを感じにくい
- 電気代がもったいない
高齢者がエアコンを使いたがらない理由について、2つ解説します。
加齢に伴って暑さを感じにくい
年を重ねると、皮膚感覚や体温調節機能の低下、食事量や筋肉量の減少などが起こり、暑さに対する感覚が鈍くなります。
そのため、エアコンの必要性を感じにくくなり、使用しない高齢者が少なくありません。
高齢者の夏の過ごし方について詳しくはこちら↓
高齢者の夏の過ごし方|暑いのに寒がる理由や夏バテ防止策
電気代がもったいない
年金で生活する多くの高齢者は、節約のためにエアコンを使いたがりません。
電力消費が大きいエアコンは使用がためらわれ、電気代節約のために使用しない高齢者が多くいます。
高齢者にエアコンをつけて夏を過ごしてもらう方法
- 昔より気温が上がっていることを説明
- 毎年多くの高齢者が熱中症で死亡していることを説明
- 暑さを感じにくくなっていて危険であることを説明
高齢者にエアコンの使用を促すために、上記を理解してもらいましょう。
昔より気温が上がっていることを説明
昔とは比べものにならないほど厳しい暑さになっています。
日本の平均気温は過去100年で約1.3℃ほど上昇しており、1990年代以降は、気温上昇率が顕著になっています。
熱帯夜や猛暑日も増加し、昔の夏の常識が通用しなくなっていることを高齢者に説明しましょう。
気候変動に対応するため、エアコンの使用は現代の夏を乗り切る上で必要不可欠です。
毎年多くの高齢者が熱中症で死亡していることを説明
熱中症は高齢者にとって深刻な健康リスクであり、毎年、命が失われています。熱中症による死亡者の約80%が65歳以上の高齢者といわれています。
特に、室内で発症するケースが増加しており、エアコンの不使用も深く関係していると考えられています。
2018年の猛暑では、1週間で約1,000人もの方が熱中症で亡くなりました。
熱中症による命の危機は、適切なエアコン使用によって低減することが可能です。
熱中症が高齢者の死亡リスクを高め、エアコンの使用が効果的な対策のひとつであることを高齢者に伝えましょう。
高齢者の熱中症対策について詳しくはこちら↓
高齢者は熱中症になりやすい?理由や症状・対策・応急処置など紹介
暑さを感じにくくなっていて危険であることを説明
高齢者は、加齢に伴い、暑さを感じる感覚が鈍くなっていることから、熱中症対策が遅れてしまうことが多々あります。
体感に頼ってエアコンの使用を決めるのではなく、熱中症指数などに基づいてエアコンを使用し、早めに対策を講じないと、甚大な健康被害につながることが少なくありません。
暑さを感じなくてもエアコンを使用し、適切な室温のなかで過ごす必要があることを高齢者に理解してもらい、エアコンの使用を促しましょう。
高齢者が夏にエアコンを使いやすくするポイント
- 熱中症指数計で視覚的に訴える
- 風よけを使用してエアコンの直当たりを防止
高齢者にエアコンの使用を促すには、必要性を感じてもらうことと、冷えによる体調不良を防ぐことがポイントです。
熱中症指数計で視覚的に訴える
高齢者にエアコン使用を促すには、視覚的な情報が有効です。熱中症指数計(WBGT計)を活用し、室内の暑さを数値で示すことで、客観的に危険度を理解してもらえるでしょう。
熱中症指数計は、温度だけでなく湿度や輻射熱(アスファルトや建物からの放熱)も考慮した指標を表示するため、総合的に暑さの危険度を把握できます。
指数が一定レベルを超えたらエアコンを使用するなど、具体的な目安を設定することで、エアコンの使用を促せるでしょう。
風よけを使用してエアコンの直当たりを防止
エアコンの風が直接当たることを不快に感じる高齢者も多いです。直風を避けたい場合は、風よけを使用しましょう。
風よけは、エアコンの吹き出し口に取り付けることで、風の方向を調整し、直接体に当たることを防ぐアイテムです。
体が冷えすぎる心配もなくなり、体調不良のリスクを低減させながらエアコンを使用できるでしょう。
風よけは比較的安価で簡単に取り付けられるので、ぜひ試してみてください。
高齢者におすすめ!節約にもなる夏のエアコン使用術
- サーキュレーターや扇風機同時使用
- 短い外出はつけっぱなしにする
- 室外機は塞がない
- 風量は自動設定
エアコンを快適に使用するポイントを4つ、詳しく解説します。
サーキュレーターや扇風機同時使用
エアコンの効率を上げながら電気代を抑える方法として、サーキュレーターや扇風機の併用がおすすめです。
扇風機を使用することで、室内の空気を循環させ、冷気を均一に行き渡らせることが可能です。
結果として、室温が設定温度まで早く下がるため、無駄な電力を使用せずに済むでしょう。
特に、天井が高い部屋や広い空間では、扇風機の併用で部屋全体に冷気が行きわたります。
短い外出はつけっぱなしにする
短時間の外出時にエアコンをつけっぱなしにすることも、実は省エネにつながります。
エアコンを完全に切って室温が上がってしまうと、再び室温を下げるために多くの電力を消費するためです。
1時間以内の外出であれば、エアコンをつけっぱなしにしておく方が電気代を抑えられるでしょう。
室外機は塞がない
エアコンの室外機は周辺に30cm以上の空間を確保すると、エアコンを効率よく使用できます。
室外機の周りに物を置いたりカバーで覆ったりすると、排熱が妨げられ、余計に電力を消費してしまいます。
風量は自動設定
エアコンの風量を自動設定にすることで、冷えすぎの予防と電気代の節約を両立できます。
自動設定では、室温に応じて風量が自動的に調整されるため、必要以上に強い風を出さず、エネルギーの無駄を減らせます。
また、強すぎる風は体調不良の原因にもなりかねないので、高齢者にとっては自動設定が最適です。
快適さと節約、そして健康面でもメリットがある設定方法と言えるでしょう。
夏に高齢者が寝るときエアコンはつけっぱなしがいい
高齢者の夏の睡眠時におけるエアコン使用については、つけっぱなしがおすすめです。
近年、寝ている間に熱中症になる高齢者が増加しており、深刻な問題となっています。
寝る時に2~3時間のタイマー設定をするだけでは、暑さの解消には不十分です。エアコンが切れた後、室温が急上昇し、熱中症のリスクが高まるでしょう。
安全で快適な睡眠のためには、28℃程度の設定温度でエアコンをつけっぱなしにするとよいでしょう。
28℃くらいなら、体への負担も少なく、熱中症のリスク軽減も期待できます。
また、就寝中は体温が下がるため、適度な室温維持が大切です。
つけっぱなしにすることで、安定した室温を保てることから、質の高い睡眠にもつながるでしょう。
エアコンの使用が夏を健康に乗り切るポイント
高齢者が夏を健康に過ごすためには、エアコンの適切な使用が不可欠です。エアコンを使うことで快適な室温に保て、熱中症のリスクを減らせるでしょう。
サーキュレーターや風よけなどを使用し、使いやすい環境を整えて高齢者にエアコンの使用を促してみてください。
エアコンを味方につけて、安全で快適な夏を過ごしましょう。
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