【管理栄養士監修】高齢者が麺類を食べにくい理由。食べやすくする方法やその他注意点など

「高齢者はなぜ麺類が食べにくいんだろう」
「高齢者が麺類を食べやすくなる方法はあるのかな」
という方のために、高齢者が麺類を食べにくい理由や対処法などについてまとめました。
高齢者は、加齢による身体の変化によって麺類が食べにくくなる場合があります。食事量の低下は低栄養につながることがあり、注意が必要です。
高齢者が食べやすい麺類レシピも掲載しているため、参考にしてください。
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【栄養士監修】高齢者におすすめレシピ集│ヘルシー!簡単に作れる!食べやすい!
高齢者が麺類を食べにくいのはなぜ?

- 嚥下機能低下ですするのが難しい
- 咀嚼機能低下で麺が噛み切れない
- 身体機能低下で箸の扱いが難しい
高齢者は、上記のような理由で麺類が食べにくくなる可能性があります。
嚥下機能低下ですするのが難しい
すするという行為は口まわりの筋肉が必要な運動であるため、嚥下機能が低下している高齢者にとっては難しい場合があります。
口をすぼめて口呼吸と鼻呼吸を使い分けながら適量の麺をすすり、噛んで飲み込むという一連の流れは、嚥下機能が低下していると誤嚥のリスクが非常に高くなるでしょう。高齢者は、加齢に伴う筋肉量の減少(サルコペニア)によって喉や舌などの筋肉が衰えている傾向にあるため、麺類がうまくすすれないケースが少なくありません。
高齢者の加齢による変化について詳しくはこちら↓
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咀嚼機能低下で麺が噛み切れない
高齢者は加齢によって歯の本数が減ったり噛む筋肉が衰えたりすることがあり、咀嚼機能が低下しやすいため、食べ物をしっかり噛み切る力が弱くなります。
特に麺類は長くてすべりやすいことに加え、弾力もあり、咀嚼機能が低下した高齢者にとっては食べにくい食べ物のひとつです。噛み切れないまま飲み込もうとすると、喉に詰まったりむせたりしやすいでしょう。
身体機能低下で箸の扱いが難しい
加齢によって身体機能が低下すると、手指の筋力が衰えて箸の開閉や細い麺を掴む動作が困難になることがあるでしょう。
滑りやすく長い麺類は、箸先に適度な力加減をかけて適量をすくい、すくった麺を保持したまま口まで運ぶ必要があり、ほかの食べ物よりも細かな手の動作が求められます。箸の扱いが難しい高齢者は、食べづらさを感じやすいでしょう。
また、箸で麺類がうまく掴めないと食事時間が長くなり、食べる意欲の低下にもつながるおそれがあります。
高齢者が麺類を食べやすくするには?

- 一口サイズにカットする
- とろみをつける
- やわらかめに茹でる
高齢者は、上記のような工夫で麺類が食べやすくなる可能性があります。
一口サイズにカットする
麺類をあらかじめ一口サイズに切っておくと、噛み切ったり飲み込んだりする動作の負担を軽減できるため、高齢者でも食べやすくなる可能性があります。
箸で簡単に持ち上げられる10cm程度あるいはスプーンの上に乗せられるサイズになるように、キッチンばさみなどで食べる前にカットしておきましょう。
麺を勢いよくすする必要がなくなり、誤嚥やむせ込みの予防にも役立ちます。
とろみをつける
スープや麺類にとろみをつけると食べ物が口の中でまとまりやすくなり、口から喉へスムーズに送り込めるようになるため、飲み込みやすくなるでしょう。冷たい料理や飲み物にもすぐに使えてダマになりにくい、市販のとろみ剤を使用するのがおすすめです。
嚥下機能が低下している高齢者は、水分の多い麺類やスープが喉を通過するスピードに対応できず、むせたり誤嚥したりする場合があります。適度なとろみをつけると、安全に飲み込めるようになるでしょう。
とろみが強すぎると食べにくさを感じる場合があるため、嚥下の状態に合わせて調整する必要があります。医師や言語聴覚士などの専門職と相談して、とろみの程度を検討しましょう。
やわらかめに茹でる
麺をやわらかめに茹でると噛み切りやすくなるため、噛む力が低下している高齢者でも食べやすくなるでしょう。
パッケージなどに表記されている時間よりも長く茹でると、麺をやわらかめに仕上げられます。実際に麺を取り出して指でつぶしたり食べてみたりして、高齢者が負担なく噛み切れる硬さかどうか確認し、茹で加減を調整しましょう。
また、お湯が少ないと麺同士がくっついてやわらかさが均一になりにくいため、お湯をたっぷり使って茹でましょう。
高齢者が麺類を食べる際に注意すべきこと

- 栄養の偏り
- 栄養不足
- 水分不足
高齢者が麺類を食べる際は、上記3点に注意しましょう。
栄養の偏り
麺類を食べる際は、栄養バランスが偏りやすい点に注意が必要です。うどんやそうめん、ラーメンなどは炭水化物が中心となるため、麺だけで食事を済ませてしまうとタンパク質やビタミン、ミネラル類などが不足し、低栄養をまねきやすくなります。
特に高齢者は筋力維持のために十分なタンパク質が必要です。卵や鶏ささみ、豆腐などの食材も意識して取り入れましょう。また、麺類に含まれる塩分にも配慮し、塩分過剰にならないようにしなければなりません。
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栄養不足
麺類は食べやすく満腹感を得やすいため、食事量が少なくなりやすい点に注意しなければなりません。高齢者は加齢の影響で食欲が低下しやすく、麺類だけで食事を済ませると必要なエネルギー量を確保できない場合があります。
栄養不足が続くと、低栄養やフレイルのリスクが高くなるかもしれません。高齢者が麺類を食べる際は、麺類だけではなく栄養価の高い具材を組み合わせたり副菜を合わせたりしましょう。
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水分不足
麺類には水分が多く含まれ、汁気が多いメニューであるため、食事中や食後の水分補給を怠って水分不足になる可能性があります。高齢者は体内の水分量が減少しやすく、喉の渇きを感じにくい傾向にあり、水分量の多い麺類を食べても水分補給を怠ると脱水状態になるかもしれません。
脱水が続くと便秘や熱中症などの原因になるため、麺類を食べるときでもこまめに水分補給を行うことが重要です。
高齢者の水分補給について詳しくはこちら↓
高齢者の水分補給は何がいい?1日の摂取量目安やタイミング・拒否された際の対応など
高齢者向け麺類レシピ2選
- 夏野菜たっぷりとろとろそうめん
- きのこと卵のあんかけうどん
高齢者向けの麺類レシピを2つ、ご紹介します。食べやすく、さまざまな食材を使っているためバランスよく栄養素を摂取できるレシピです。ぜひ参考に作ってみてください。
夏野菜たっぷりとろとろそうめん

- そうめん 4束
- 鶏ささみ 1本(60g)
- トマト 1個
- オクラ 8本
- 大葉 4枚
- 料理酒 大さじ1
- ★麺つゆ(4倍希釈) 50ml
- ★水 150cc
- ★生姜(チューブ) 2~3cm
(作り方)
- トマトは洗ってくし切りに、オクラは洗ってうぶ毛を取って2~3分茹でた後、1cm幅の輪切りにする。大葉は千切りにする。
- 鶏ささみは耐熱皿にのせて料理酒をかけ、ラップをして600W・2分加熱する。中まで火が通ったら、ほぐしておく。
- そうめんを表示時間通りに茹でる。
- ボウルに★と輪切りにしたオクラを入れて混ぜ合わせる。
- 皿に茹でたそうめんと4を入れ、トマト、鶏ささみを盛り付け、大葉をトッピングしたら完成。
トマトやオクラなど夏野菜をしっかり食べられるレシピです。鶏ささみを具材に入れることでタンパク質量を確保でき、栄養の偏りを防げるでしょう。オクラのネバネバ成分によって麺類と汁がまとまりやすく、高齢者にも食べやすいそうめんです。
きのこと卵のあんかけうどん

- うどん 1玉
- しいたけ 1枚
- 卵 1個
- しめじ 1/3パック
- えのき 1/3袋
- にんじん 20g(約1/4本)
- 麺つゆ(4倍濃縮) 50ml
- 水 150ml
- ★片栗粉 大さじ1
- ★水 大さじ2
(作り方)
- しいたけは薄切り、しめじは房を分け、えのきは長さ2~3cmに切る。にんじんは細切りにする。
- 鍋に麺つゆと水を入れて煮立たせ、1の材料を入れてやわらかくなるまで加熱する。★を混ぜ合わせてから鍋に加え、混ぜながらとろみがつくまで煮る。
- うどんを別の鍋で茹で、2に加える。
- 卵を溶いて、ゆっくり加えて混ぜる。卵が固まったら完成。
きのこや卵など栄養価が高い食材をたっぷり摂れるレシピです。あんかけにすることで食材や麺がまとまりやすく、飲み込みやすくなるため、高齢者でも食べやすいでしょう。
高齢者が麺類に食べにくさを感じるときは調理法や食事形態の工夫を
麺類は手軽で食欲がないときなどでも食べやすい食材ですが、高齢になると、嚥下機能・咀嚼機能の低下や箸が使いづらくなることなどが理由で、麺類を食べにくくなる可能性があります。無理に食べ進めようとすると、むせて誤嚥を引き起こしたり食事量が減って低栄養になったりする場合があり、注意が必要です。
麺類が食べにくい場合は、一口サイズに切る、とろみをつける、やわらかめに茹でるなどの工夫をしてみましょう。口に運んだり飲み込んだりしやすくなり、抵抗なく食べられる可能性があります。
また、栄養バランスの偏りを防ぐために具材をたっぷりにする、副菜をつけるなども意識しましょう。
PROFILE
管理栄養士
今井尚美
(Imai Naomi)
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