高齢者も注意すべき五月病って?原因や症状・対策などを解説

「高齢者も五月病になる?」
「高齢者が五月病にならないためにはどうしたらいい?」
など、高齢者の五月病について知りたい方のために、原因や対策などを解説いたします。
高齢者の五月病は、身体機能や認知機能の著しい低下につながることもあるため、注意が必要です。
症状などを把握しておけば早めに対処することができ、重篤なケースを回避できるでしょう。
五月病とは?

五月病とは、新しい環境に適応できず心身に不調があらわれる状況です。正式な病名ではありませんが、医学的には適応障害や抑うつ状態などの病気と関連性が高いとされています。
まずは、五月病の原因と症状について見ていきましょう。
原因
五月病は、進学、就職、異動、転居など年度はじめの新しい環境で抱えた大きなストレスが原因で引き起こされるといわれています。
張りつめていた緊張の糸が5月の大型連休で緩んだ際、心身の不調として表れるのが特徴です。
また、4月から5月にかけては寒暖差が激しかったり、花粉症によるアレルギー症状が出やすかったりする時期であるため、疲れが蓄積しやすいことも要因と考えられています。
症状
- 倦怠感がある
- 頭痛やめまいがする
- 眠れない
- 食欲がない
- やる気が出ない
- 気分が落ち込む
- 集中できない
- 大きな不安や焦りがある etc…
上記は五月病の代表的な症状ですが、人によって症状は異なり、このほかにもさまざまなものが報告されています。
一般的には、症状が2週間以上続いていたり、休日も症状の緩和が見られなかったりする場合は受診が必要です。
高齢者が五月病になる原因

- 環境の変化
- 気象とバイオリズムの変化
- 連休で気が緩む
高齢者が五月病になる原因として、主に上記3つが考えられます。
環境の変化
利用していた介護施設や担当ケアマネジャーの変更など、年度はじめに発生しやすい環境の変化は、高齢者の五月病を引き起こす原因になり得ます。
高齢者は現役世代のように新入社や異動といった社会的変化はありませんが、介護保険制度の年度更新や介護施設の定員変更など、4月から5月にかけて環境が変わるケースが少なくありません。特に親しかった人との別れや新しい環境への不安などは、精神的にも大きな負担となる可能性があります。
気象とバイオリズムの変化
4月や5月は急激な寒暖差や日照時間の急増によって、疲れや自律神経の乱れが引き起こされやすい季節です。身体機能が低下傾向にある高齢者は特に消耗しやすく、ストレスの蓄積や気分の落ち込みなどが起こりやすくなるといわれています。
連休で活動量が減る
大型連休で通っていた介護施設が休みになり、活動量が低下すると、足腰の筋力低下や認知機能の低下が起こりやすくなるでしょう。
そのため、連休明けには「やる気が出ない」「倦怠感がある」など五月病の典型症状が出やすい状態となってしまいます。
連休で気が緩むことに加え、活動量の低下が伴うと、高齢者の場合は五月病リスクを高めてしまうでしょう。
高齢者に見られる五月病の症状とリスク

- 食欲不振など身体的不調
- 通所拒否など意欲低下
- 認知機能の低下
高齢者の五月病は、上記のような高齢者特有の症状やリスクがあります。
食欲不振など身体的不調
食欲不振などの身体的不調は若年層の五月病にも見られる代表的な症状ですが、高齢者の場合は低栄養をはじめとするさまざまな症状につながりやすいため、非常に危険です。
高齢者は、若年層に比べると噛む力や飲み込む力、消化や吸収能力が低下している傾向にあり、普段から食が細くなりやすいとされています。
五月病で食欲がさらに低下してしまうと一気に食事量が落ち、深刻な低栄養を引き起こしてしまうでしょう。また、倦怠感や頭痛といったその他の症状は活動量低下を招き、介護度があがるなども考えられます。
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通所拒否など意欲低下
通所拒否など意欲低下は、高齢者の五月病に見られる症状です。高齢者が介護施設に通わなくなってしまうと、筋力低下や社会的孤立などを引き起こしてしまいます。
若年層と違って進行が早く、わずかな期間で歩行が困難になったりセルフネグレクトがはじまったりなど深刻な状況を招くことも少なくありません。
心身の機能が急激に衰えるとフレイルの進行にもつながり、寝たきりへと直結してしまうこともあります。
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認知機能の低下
高齢者の五月病は、認知機能の低下が顕著に見られるケースが多いとされています。通所拒否などによる活動量低下や社会的孤立は脳への刺激を激減させ、わずかな期間でも認知機能の低下を招きやすいでしょう。
昨日までできていた日付の確認ができなくなったり、会話のつじつまが合わなくなったりするなど、刺激のシャットアウトが脳の働きを一気に停滞させてしまいます。
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高齢者の五月病を対策するには

- 生活リズムを整える
- 3食バランスのとれた食事を摂る
- 適度な運動
高齢者の主な五月病対策は、上記3つがポイントです。
生活リズムを整える
朝起きて日中に活動し、夜寝る生活リズムを整えると、メンタルを安定させる脳内物質「セロトニン」が分泌されるため、ストレスへの耐久性向上が期待できます。また、自律神経の調整もうまくいくといわれており、五月病の倦怠感ややる気が出ないといった不調の対策にもなるでしょう。
睡眠の質も高くなるといわれているため、脳の疲れがとれて翌朝すっきり目覚めることも可能となります。
3食バランスのとれた食事を摂る
主食・主菜・副菜を意識した1日3食の食事は、メンタルを安定させるセロトニンの原料となります。高齢者に不足しがちなたんぱく質やビタミンなどの栄養素も摂取でき、筋肉量の維持や低栄養の回避にもつながるでしょう。
心身の環境が整えば、自ずと活動が増えてよりよい生活サイクルを構築できます。
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適度な運動
適度な運動は、自律神経を整えてセロトニンの分泌を促すといわれており、五月病対策に有効とされています。高齢者の場合は加齢による筋肉低下「サルコペニア」の予防にもなるため、自立生活を継続させるうえで非常に重要です。
また、日中に運動すれば睡眠の質も高まり、疲労を蓄積させずに次の日を迎えられるでしょう。
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高齢者の五月病で受診を検討するべき症状

- 睡眠・食欲の急激な低下
- セルフネグレクトが見られる
- 症状が1週間以上継続
高齢者に上記のような症状がある場合は、医療機関で早期に受診しましょう。
睡眠・食欲の急激な低下
「眠れない」「食べられない」状態が急激に訪れる場合は、脳の自律神経コントロールが完全にキャパオーバーを起こしている可能性があります。高齢者の場合は命の維持に関わるケースもあるため、すぐに受診が必要です。
1日を通してほとんど何も口にしない、数時間しか眠れないなどの症状は、脱水症状や認知機能や免疫力の低下などを引き起こすことがあります。高齢者は重篤な問題に直結することが少なくないため、注意しましょう。
セルフネグレクトが見られる
何日も入浴しない、ゴミを捨てないなど、最低限の生活を放棄するセルフネグレクトが見られる場合は、受診が必要なサインといわれています。
高齢者の場合、生きる意欲が低下すると認知症の急進行や脱水症状、栄養失調などに直結しやすく、回復にも時間がかかるでしょう。寝たきりや孤独死といったケースにもつながる可能性があるため、早期に医療や行政の介入が必要です。
症状が1週間以上継続
若年層の五月病は「2週間以上の症状」が受診の目安となっていますが、高齢者の場合は短期間でも生活機能へのダメージが大きいため、1週間程度症状が続いた段階で早期の対応が推奨されています。
若年層なら2週間耐えられる環境ストレスも、脳の認知機能や適応力が低下傾向にある高齢者は、わずか1週間で心身のバランスが崩壊することが少なくありません。そのため、いつもと違う状態が1週間続いたら、迷わず専門医やかかりつけ医に相談しましょう。
健やかな生活のために高齢者の五月病は対策と早期対応を
五月病は、年度はじめに発生する環境変化などで蓄積したストレスや疲労が、五月の大型連休で気が緩んだ際に心身の不調として表れるのが特徴です。
高齢者の場合、介護施設やケアマネジャーの変更などの生活変化が原因となることがあります。寒暖差で体力を消耗しやすい時期であるため、ストレスをより感じやすいことも原因のひとつです。
高齢者が五月病になると、食欲不振や通所拒否など意欲低下、認知機能の低下などが症状として現われることが多いといわれています。生活リズムを整え、1日3食バランスのとれた食事の摂取、適度な運動で対策できますが、症状が現れたら早めの対処が重要です。
食欲や睡眠の急激な低下やセルフネグレクトが見られた場合は、受診を検討しましょう。軽度でも症状が1週間継続している場合は、早期に対処すると重篤なケースを回避できる可能性があります。
高齢者にとって五月病は心身の衰えを加速させることがあるため、対策と早期対応で健やかな生活を維持しましょう。
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