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2026.1.23

高齢者はなぜ足がむくみやすい?考えられる原因と注意すべきポイント

高齢者はなぜ足がむくみやすい?考えられる原因と注意すべきポイント

「高齢者はなぜ足がむくみやすいの?」
「高齢者の足がむくむ原因で考えられるものは?」

という方のために、高齢者の足がむくみやすくなる原因や対処法についてまとめました。

高齢者の足のむくみには、加齢に伴う特有の要因によって起こる場合があります。

また、疾患が隠れている可能性もあるため、原因を見極めずに放置すると思わぬ健康被害につながることもあるでしょう。

この記事では、考えられる主な原因に加え、日常生活で気を付けたいポイント、さらに医療機関を受診すべき危険なむくみの見分け方など詳しく解説します。

高齢者の足がむくみやすい理由

高齢者の足がむくみやすい理由

高齢者の足がむくみやすくなるのは、加齢による体の変化が関係しています。

年齢とともに筋肉量が減少すると、筋肉が血液やリンパ液を心臓へ押し戻す「ポンプ機能」が弱まるため、末端の足に溜まってむくみが生じやすくなります。

また、加齢に伴う血液循環の不良もむくみやすい原因のひとつです。

さらに、高齢者は活動量が減りやすく、座りっぱなしや立ちっぱなしの時間が長くなる傾向にあります。足を動かさない状態が続くと、血流やリンパの流れがさらに悪化し、足のむくみを引き起こしやすくなるでしょう。

高齢者の足のむくみを引き起こす身体機能の低下

高齢者の足のむくみを引き起こす身体機能の低下
  • 筋力の低下
  • 血管の老化
  • 喉の渇きを感じにくい

上記はいずれも加齢によって誰にでも起こりうる変化であり、高齢者の足がむくみやすい要因です。それぞれの変化がどのようにむくみに影響するかを解説します。

筋力の低下

筋力の低下は、血流を妨げ足のむくみを引き起こします。

特にふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、足に溜まった血液を心臓に送り返すポンプの役割を果たしている部位です。

サルコペニアと呼ばれる筋肉量が減少する状態がある場合、ポンプ機能が弱まり、血液や水分が足に溜まってむくみが生じやすくなります。

高齢になり歩く機会が減ったり、運動習慣がなくなったりすると、さらに筋力低下が進行するでしょう。筋肉が落ちると基礎代謝も下がり、血流が悪化して余分な水分が足に溜まり、足がよくむくむようになります。

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サルコペニアとは?原因・症状・対策などについて。廃用症候群やフレイルとの違いも

血管の老化

血管が老化すると血液の流れが滞りやすくなるため、足にむくみが生じやすくなります。

加齢とともに血管は硬くなる傾向にあり、弾力性を失った血管は血液をスムーズに循環させることができなくなるでしょう。

そのため、下半身に血液や水分が溜まりやすく、末端の足はとくに蓄積しがちです。

喉の渇きを感じにくい

高齢者は喉の渇きを感じにくいため、無意識のうちに水分摂取量が減って足がむくみやすくなる傾向にあります。

体内の水分が減って血液がドロドロになると体は水分を逃さないように溜め込もうとすることから、足のむくみにつながってしまうのです。

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高齢者の水分補給は何がいい?1日の摂取量目安やタイミング・拒否された際の対応など

高齢者の足のむくみを引き起こす日常生活

高齢者の足のむくみを引き起こす日常生活
  • 長時間同じ姿勢でいる
  • 食生活の偏り
  • シャワー浴のみが多い

上記のような高齢者の生活パターンには、足のむくみを悪化させる習慣が含まれていることが少なくありません。ここでは日常生活で気をつけたい3つのポイントを詳しく解説します。

長時間同じ姿勢でいる

長時間同じ姿勢を続けると、血流やリンパの流れが滞って足のむくみにつながることがあります。活動量が低下して動かない時間が増えている高齢者は、特に注意が必要です。

座りっぱなしや立ちっぱなしは、筋肉が動かず血流を滞らせ、さらに重力の影響で足元に蓄積してむくみを発生させやすくなるでしょう。

食生活の偏り

高齢者の食生活が偏ったり低栄養になったりすると、足がむくみやすくなります。

特にたんぱく質不足と塩分過剰摂取は、足のむくみを生じさせる大きな原因となり得るでしょう。
たんぱく質は血管内の水分バランスを整える働きがあるため、不足すると血管内が水分不足になって血液がドロドロになります。

また、塩分を摂り過ぎると体は体内の塩分濃度を薄めようと余分に水分をため込んでしまうでしょう。
どちらも足のむくみにつながるため、食生活に注意しなければなりません。

高齢者の低栄養について詳しくはこちら↓
食べているのに高齢者が低栄養になる原因や対策、アルブミンを上げる食事など紹介

シャワー浴のみが多い

入浴をシャワーのみで済ませる習慣は、足がむくむ原因のひとつです。

湯船に浸かるとお湯の水圧が足を適度に締め付け、溜まった血液やリンパ液を心臓へ押し戻すため、足のむくみが解消される可能性があります。

また、入浴で体の深部が温まれば血管が広がり、全身に血液が巡りやすくなるでしょう。

シャワーだけでは血液の流れをよくする水圧が得られなかったり、体が深部まで温まらなかったりするため、足のむくみが解消されにくくなります。

全身浴で得られるお湯の水圧、温熱効果がシャワーでは期待できないため、むくみやすくなるのです。

高齢者の入浴について詳しくはこちら↓
高齢者の入浴|しないとどうなる?デメリットやシャワーだけの場合など解説

その他高齢者の足のむくみを引き起こす原因

その他高齢者の足のむくみを引き起こす原因
  • 基礎疾患の症状
  • 服薬

疾患や薬が足のむくみを引き起こすことがあるため、知っておけば適切な対処が可能となります。

基礎疾患の症状

心不全や腎不全などの重大な基礎疾患は、足のむくみが症状として現れることがあります。

足のむくみが加齢に伴う体の変化や生活習慣によるものではなく疾患の症状であるならば、医療機関の早期受診が必要です。

服薬

薬によっては、副作用として足のむくみが現れることがあります。

たとえば、血圧を下げる薬や痛み止め、糖尿病の薬などは体内に水分を溜め込みやすくする性質があるため、足がむくむ原因となり得るでしょう。

複数の薬を併用することで足のむくみを引き起こす可能性もあります。

高齢者が注意すべき足のむくみ

高齢者が注意すべき足のむくみ
  • 片足だけむくんでいる
  • むくみ以外に痛み・熱感・発疹がある
  • その他足以外が併発している

一過性の軽い症状と認識される足のむくみですが、なかには危険な症状である可能性があります。上記のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

片足だけむくんでいる

片足だけむくむ症状は「深部静脈血栓症」や「下肢静脈瘤」など、むくんでいる足自体に疾患を発症している可能性があります。

放置すると命に関わる疾患もあるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

マッサージや運動など自己判断で足のむくみを試みると、疾患が悪化することがあります。必ず医師に相談し、指示を仰ぎましょう。

むくみ以外に痛み・熱感・発疹がある

高齢者の足に、むくみだけではなく痛みや熱感、発疹など他の症状が出ている場合は、炎症や感染症、アレルギー反応などの可能性があります。

高齢者は皮膚のバリア機能や免疫が低下しているため、気づかぬうちに症状が進行していることも少なくありません。

放置せずに医療機関を受診し、適切な治療をしてもらいましょう。

その他足以外の症状が併発している

足のむくみと同時に、息切れや動悸、疲れやすさ、胸の痛みなど足以外の症状がある場合は、内蔵の疾患が隠れている可能性があります。

心臓や腎臓・肝臓の機能低下は、むくみを引き起こす代表的な疾患です。特に心臓の機能低下が原因のむくみは一刻を争うケースもあるため、早急な対処が必要になります。すぐ医師に相談し、診断してもらいましょう。

高齢者の足のむくみを改善する方法

高齢者の足のむくみを改善する方法
  • マッサージ
  • 足首を動かす
  • 入浴や足湯

高齢者の足のむくみを改善する方法を3つ紹介します。危険なむくみではないことが確認できたら、日常生活に取り入れてみましょう。

マッサージ

マッサージは、血流とリンパの流れを促す効果が期待できます。

足のむくみを解消するには、心臓から遠い部分からマッサージするのが基本です。足裏・ふくらはぎ・太ももを順番に下から上へやさしくマッサージしましょう。

マッサージオイルやクリームを使うと滑りが良くなり、肌への摩擦も軽減できます。

足首を動かす

足首を動かすと、ふくらはぎの筋肉を刺激して血流が促進するといわれています。

足首を回したり、立った状態や椅子に座った状態でかかと上げ下げ運動などを行いましょう。ふくらはぎの筋肉が増えれば、足がむくみにくい体作りにもなります。

入浴や足湯

入浴は、お湯の水圧で足を適度に締め付け、体を芯から温めて血管を広げるため、足のむくみ解消に効果が期待できます。入浴が難しい場合は、ふくらはぎまで浸かる足湯を取り入れましょう。

ふくらはぎには太い血管が通っており、ふくらはぎを温めると温まった血液が全身に巡るため、足湯のみでも体の深部を温められるといわれています。

入浴も足湯も、38~40度のお湯に10~15分浸かりましょう。

高齢者の足が逆にむくむ原因となる間違った解消法

高齢者の足が逆にむくむ原因となる間違った解消法
  • 水分を控える
  • 足を高く上げすぎて寝る
  • きつすぎる着圧ソックス

上記の習慣は、足のむくみを悪化させる可能性があるため、注意が必要です。

水分を控える

水分を控えると血液がドロドロになって血流が悪化するため、足がむくみやすくなってしまいます。
高齢者は、頻尿や夜間のトイレなどの理由で水分を控えるケースが少なくありません。

しかし、高齢者は喉の渇きを感じる機能が衰えていることがあり、意識して水分を摂取しないと足のむくみに加えて脱水が進行する可能性があるでしょう。

高齢者の隠れ脱水について詳しくはこちら↓
冬は高齢者の隠れ脱水に注意!症状やチェック方法、対策などを解説

足を高く上げすぎて寝る

足のむくみを予防する方法として足を心臓より高くして寝る方法がありますが、足を上げすぎると足の付け根を圧迫して血流を妨げたり、腰痛の原因になったりすることがあります。

足を上げて寝る場合は、クッションなどで緩やかな傾斜を作り、心臓より10〜15cm高くしましょう。

きつすぎる着圧ソックス

きつすぎる着圧ソックスは、かえって血管を締め付け、血液の流れを止めてしまうおそれがあります。

強い力で締め付けると、足先まで血液が届かなくなり、重大な皮膚トラブルにつながることもあるでしょう。

着圧ソックスを検討する場合は医師など専門家に相談し、適切なものを選びましょう。

高齢者の足がむくむ原因に注意して適切な処置を

高齢者の足のむくみは、加齢による筋力低下や血管の老化、日常生活の習慣など、さまざまな要因が絡み合って起こります。

日常的なむくみには、適度な運動やマッサージ、入浴などのセルフケアで改善する場合があるでしょう。

一方で、水分を控えたり、足を上げすぎたりといった間違った対処法は、かえってむくみを悪化させることがあります。

片足だけのむくみや痛み・熱感を伴う場合、息切れなど他の症状がある場合は、重大な病気のサインかもしれません。

気になる症状がある場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。




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