BLOG
2024.2.14

高齢者の入浴|しないとどうなる?デメリットやシャワーだけの場合など解説

高齢者の入浴|しないとどうなる?デメリットやシャワーだけの場合など解説

「高齢になってお風呂が面倒…入浴しないとどうなるのだろう?」
「高齢者はシャワーだけでも大丈夫かな?」

お風呂に入るのにも、時間や体力をつかうため、高齢になると入りたくないと思う日もあるでしょう。もし、それを繰り返した場合には、身体はどうなるのか、高齢者が入浴しないとどうなるかを説明します。また、シャワー浴だけにすると体へどのような影響があるかも解説。ぜひ参考にしてください。

訪問入浴について詳しくはこちら↓
訪問入浴サービスの内容|料金・通所や訪問介護との違いなど解説

高齢者の入浴で期待できる効果

高齢者の入浴で期待できる効果
  • 身体の清潔を保つ
  • 健康増進効果

高齢者の方にとって、入浴は身体の清潔を保つだけでなく、健康を増進する効果が期待できます。

身体の清潔を保つ

入浴は、身体を清潔に保つために必要な行為です。入浴することで、皮膚の汚れや汗を洗い流し、細菌や雑菌による感染症や体臭を予防できます。

また、皮膚を清潔に保つことができれば、床ずれやかぶれのリスクを低減できます。

健康増進効果

入浴は、身体を温めることで、血液の循環や新陳代謝を促進する効果が期待できます。血流や新陳代謝の促進は、肩こりや腰痛などの筋肉や関節の痛みを和らげたり、免疫力を高めたりするといわれています。

入浴は、副交感神経を活性化させることで、心拍数や血圧を下げる効果もあるとされています。ストレスや不安を軽減し、心身のリラックスにもつながるでしょう。

また、入浴の頻度が高い人は、心血管疾患の発症リスクが低いという研究結果があります。国立がん研究センターがん対策情報研究所が行った調査によると、週に4回以上浴槽に入る人は、週に1回以下の人に比べて、虚血性心疾患や脳卒中(脳出血・脳梗塞)の発症リスクが約20〜30%低いという結果が報告されました。

参考元:浴槽入浴頻度と虚血性心疾患・脳卒中発症リスクとの関連 | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト

高齢者が入浴しないとどうなる?

高齢者が入浴しないとどうなる?
  • 皮膚疾患・感染症リスクが高まる
  • 介護度が高くなる可能性がある
  • 新しい人間関係が構築しにくくなる

高齢者が入浴しないと、身体的にも精神的にも悪影響が出るかもしれません。入浴しないことで起こりうる健康リスクについてまとめました。

皮膚疾患・感染症リスクが高まる

高齢者は、免疫力や抵抗力が低下しているため、皮膚疾患や感染症にかかりやすくなります。 入浴しないと、皮脂や汗、汚れが毛穴に詰まり、かゆみや湿疹、ニキビ、皮膚炎などの肌トラブルを引き起こすかもしれません。また、細菌やウイルスが繁殖しやすくなるため、皮膚感染症やウイルス感染症などの病気に罹患するリスクも高まるでしょう。

介護度が高くなる可能性がある

日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクトの研究によると、入浴頻度が週7日以上の高齢者は、週2回以下の高齢者に比べて、要介護リスクが30%低いことが報告されました。

入浴は新陳代謝や免疫力も向上し、ストレスを軽減する効果も期待できます。これらの効果は、高齢者にとって要介護になるリスクを低減することにつながります。 

また、自分でトイレに行けない方やオムツを使用している方は、陰部の清潔が非常に重要です。陰部が不衛生な状態が続くと、尿路感染症を起こすかもしれません。これは、介護度が上がる原因にもなります。

参考元:高齢者の「毎日の入浴」要介護を防ぐ効果|日本経済新聞

新しい人間関係が構築しにくくなる

入浴は、自分の身体や心だけでなく、人との関係にも大きく影響します。入浴しないことで、体臭が強くなり、周囲の人に不快な思いをさせるかもしれません。 

汗そのものには臭いがないのですが、細菌が皮脂や汗を分解して、悪臭を放つ物質に変えることで発生します。体臭がひどいと、人とのコミュニケーションが減り、孤立や寂しさを感じるかもしれません。

高齢者はシャワーだけでもいい?

高齢者はシャワーだけでもいい?
  • シャワーだけだと身体が冷えやすい
  • リラックス効果が得られにくい
  • 汚れが落ちにくい

体調が悪い日には、無理に入浴せずシャワー浴でもかまいません。シャワーは、体力の消耗と心臓への負担が少ないといわれています。ただし、シャワーには注意点もあります。

シャワーだけだと身体が冷えやすい

シャワー浴では、体温が上がりにくく、副交感神経が刺激されにくいです。そのため、リラックス効果が得られにくくなるでしょう。リラックス効果が得られないと、睡眠の質が低下したり、精神的な不調を引き起こしたりする可能性があります。

体の芯まで温めるには、お湯に浸かる必要がありますが、体調等で難しい場合はシャワー浴で身体を冷やさないように工夫しましょう。

シャワーだけで済ます場合は、足浴をしながらシャワーを浴びましょう。足は体の末端で冷えやすいため、温めると血行が良くなり体全体が温まるといわれています。40~42度のお湯を入れたバケツに足をつけて、足浴をしましょう。

また、保温タオルを背中にかけてシャワーを浴びる方法も、体温が下がりにくくなるでしょう。背中は体温調節に重要な役割があるため、背中を温めながらのシャワー浴は体温維持に効果的といわれています。シャワーを浴びるときは、お湯に浸したタオルを絞って背中に当てて保温してみましょう。

リラックス効果が得られにくい

シャワー浴では、体温が上がりにくいため、リラックス効果が得られにくくなるでしょう。そのため、睡眠の質が低下したり、精神的な不調を引き起こしたりする可能性もあります。

お風呂に入ると、体温が上がり、副交感神経が高まります。副交感神経は、リラックスや睡眠に関係する神経です。お風呂に入ると、心も体もほぐれて、疲れやストレスが解消されます。これが入浴のリラックス効果です。

汚れが落ちにくい

シャワー浴では、体の表面の汚れは落ちますが、毛穴の奥の汚れはなかなか落ちないでしょう。毛穴の奥の汚れは、皮脂や古い角質、細菌などが混ざってできるため、お湯に浸かって毛穴を開かせることで落とすことができます。

汚れがしっかり落ちないと、体臭が発生しやすい状態になり、ニキビや吹き出物などの肌トラブルの原因になることもあります。

高齢者の入浴における注意点

高齢者の入浴における注意点
  • 体力を消耗する
  • 転倒等の事故
  • 心臓に負担が少ない半身浴

高齢者の方は入浴の際、体力の消耗、転倒やヒートショックなどに注意が必要です。

体力を消耗する

入浴は体力を必要とするため、高齢者にとって大きな負担となる場合があります。入浴して体が温まると、体内の熱を発散しようとすることからエネルギーを消費し、体力を使うといわれています。

持病等がある方はお湯の温度や入浴時間に注意しましょう。湯温は38~40度、入浴時間は約10分が適切といわれています。

転倒等の事故

浴室は滑りやすく、温度差が激しい場所です。そのため、転倒やヒートショックなどの事故に注意しないといけません。

ヒートショックとは、暖かい場所から寒い場所へ急に移動することで血圧が急変し、心臓や脳に障害を起こすことです。冬場の入浴は特にヒートショックの危険性が高いため、注意しなければなりません。脱衣所や浴室には暖房器具を置いて温めておきましょう。また、入浴前は足からお湯をかけて体を慣らし、入浴後はしっかり体を拭いてすぐに服を着たり暖かい部屋に移動したりしましょう。

浴室の床にはマットや滑り止めを敷いたり、手すりを設置したりすることで転倒のリスクを減らせます。また、浴槽に入るときや出るときはゆっくりと動き、身体状況等でバスチェアなどの使用も検討しましょう。バランスを崩して転倒しないように、着替えの際も椅子に座って行いましょう。

心臓に負担が少ない半身浴

全身浴はお湯に深く浸かることで水圧がかかり、心臓に負担がかかりやすいため、高齢者の方は半身浴もおすすめです。半身浴とは、お湯に胸まで浸かることで、心臓や肺への負担が少ないといわれています。

半身浴をするときは、お湯の量を胸の下あたりまでにし、湯温は38〜40度がいいでしょう。首の後ろにタオルをかけて、首から上は冷やさないようにします。半身浴の時間は5分から10分程度にしましょう。

りふりのお風呂は個浴

りふりのお風呂は個浴

生活リハビリデイサービス、りふりのお風呂は個浴なのでプライバシーが守られ安心して入浴できます。入浴介助のプロがサポートするため、安全でスムーズな入浴が可能です。

家庭の浴室を想定したつくりとなっており、一般浴とリフト浴の2種類があります。いずれ自宅でひとりで入れるように、できるだけ長く自分で自宅で入浴できるようにという自立支援が目的です。

りふりでは短時間利用の利用者にも入浴サービスを提供し、多くの方に喜ばれています。

短時間利用の入浴について詳しくはこちら↓
半日型デイサービスって? 内容や1日の流れ・入浴の可否を紹介!

入浴は健康を保つための手段

入浴は、高齢者にとって、身体と心の健康に良い影響を与えるといわれています。

入浴の際には、温度や時間、体調などに注意して無理をしないようにしてください。また、入浴の前後には、水分補給や休憩をとることも大切です。入浴を楽しみながら、健康的な生活を送りましょう。

しかし、自宅での入浴は介護者や家族にとっても大変な負担になります。生活リハビリデイサービス りふりの入浴サービスは、個浴でプライバシーを守りながら、スタッフの介助で快適に入浴できるサービスです。

デイサービスで入浴のみが可能かどうか詳しくはこちら↓
【入浴特化型】デイサービスで入浴のみは可能|目的や料金について




カテゴリー|ブログ