高齢者は風邪予防が重要!気を付けるべき症状や予防が期待できる運動・食べ物など

「高齢者にとって風邪はどんなリスクがあるのだろう」
「高齢者が風邪を予防する方法について知りたい」
高齢者が風邪をひくと、健康にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。そのため、風邪をひかないように予防することや、風邪症状を見逃さないことが大切です。
今回は、高齢者にとって風邪予防が重要である理由や注意すべき症状、風邪予防が期待できる習慣について詳しくご紹介します。特に冬は寒さや乾燥から体調を崩しやすいため、毎日の生活習慣を整えて健康を守りましょう。
高齢者が風邪に注意するべき理由

- 長引くことが多い
- 重症化しやすい
- 合併症を引き起こす恐れがある
高齢者が風邪をひくと、なかなか治らなかったり症状が重たくなったりなど、ただの風邪で終わらないことが少なくありません。
長引くことが多い
高齢になると免疫を司る細胞の産生が減り、免疫機能が衰えるため、若い人に比べて風邪をひきやすく、回復に時間がかかります。
また、高齢者は持病を抱えている場合があり、風邪の症状に気が付きにくいことや体力や筋力が低下していることも、風邪が長引く要因です。症状が長引くと重症化するリスクが高くなるため、風邪を長期化させない、免疫力を高める体づくりが大切になります。
重症化しやすい
高齢者は、体温調節機能が低下しているため、風邪をひいても高熱にならないことがあります。いつもの体温から変化がなければ、風邪をひいていることを見過ごしてしまうでしょう。
そして、気付いたときには重症化している、という場合が少なくありません。持病がある高齢者は、特に免疫力が低下していて重症化しやすいため、注意が必要です。
合併症を引き起こす恐れがある
高齢者は呼吸機能が低下しているため、風邪が長引くと肺炎や気管支炎などの合併症を発症するリスクが高まります。特に肺炎は高齢者の死亡原因で上位に位置し、注意しなければならない疾患です。
また、風邪が長引くと細菌が血液を介して全身をめぐり、敗血症を起こすおそれがあります。敗血症は進行すると命に関わる危険な疾患であるため「ただの風邪」と思わず、早めの対応が必要です。
高齢者の風邪はこんな症状に注意

- 食欲低下
- 咳やたんが多い
- 話しかけても反応が鈍い
- 寝ている時間が多い
- 動きが鈍い・関節痛がある
高齢者は風邪をひいても症状がはっきり現れないことが多く、高熱が出にくく症状の訴えが少ない傾向にあります。上記の症状がみられたら、風邪をひいている、あるいは合併症を起こしている可能性が高いため、医療機関を受診しましょう。
また、上記以外の症状でもいつもと様子が異なると感じたら、早めに受診してください。
食欲低下
風邪で体調が悪かったり風邪が悪化して肺炎を合併していたりすると、食欲低下がみられることがあります。高齢者の食欲低下は低栄養状態をまねき、フレイルやサルコペニアを引き起こす原因になるため、要注意です。
食事量は加齢とともに低下する傾向にあることから、食欲低下に気が付きにくいかもしれません。普段から食べる量を大まかに確認しておき、食事量に変化がある場合は特に注意して様子を見るようにしましょう。
フレイルやサルコペニアについて詳しくはこちら↓
フレイルとは?症状や原因から予防方法までわかりやすく解説!サルコペニアとの違いも
咳やたんが多い
咳やたんが多い場合、肺炎や気管支炎を合併している可能性があります。高齢になると呼吸器の機能が低下するため、咳やたんなどの症状が出やすくなるでしょう。
肺炎に移行している場合、息苦しさや胸の痛みといった、普通の風邪よりも重い症状がみられることがあります。肺炎の症状を見逃すと生命を脅かす事態になりかねないため、早急に医療機関を受診してください。
話しかけても反応が鈍い
話しかけても反応が鈍い場合、発熱による脱水や肺炎を起こしているおそれがあります。意識がもうろうとしていたり何も反応が返ってこなかったりする場合は、非常に危険な状態です。
命の危険があるため自己判断で対応せず、すみやかに医療機関を受診しましょう。
寝ている時間が多い
いつもより寝ている時間が多い、最近寝てばかりいると感じる場合、風邪をひいている、あるいは風邪が悪化している可能性が高いでしょう。熱や咳などのはっきりとした症状がなくても、いつもより活動量が極端に少ない場合、体調が悪くて動けなくなっている可能性があります。
免疫力が低下している高齢者では、症状が急に悪化するおそれがあるため、普段の様子と違うと感じたら早めに医師に相談してください。
動きが鈍い・関節痛がある
風邪をひくと体が重く感じたり関節が痛くなったりすることがあります。風邪による関節痛は体がウイルスと戦う際の免疫反応で、発熱が伴わないケースも少なくありません。
普段より動きが鈍いときや関節痛があるときは風邪を疑い、注意深く様子を見ましょう。
高齢者の風邪予防が期待できる習慣

- 手洗い・うがい・入浴
- 適度な運動
- バランスのいい食事
高齢者が一度風邪をひくと、さまざまなリスクが生じます。そのため、上記のように日頃から風邪を予防する習慣を身に付けておくことが大切です。
手洗い・うがい・入浴
帰宅後の手洗い・うがいを徹底しましょう。風邪の原因となる細菌やウイルスは手指や喉などの粘膜から体内に入ることが多いといわれてます。手洗い・うがいを徹底して、体内や家の中に細菌やウイルスを持ち込まないことがポイントです。
入浴も風邪予防に適しているとされています。全身から細菌やウイルスを洗い流せる点や、体が温まることで免疫の働きが活発になる点から、感染予防・免疫力向上につながるでしょう。
高齢者の入浴について詳しくはこちら↓
高齢者の入浴│しないとどうなる?デメリットやシャワーだけの場合など解説
適度な運動
風邪予防の習慣として、適度な運動がおすすめです。筋肉を動かすと体温が上がり、血行が良くなります。血行が促進すると全身に栄養や酸素が行き渡り、免疫力の向上が期待できるでしょう。
ウォーキングや犬の散歩、速歩きなど、軽く汗ばむ程度の運動を習慣化すると風邪予防になるといわれています。
ウォーキングと軽い筋トレを組み合わせると、さらに効率よく風邪への抵抗力を高められるでしょう。筋トレによって筋肉量が増加した状態で適度な運動を行うと、より効果的に血流を改善でき、免疫機能の向上が期待できます。風邪予防だけではなく、心肺機能の向上や生活習慣病予防にも役立つでしょう。
高齢者におすすめのトレーニングについて詳しくはこちら↓
【理学療法士考案】座位でもできる高齢者転倒予防トレーニングを動画つきで紹介
バランスのいい食事
ビタミンD | 鮭・サンマ・カレイ・舞茸・しいたけetc… |
---|---|
亜鉛 | 牡蠣・豚レバー・切り干し大根・アーモンドetc… |
タンパク質 | 卵・高野豆腐・赤身肉etc… |
風邪予防には、バランスのいい食事が欠かせません。主食・主菜・副菜がそろった食事を心がけると、体の調子を整える作用があるビタミンやミネラル類を十分摂取できるため、免疫力向上につながるでしょう。
ビタミンDは、免疫に関する働きがあると報告されており、特に風邪予防のために取り入れたい栄養素の一つです。ビタミンDは鮭やサンマ、カレイなどの魚類や舞茸やしいたけなどのきのこ類の食材に多いため、意識して取り入れましょう。
亜鉛も免疫に関係しており、不足すると免疫力が低下して風邪をひきやすくなると報告されています。亜鉛は牡蠣や豚レバー、切り干し大根、アーモンドなどの食材に多いため、積極的に料理に使ってみてください。
また、丈夫な体づくりの基本としてタンパク質も意識して取り入れましょう。タンパク質は筋肉や細胞の材料となる栄養素であるため、卵や高野豆腐、赤身肉などタンパク質が多い食材は毎食食べることをおすすめします。
高齢者におすすめの食事レシピについて詳しくはこちら↓
高齢者の筋肉をつける方法紹介!効果的な運動や食事レシピ等詳しく解説します
生活リハビリデイサービスりふりの風邪予防

- 手洗い・検温・手指消毒・マスク
- 施設・送迎車の換気
- 消毒液・加湿器
- 口腔ケア
生活リハビリデイサービスりふりでは、手洗いや検温などの基本的な対策をはじめ、さまざまな風邪予防に取り組んでいます。
感染対策の基本である手洗い・検温・手指消毒・マスクの装着は、スタッフだけではなく、利用者様にもご協力いただいています。
施設内に飛沫感染防止のパネルを設置したり、施設・送迎車を定期的に換気したりするなど、風邪の細菌やウイルスが蔓延するのを防ぐ取り組みを実施中です。
消毒液はアルコールとカンファ水を使い分けています。カンファ水は殺菌・除菌効果をもつ人体に優しい消毒液です。利用者様がよく触れる部分にはカンファ水を使い、感染対策をしながら利用者様の安全にも配慮しています。
さらに、加湿器を設置して空気の乾燥を防ぎ、適切な湿度を保つことで感染しにくい環境を整えています。
また、りふりでは口腔ケアを毎日実施中し、風邪の細菌やウイルスが口腔内で増殖しないように対策しています。
高齢者の口腔ケアについて詳しくはこちら↓
高齢者は口腔ケアしないとどうなる?目的や必要性、注意点など解説
高齢者は風邪に要注意!適切な予防策を
高齢者が風邪をひくと、免疫機能や体力が低下していることから長引いたり重症化したりするリスクが高くなります。肺炎などの合併症を引き起こすと、命を脅かす事態になりかねないため、日ごろから免疫力を高める体づくりを心がけることが大切です。
うがいや手洗いで細菌やウイルスを持ち込まないことや、バランスのよい食事、適度な運動を習慣化して風邪に負けない体づくりをしましょう。
ただし、どれだけ対策していても、風邪をひいてしまうことがあるかもしれません。高齢者は風邪の症状が顕著に現れない場合が多いといわれています。そのため、いつもより活動量や食事量が少ないなど変化がみられる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
風邪をひかない対策と、風邪症状を見逃さず早めに対処することで、高齢者の健康を守りましょう。
_1.jpg)
カテゴリー|ブログ