BLOG
2025.2.10

訪問介護の費用は医療費控除が可能?対象となる条件や計算方法などを解説

訪問介護の費用は医療費控除が可能?対象となる条件や計算方法などを解説

「訪問介護サービスは医療費控除の対象となる?」
「訪問介護サービスで医療費控除を受けるための条件や手続きは?」

と疑問に思っているへ、訪問介護の医療費控除についてまとめました。

訪問介護の費用は条件を満たせば医療費控除の対象となり、確定申告で税金の還付を受けられる可能性があります。

訪問介護における医療費控除の適用条件や申請方法について詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

医療費控除とは?

医療費控除とは?

医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を通じて所得税が還付される制度です。

自分または生計を共にする家族のために支払った医療費から、保険金などで補てんされた金額を差し引いた実質的な負担額のうち、総所得金額等の5%か10万円のどちらか低い方を超えた分が控除の対象です。

介護保険制度に基づく介護サービスの自己負担額も、一定の条件下で控除の対象となります。

デイサービスの医療費控除についてはこちら↓
デイサービス費用は医療費控除の対象になる?内容や条件、申請方法などを解説

訪問介護は医療費控除できる?

訪問介護は医療費控除できる?

訪問介護は、条件を満たす場合に医療費控除の対象です。

全ての訪問介護サービスが対象となるのではなく、介護保険のケアプランに基づいて提供される一部のサービスに限定されています。

訪問介護についてはこちら↓
訪問介護とは?特徴やサービス内容やできることとできないことを解説!料金やその他のサービスも

訪問介護で医療費控除の対象になる条件

  • 要支援認定を受けている
  • 医療系サービスを受けている

訪問介護サービスで医療費控除を受けるには、上記の条件を満たす必要があります。

まず、要介護認定または要支援認定を受けている方が、介護保険法に基づくケアプランに沿ってサービスを受けていることが基本条件です。

さらに、医療系サービスと併せて訪問介護サービスを利用している必要があります。

ただし、医療系サービスと併用していない場合でも、介護福祉士等による喀痰吸引などは医療費控除を受けられます。

訪問介護で医療費控除の対象にならないケース

訪問介護のなかでも、調理、洗濯、掃除などの生活援助を中心としたサービスは医療費控除の対象外です。

訪問看護や訪問リハビリテーションなどの医療系サービスと併用しない場合も、訪問介護の費用は控除の対象外となります。

訪問介護の生活援助についてはこちら↓
訪問介護で生活援助はしてもらえる?内容や料金、時間等の条件などを解説

医療費控除額の計算方法

医療費控除額の計算方法

医療費控除額は、以下の式で計算されます。

支払った医療費-補てんされた金額-自己負担額の基準(10万円 or 総所得の5%)=医療費控除額

自己負担額の基準は、総所得の5%か10万円のうちどちらか低い方が適用されます。

控除額の上限は200万円です。

総所得が200万円以上の場合

  • その年の総所得:500万円
  • その年に支払った医療費:50万円
  • 保険金などの補てん:20万円

総所得が200万円以上の場合は、10万円を超えた分が医療費控除の対象です。上記のケースで計算してみましょう。

50万(医療費)-20万(補てん額)-10万=20万円

支払った医療費50万円のうち、保険金などで補てんされた20万円を差し引くと、30万円です。そのうちの10万円を超えた分である20万円が医療費控除の対象となります。

総所得が200万円未満の場合

  • その年の総所得:150万円
  • その年に支払った医療費:40万円
  • 保険金などの補てん:15万円

総所得が200万円未満の場合は、総所得金額の5%を超えた分が医療費控除の対象です。上記のケースで計算してみましょう。

150万(総所得)×5%=7.5万
40万(医療費)-15万(補てん額)-7.5万=17.5万円

総所得が150万円の場合は、7.5万円を超えた医療費が控除の対象です。

支払った医療費40万円のうち、保険金などで補てんされた15万円を差し引くと25万円となります。そのうちの7.5万円を超えた分である17.5万円が医療費控除の対象です。

訪問介護の医療費控除を申請する方法

訪問介護の医療費控除を申請する方法

医療費控除を申請する場合は、確定申告が必要です。初めて申請する方は、以下を参考に必要書類を準備しましょう。

医療費控除に必要なもの

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票等
  • 医療費控除の明細書
  • 医療費の領収書
  • 交通費の領収書

医療費控除の申請には、上記の書類が必要です。

医療費控除の明細書は国税庁の公式サイトからダウンロードするか、最寄りの税務署で入手できます。

また、通院に伴う交通費も控除の対象になるため、交通費の領収書も準備しておきましょう。

医療費控除の申請方法

  1. 必要書類の準備
  2. 医療費控除の明細書に必要事項を記入
  3. 確定申告書に必要事項を記入
  4. 必要書類を税務署に提出

医療費控除の申請期間は2月16日から3月15日までです。

マイナンバーカードをお持ちの方は、カードリーダーを使用して国税庁の確定申告書等作成コーナーから電子申請することもできます。

確定申告後、1か月から1か月半後に還付金が振り込まれるでしょう。

訪問介護は医療費控除を賢く活用しよう

訪問介護で医療費控除を受ける場合、医療系サービスと併せて訪問介護サービスを利用するほか、医療系サービスに準じる介護を受けていることが条件です。

総所得200万円を境に控除額の計算方法が異なり、期限内の確定申告によって税金の還付を受けられます。

医療費控除を受けると、介護における経済的な負担を軽減することが可能です。

ご自身でも申請できるため、この記事を参考に申請の準備を始めてみてください。




カテゴリー|ブログ