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2025.2.21

「高齢者は花粉症にならない」は嘘!注意すべきことや対策などを紹介

「高齢者は花粉症にならない」は嘘!注意すべきことや対策などを紹介

「高齢者でも花粉症になることはあるのかな」
「高齢者が花粉症になったら、どんなことに注意すればいいんだろう」

年齢を重ねると花粉症にならない、と誤解されることがありますが、高齢者でも花粉症になる可能性は十分にあります。花粉症は高齢者の健康にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため、日ごろからの花粉対策が必須です。

今回は、花粉症の原因や症状、高齢者が注意すべき理由、具体的な花粉対策についてご紹介します。高齢者の花粉症について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

花粉症の原因や症状

花粉症の原因や症状

花粉症は、スギ・ヒノキなどの花粉が原因で起こるアレルギー反応です。

目や鼻の粘膜に花粉が付着すると体の免疫システムが過剰に反応し、目のかゆみやくしゃみ、鼻水といったアレルギー症状を引き起こす場合があります。免疫システムとは、体内に入ってきた異物を認識して体内で広がらないように攻撃する防御機構です。

免疫システムで花粉を異物とみなした場合、アレルギー誘発物質が放出されるため、さまざまなアレルギー症状が現れます。重症化すると倦怠感や集中力の低下など、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。

原因となる花粉は2~4月に飛散し、3月がピークといわれています。本格的な花粉シーズンになる前に対策をしていきましょう。

高齢者でも花粉症になる可能性がある?

高齢者でも花粉症になる可能性がある?

花粉症は若い人がなるものだと思われがちですが、実は年齢に関係なく発症することがあります。

「年をとると花粉症にならない」と思っていると、適切な対策がとれず症状が悪化するおそれがあるため、違和感がある場合は早めに対処することが大切です。

60代以上で花粉症を発症するケースが報告されている

花粉症は年齢に関係なく発症するといわれており、60歳以上や75歳以上で発症するケースも報告されています。10年以上前と現在において診断の方法が変わったことが原因です。

以前は、65歳以上の人に花粉症のような症状が現れた場合、血管運動性鼻炎と診断されていました。現在は花粉が原因だと特定できれば花粉症と診断されています。診断方法の違いにより、昔と比べて60歳以上で花粉症を発症するケースが多くなっているように見えますが、昔から高齢になってから発症する事例は一定数あったと考えられるでしょう。

参考:シニアは花粉症にはならない…は誤解?シニアの花粉症に関するアンケート調査とアレルギー専門医に聞く今年の傾向と対策

年齢を重ねると軽症になる可能性もある

花粉症は年齢を重ねると症状が軽くなる可能性が示唆されており、軽症化を実感している人が60代以上に多いといわれています。

高齢になると免疫系が衰えて体に入ってきた花粉を「異物」として認識する力が弱まり、アレルギー反応が現れにくくなることが原因です。鼻水やくしゃみなどの症状が少なくなるため、軽症だと感じる人が増えると考えられています。

ただし、高齢者の場合、軽症でも放置すると悪化するケースがあるため、油断せずに対策を講じることが重要です。

高齢者が花粉症に注意すべきワケ

高齢者が花粉症に注意すべきワケ
  • 口呼吸になると感染症リスクが高まる
  • くしゃみや咳で怪我をする可能性がある
  • 風邪と間違って悪化するケースがある

上記に挙げたように、高齢者が花粉症になると健康や生活の質に大きな影響を与える可能性があります。

口呼吸になると感染症リスクが高まる

花粉症で鼻がつまると、口呼吸になりやすくなります。口呼吸は鼻呼吸に比べて感染症リスクが高いため、注意が必要です。

鼻呼吸の場合、鼻の粘膜や鼻毛がフィルターの役割を果たし、ウイルスや細菌をブロックするうえ、加温・加湿された空気が肺に送られます。しかし、口呼吸ではウイルスや細菌が排除されていない冷たい空気が直接肺に送られるため、口呼吸は感染リスクが高まるでしょう。

また、口呼吸すると口内が乾燥し、虫歯や歯肉炎などのトラブルを引き起こす原因にもなります。さまざまなトラブルを引き起こすため、花粉症による鼻詰まりは早めに対処することが重要です。

くしゃみや咳で怪我をする可能性がある

高齢者は若い人に比べて骨が弱くなっており、花粉症によるくしゃみや咳が原因で骨折したり転倒したりする可能性があります。少しの衝撃でも高齢者にとっては思わぬ怪我につながることがあり、寝たきりになるケースも少なくありません。

そのため、日ごろから花粉症対策を徹底する・丈夫な体づくりを意識するようにしましょう。

風邪と間違って悪化するケースがある

花粉症は症状が風邪と似ている場合があります。市販の風邪薬は花粉症に効果が期待できないこともあるため、風邪と勘違いしてしまうと対処が遅れてしまうことがあるでしょう。

正しい対処ができないまま症状が悪化すると、肺炎を引き起こすなど健康リスクが高まってしまいます。風邪と花粉症では根本的な原因が異なるため、自己判断せずに医療機関を受診し、正しい治療を受けましょう。

高齢者の花粉症対策

高齢者の花粉症対策
  • マスクやゴーグルの着用
  • 睡眠を8時間とる
  • 適度な運動
  • バランスのいい食事

上記は、高齢者が行うべき花粉症対策です。高齢者は免疫力の低下や持病を抱えている人が多いため、花粉症対策は徹底的に行う必要があります。

マスクやゴーグルの着用

完全に花粉の付着を防げるわけではありませんが、マスクやゴーグルを着用すると花粉が鼻や目の粘膜に付着するのを物理的に防げます

マスクはこまめに変えること、ゴーグルはこまめに水洗いすることがポイントです。使い捨てのマスクなどを用意しておき、定期的に取り替えましょう。鼻や顎の周りに隙間があると花粉が入ってきてしまうため、顔のサイズに合ったマスクやゴーグルを隙間なく装着してください。

また、花粉を家の中に入れないために、外出先から帰宅したら、服に付着した花粉を払ってから家に入りましょう。ウール素材のセーターやマフラーは特に花粉が付きやすいため、花粉が飛ぶ季節には要注意です。

睡眠を8時間とる

睡眠不足は免疫機能を低下させるため、睡眠時間を8時間は確保しましょう。高齢者は若い人に比べて免疫機能が低下している場合が多いため、特に質の良い睡眠をとることが求められます。

寝室は加湿器などで湿度40~60%になるようにすると鼻や喉の乾燥防止になり、花粉症の悪化を防げたり感染症予防になったりするでしょう。

高齢者の睡眠について詳しくはこちら↓
高齢者の「眠れない」はなぜ?原因や改善方法を紹介!すぐ取り入れられる不眠対策も

適度な運動

ヨガなどの有酸素運動は、花粉症対策に効果的でしょう。有酸素運動には、交感神経と副交感神経の両方をバランスよく高める作用があります。

花粉症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れることでも発症するため、花粉症対策には筋トレよりも有酸素運動が特におすすめです。また、適度な運動はストレス発散も期待できます。ヨガやウォーキング、ストレッチなど続けやすい運動を習慣化しましょう。

バランスのいい食事

おすすめの栄養素含有食材
乳酸菌ヨーグルト
DHA・EPAサバ、サンマ、イワシ、マグロ

花粉症対策として、バランスのいい食事を心がけることは大切です。食事だけで花粉症を防げるわけではありませんが、主食・主菜・副菜が整った食事は十分なビタミンやミネラル類を摂取できるため、免疫力向上に役立ちます

特に、腸内環境を整えるのがポイントです。人の免疫機能の約7割が、腸に集まっているといわれています。腸内環境を整えると正常な免疫機能を維持でき、アレルギー反応を抑えられる可能性があるのです。

腸内環境を整えられる食材として「乳酸菌」を含むヨーグルトが挙げられます。乳酸菌は腸内を酸性に保つことで悪玉菌の増殖を防ぎ、腸内環境を整える働きがあるため、毎日の食事に取り入れてみてください。

そのほかにも「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」などの栄養成分が花粉症対策におすすめです。DHAやEPAには、アレルギー症状を引き起こす物質の働きを抑える作用があります。DHAやEPAはサバやサンマ、イワシ、マグロなどの青魚に多く含まれているため、花粉症の季節には積極的に取り入れましょう。

ただし、DHAやEPAは加熱に弱く、揚げたり炒めたりして加熱しすぎると流失してしまい、効率よく摂取できません。刺し身やホイル蒸し、煮汁ごと摂取できる味噌煮やスープにして食べましょう。

高齢者でも花粉症対策は必要!効果的な対策を

高齢者は花粉症にならないと考えている方もいますが、60代以上でも花粉症になるケースが報告されています。高齢者が花粉症になると、口呼吸から感染リスクが上がったりくしゃみや咳で怪我をしたりなど、若い人に比べて生活に影響を及ぼす可能性が高いため、適切な予防策が必要です。

マスクやゴーグルの着用、睡眠時間の確保、食事や運動など、生活習慣を見直すことで対策できます。「高齢だから大丈夫」ではなく「高齢者だからこそ適切な対策を」という意識を持ち、毎日の生活でできる対策を積極的に取り入れ、花粉の季節も快適に過ごしましょう。




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