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2024.4.23

お泊りデイサービスとは?費用やショートステイとの違いなど解説。

お泊りデイサービスとは?費用やショートステイとの違いなど解説。

「お泊りデイサービスって何?」
「お泊りデイサービスはどうやって利用するのかな?」

と、お泊りデイサービスが気になる方のために、情報をまとめました。サービスの目的や内容を知っていれば、安心して利用できるでしょう。

費用や利用方法についても分かりやすくまとめているため、ぜひ参考にしてください。

お泊りデイサービスとは?

お泊りデイサービスとは?

お泊りデイサービスは、介護を必要とする高齢者が、日中のデイサービスを利用した後、そのまま施設に泊まり込めるサービスです。

お泊りデイサービスの目的やサービス内容、運営基準について、詳しく見ていきましょう。

目的

お泊りデイサービスは、「介護者の負担軽減」や「利用者のリフレッシュ」などを目的にサービスが展開されています。

要介護高齢者の介護者が、一時的に介護から解放されることで、身体的・精神的に休息が取れるでしょう。出張などで夜間の介護が難しいなどの場合も、お泊りデイサービスを活用すれば要介護高齢者の安全が確保できます。

また、お泊りデイサービスでは、施設内で家族以外の人と長い時間交流したりレクリエーションを楽しんだりと、利用者の社会参加を促すことが可能です。特に一人暮らしの高齢者の場合、孤独感が軽減し、心身の健康維持にもつながるでしょう。

デイサービスについて詳しく知りたい方はこちら↓
デイサービス(通所介護)とは?サービス内容や費用、どんな人が対象かをわかりやすく解説

サービス内容

  • 食事の提供
  • 着替え・トイレ・入浴など基本的な生活の介助
  • 就寝・起床時の支援

お泊りデイサービスで提供されるのは「食事の提供」「着替えやトイレなど基本的な生活の介助」「就寝・起床時の支援」などのサービスです。

食事は、一般的に利用日当日の夕食・翌日の朝食の2食を提供している施設が多く、利用者一人ひとりに合わせた内容・形態の食事が出されます。食事の費用は1食500円前後で、お泊りデイサービス利用料には含まれておらず、別途支払う必要があります。

着替えやトイレの介助などは日中のデイサービス同様に提供され、施設によっては夜間の入浴に対応しているところもあります。

また、お泊りデイサービスでは、歯磨き・着替えなどの就寝・起床のサポートも受けられます。注意したいのが、お泊りデイサービスは短期間の利用を想定しており、長期滞在することができない点です。

厚生労働省の指針に明確な上限日数は定められていませんが、最大30日前後としている自治体が多いでしょう。利用前にお住まいの自治体が定めている上限日数の確認をしておくと安心です。

お泊りデイサービス運営基準

人員
  • 介護職員または看護師を1人以上常駐
  • 利用定員は最大9人(日中利用者の半分以下)
設備
  • 個室は基本1名で利用(2名も可)
  • 相部屋は最大4名
  • 宿泊室の床面積は7.43㎡/部屋
  • 相部屋の場合はパーテーション等で区切る
安全基準
  • 防災設備設置
  • 防火設備設置

お泊りデイサービスの運営は、厚生労働省で定められた「人員基準」「設備基準」「安全基準」という3つの基準を満たす必要があります

お泊りデイサービスは介護保険外のサービスであることから、以前まで人員や宿泊場所などの基準が定められておらず、問題視されてきました。そこで2015年、厚生労働省によりお泊りデイサービスの運営についてガイドラインが策定され、利用者が安心して過ごせる環境作りが進められています。

人員については、宿泊時間帯に介護職員または看護師を1人以上常駐させる必要があります。また、利用定員は日中のデイサービス利用者の半分以下で、最大9人までと定められています。

設備については、個室は1名での利用が基本ですが2名でも可能とされており、相部屋は最大4名と決められています。宿泊室の床面積は1部屋あたり7.43平方メートル以上とされていて、相部屋として使う場合はパーティションなどで区切らなければなりません。設備面を整え、利用者のプライバシーや安全が確保できるようになっています。

安全基準としては、災害時対応として保存食や飲料水などの備蓄品や、消火器、火災報知器などの設備を設置する必要があります。緊急時でも利用者の安全を確保できるような体制を作ることが重要です。

お泊りデイサービスとショートステイの違い

お泊りデイサービスショートステイ
介護保険不可
宿泊部屋相部屋が多い個室
予約取りやすい混雑する傾向にある

お泊りデイサービスとショートステイは、「介護保険が使えるか使えないか」「宿泊専用の施設かどうか」という2つの点が大きな違いです。

お泊りデイサービスは介護保険外であるため費用は全額負担しなければなりませんが、ショートステイは介護保険が適用されます。そのため、ショートステイの場合、基本料金については1~3割ほどが自己負担額となります。ただし、食事については保険適用外です。

また、宿泊する部屋についても大きな違いがあります。お泊りデイサービスは宿泊を前提にした施設ではなく、個室に限りがあるため、相部屋になるケースが多くみられます。

一方で、ショートステイは介護療養型医療施設や特別養護老人ホームなどの宿泊専用の施設を利用するため、個室が多く用意されているのが特徴です。お泊りデイサービスに比べて、プライバシーを確保しやすいでしょう。

細かい部分の違いとしては、施設の数自体が少ないショートステイは予約が取りにくく、お泊りデイサービスは日中の利用者のみが予約できるということもあって比較的予約が取りやすい傾向にあるという部分があげられます。

お泊りデイサービスの費用│介護保険は使える?

お泊りデイサービスの費用│介護保険は使える?

お泊りデイサービスは介護保険が適用されないため、全額自己負担です。利用料金は、部屋の種類や要介護度、利用する施設によって異なりますが、相場は1泊3,000~5,000円ほどだといわれています。

加えて、おむつなどの日用品にかかる費用や食費などが別途加算されます。連泊する場合は、洗濯代なども必要になるため、費用は高くなるでしょう。

生活保護受給者も利用可能ですが、介護保険外サービスであるため、全額自己負担となることに注意が必要です。

介護保険について詳しく知りたい方はこちら↓
介護保険とは?目的や受けられるサービス・制度のしくみ等をわかりやすく解説!

お泊りデイサービスでは訪問サービスが利用できない

お泊りデイサービスでは訪問サービスが利用できない

お泊りデイサービスを利用している間は、訪問看護や訪問診療のサービスを受けることはできません。お泊りデイサービスは、一時的な滞在場所という位置付けであり、「居宅」ではないため、訪問看護・訪問診療のサービス対象外となります。

また、お泊りデイサービスは基本的に短期間の利用を想定しており、医療処置もできないことから、原則看取りには対応していません。

お泊りデイサービスの利用方法

お泊りデイサービスの利用方法
  1. 要介護認定の申請・認定
  2. お泊りデイサービス提供施設を探す
  3. 利用申し込み
  4. お泊りを利用したい日を予約

お泊りデイサービスを利用するためには、まずは要介護認定を受けましょう。申請から認定まで、約1か月ほどかかります。

認定の通知が来たら、担当ケアマネジャーか地域包括支援センターに連絡をして、お泊りデイサービス提供施設を紹介してもらいましょう。利用者の希望や状態などを事前に伝えておけば、希望に合う施設を探してもらえるはずです。お泊りデイサービスは保険適用外のサービスであるため、ケアプランに記載する必要はありません。

利用者の希望に合う施設が決まれば、利用申込をして事業者と契約を行いましょう。手続きが完了したら、希望日を予約して、サービスの利用が開始できます。

お泊りデイサービスは、利用者が慣れるまでは日中のみの利用が望ましいでしょう。利用者にとってリフレッシュになるはずのお泊りデイサービスが、慣れていないと苦痛なイベントになってしまうおそれがあります。施設の雰囲気やスタッフに慣れたら、宿泊を開始することをおすすめします。

要介護認定について詳しく知りたい方はこちら↓
【要介護認定のメリット・デメリット】要介護認定で受けられる公的サービスや特徴を解説

お泊りデイサービスで、要介護高齢者も介護者も健やかな毎日を!

お泊りデイサービスは、介護を必要とする人が、日中のデイサービスを利用した後、そのまま施設に泊まり込める制度です。

介護保険外サービスであるため、費用は全額負担しなければなりませんが、要介護高齢者は社会参加が促され、リフレッシュできるでしょう。また、介護者は一時的に介護から離れることができ、気分転換を図れます。

お泊りデイサービスは原則短期間の利用しかできませんが、希望に合う施設を見つけて利用すれば、要介護高齢者・介護者共に健やかな毎日を過ごせるでしょう。




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