【管理栄養士監修】高齢者の低栄養を予防するための食事レシピ

「高齢者の低栄養を予防するには、どんな食事を心がけたらいいのかな?」
「高齢者の低栄養を予防できる食事レシピを知りたい」
と疑問のある方のために、高齢者の低栄養を予防するためのレシピを紹介いたします。
毎日の食事を工夫して栄養状態を良好に保つことができれば、フレイルや寝たきりの状態になるリスクを下げられ、健やかな毎日を送れるでしょう。
低栄養を防ぐ食事のポイントにもふれているため、ぜひ参考にしてください。
高齢者の低栄養を予防する食事のポイント

- バランスのよい食事
- 1日3食+間食
- さまざまな食材を摂る
低栄養を予防するために、食事面では上記の3つがポイントとなります。一つずつ、詳しく見ていきましょう。
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バランスの良い食事
ご飯やパンなどの主食、肉や魚、大豆製品などの主菜、野菜や海藻類などの副菜がそろったバランスの良い食事を心がけましょう。
好きな食べ物だけを食べたり、カップラーメンや菓子パンなど炭水化物に偏った食品だけで食事を済ませたりするのはNGです。摂取できる栄養が偏ってしまうため、体が必要とする栄養素が十分に摂れず、低栄養を引き起こす可能性があります。
主食・主菜・副菜がそろった食事を意識するだけで、エネルギーやタンパク質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂ることができます。
1日3食+間食
1日3回の食事と、間食を意識しましょう。
高齢になると1回の食事でたくさん食べるのが難しくなったり、食欲がわきにくくなったりすることがあります。そのため、必要な栄養素を十分に摂取できず、知らずしらずのうちに低栄養になっているケースが少なくありません。
体に必要な栄養素を無理なく補給するために、朝・昼・夕の3回、規則正しく食事をしましょう。3食食べると生活リズムが整って活動量の増加につながり、食欲の向上も期待できます。
また、間食を取り入れるのも良いでしょう。食事だけでは摂りきれない栄養素を補えるメリットがあります。間食には、小さなおにぎりやパン、ゆで卵、カステラ、バナナ、ヨーグルトなどの食品がおすすめです。
さまざまな食材を摂る
多種多様な食品を、まんべんなく摂取しましょう。限られた食材だけで食事を続けていると必要な栄養素が不足し、低栄養のリスクが高まってしまいます。
主食のほかに、魚介類、肉類、乳類、野菜類、種実類、きのこ類、いも類、海藻類、卵類、豆類、果実類など、さまざまな食品グループの食材をできるだけ多く食事に取り入れるのがポイントです。
高齢者の低栄養予防レシピ
高齢者の低栄養予防に役立つ食事レシピを7つご紹介します。手軽に購入できる食品で簡単に作れるため、ぜひ試してみてください。
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枝豆入り高タンパク三色丼

(材料・1人分)
- ご飯 200g
- ツナ缶 1缶(70g)
- ★醤油 大さじ1
- ★みりん 小さじ1
- ★砂糖 小さじ1
- 卵 1個
- ■砂糖 小さじ1
- ■醤油 小さじ½
- 冷凍枝豆 50g(さやなしで約20g)
(作り方)
- フライパンに油をひいて、ツナ缶を汁ごと入れて炒める。★印の調味料を加え、汁気が減ってくるまでさらに炒める。
- 炒めたツナを汁ごと皿にとっておく。ボウルに卵と■印の調味料を加えて混ぜ合わせ、フライパンで炒めてたまごそぼろを作る。
- 冷凍枝豆は流水で解凍し、実をさやから出しておく。
- 丼ぶりにご飯をよそい、ツナ・ツナの汁・卵・枝豆を盛り付けたら完成。
炭水化物が豊富なご飯、タンパク質が多いツナ・卵、タンパク質と食物繊維が多い枝豆などの食品を一度に取り入れられます。バランス良く栄養素を摂取できるため、低栄養防止に効果が期待できるでしょう。
タンパク質たっぷり冷や汁そうめん

(材料・2人分)
- そうめん(乾) 200g
- 木綿豆腐 1/2丁
- きゅうり 1本
- かまぼこ 10g
- ★水 1カップ
- ★みそ 大さじ2
- ★めんつゆ 大さじ3
- ★和風顆粒だし 小さじ1
- ★白すりごま 大さじ1
(作り方)
- きゅうりは薄く輪切りにして、塩もみしておく。豆腐は2~3cm角にちぎり、かまぼこは薄く切っておく。
- ボウルに★印の調味料を入れて混ぜ合わせる。1のきゅうり・豆腐を加えてさらに混ぜ合わせる。
- 鍋でそうめんを茹でて流水で冷やし、水気をよく切ったあと皿に盛り付ける。
- 3に2をかけ、かまぼこをトッピングしたら完成。
炭水化物が多いそうめんとタンパク質が豊富な木綿豆腐・かまぼこ、野菜類であるきゅうりを一度に、そして手軽に摂取できるため、低栄養を予防できるでしょう。さっぱりした仕上がりで、食欲が落ちやすい夏にもおすすめです。
マカロニツナサラダ

(材料・2人分)
- マカロニ 40g
- きゅうり 1/2本
- ハム 2枚
- ツナ缶 1缶(70g)
- オリーブオイル 小さじ1
- ★マヨネーズ 大さじ1
- ★レモン汁(あれば) 小さじ1/2
- ★塩・こしょう 少々
(作り方)
- きゅうりは薄くスライスし、塩もみする。ツナ缶は缶を開けて汁気をきっておく。ハムは食べやすい大きさに切る。
- マカロニはパッケージに記載がある通りの時間、茹でる。茹で終えたらオリーブオイルを回しかけて、冷ます。
- ボウルに1.と2.と★印の調味料を加えて混ぜ合わせたら、完成。
炭水化物が多いマカロニとタンパク質が豊富なツナ・ハム、野菜類であるきゅうりを摂取でき、バランス良くさまざまな栄養素を一度に摂取できます。ゆで卵をつぶして加えると、さらにタンパク質量を増加させることが可能です。
きのこたっぷりクリームパスタ

(材料・2人分)
- スパゲッティ(乾) 160g
- しめじ 1パック
- エリンギ 1パック(2~3本)
- まいたけ 1パック
- ハム4枚
- ★牛乳 160ml
- バター 10g
- 小麦粉 15g
- にんにく(チューブ) 2~3cm
- ★顆粒コンソメ 小さじ2
- 塩・こしょう 少々(味付けが足りなければ、昆布茶を小さじ1〜2加える)
(作り方)
- しめじは小房に分けて、エリンギは縦半分・横半分の長さで薄切りにする。まいたけは食べやすい大きさにほぐす。ハムは食べやすい大きさに切る。
- スパゲッティはパッケージに記載の分数、茹でる。
- フライパンにバターを熱してにんにくを加え、1のきのこ類とハムを炒める。きのこ類に火が通ったら小麦粉を全体にふりかけて粉っぽさがなくなるまで炒める。
- ★印を加えてとろみが付いてきたら火を止めて、スパゲッティを加える。塩・こしょうで味を整えたら完成。
炭水化物が多いスパゲッティと食物繊維が豊富なきのこ類、タンパク質が多いハム・牛乳を摂取できます。クリームパスタにするとカロリーアップしやすく、低栄養防止に効果が期待できるでしょう。
しらすチーズトースト

(材料・1人分)
- 食パン 1枚
- 生しらす 30g
- とろけるチーズ 1枚
- マヨネーズ 大さじ1
- コーン缶 大さじ2
- ブロッコリー 4房(約20g)
- ミニトマト 3個
- 粗挽きこしょう 少々
(作り方)
- ブロッコリーは2~3分茹でる。ミニトマトは半分にカットする。
- 食パンにマヨネーズを塗り、コーン缶、生しらす、ブロッコリー、ミニトマト、とろけるチーズの順にのせて、トースターで焼く(目安:1200Wで3~4分)。
- 粗挽きこしょうを振りかけて、完成。
炭水化物が多い食パンとタンパク質が豊富な生しらす、食物繊維が多いコーン・ブロッコリー・ミニトマトを一度に取り入れられるレシピです。主食・主菜・副菜となるものが一度に摂取できるため、低栄養防止に役立ちます。
サバ缶入りグラタン

(材料・1人分)
- サバ味噌煮缶 1缶(固形量140g、内容総量190g)
- しめじ 1/2パック
- ほうれん草 40g
- バター 15g
- 小麦粉 15g
- 牛乳 100ml
- とろけるチーズ 2枚
- 粗挽きこしょう 少々
(作り方)
- しめじは石づきを取ってほぐす。ほうれん草は洗って30~40秒ほど茹で、3~4cm幅にカットする。
- フライパンを熱してバターを入れ、しめじ、ほうれん草を炒める。しんなりしてきたら小麦粉を加えて粉っぽさがなくなるまで炒める。
- 牛乳を少しずつ加えて、とろみが出てくるまで炒め、塩・こしょう(分量外:ひとつまみ程度)で味を整える。
- 耐熱容器にサバ缶をほぐして入れる。
- 4.に3.を入れて1枚ずつチーズをのせ、トースターでチーズに焼き色がつくまで加熱する(目安:1200Wで5~6分程度)
- 粗挽きこしょうを振りかけて、完成。
サバのタンパク質やカルシウム、しめじやほうれん草の食物繊維などの栄養素を手軽に摂取でき、エネルギーもしっかり補えるため、低栄養防止に役立ちます。
エビ入りガパオライス

(材料・2〜3人分)
- むきエビ 150g
- 鶏ミンチ 300g
- ピーマン 中1個
- 赤パプリカ 1/2個
- 黄パプリカ 1/2個
- 玉ねぎ 1/2玉
- ★オイスターソース 大さじ1
- ★中濃ソース 大さじ2
- ★砂糖 小さじ2
- ★鶏ガラスープの素 小さじ1
- ★醤油 小さじ1/2
- にんにくチューブ 2~3cm
- 卵 2個
(作り方)
- ピーマン、パプリカ、玉ねぎは1~2cm角に切る。
- フライパンに油(分量外:大さじ1/2)をしいて加熱し、にんにくを加え、鶏ミンチを炒める。肉の色が変わってきたら、1の野菜類を加えて炒める。
- 野菜類に火が通ってきたら、むきエビを加えて炒める。
- 野菜類やエビから出た水分をキッチンペーパーで拭き取ってから★印の調味料を加え、水分をとばすように炒める。
- 別のフライパンで目玉焼きを2個作る。
- 器にご飯(分量外:お好みの量)を盛り、炒めた具材、目玉焼きの順にのせたら完成。
高タンパクなむきエビや卵に加え、さまざまな種類の野菜を使うことでビタミンやミネラル類も補えます。バランスよく栄養素を摂取できるため、低栄養防止に効果が期待できるでしょう。
少しの工夫で美味しく無理なく低栄養を予防しよう
高齢者の低栄養予防のポイントは、主菜・主食・副菜がそろったバランスのよい食事をすること、1日3食に間食をプラスすること、さまざまな食材を食事に取り入れることです。
高齢になると食が細くなり、気付かないうちに低栄養に陥ることがあります。しかし、工夫次第で毎日の食事から体に必要な栄養素をしっかり摂取できれば、低栄養を予防することができるでしょう。
元気で健康に生活するために、今回ご紹介したレシピをぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。
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PROFILE

管理栄養士
今井尚美
(Imai Naomi)
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