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2024.4.17

認知症介護基礎研修とは?2024年4月から義務化!内容や受講・申込方法など紹介

認知症介護基礎研修とは?2024年4月から義務化!内容や受講・申込方法など紹介

「認知症介護基礎研修って何?」
「認知症介護基礎研修を受講するメリット・デメリットが知りたいな」

認知症介護基礎研修とは2024年4月から義務化された研修で、今後は研修を受けていなければ介護の仕事に就けなくなる場合があります。

今回は、認知症介護基礎研修の目的や内容、申込方法、メリット・デメリットなどを分かりやすく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

認知症介護基礎研修とは?

認知症介護基礎研修とは?

認知症介護基礎研修とは、認知症の人に対する介護技術などを学べる新人介護職員向けの研修です。2024年4月に完全義務化されたため、無資格で介護職につく場合は必ず認知症介護基礎研修を受けなければなりません。

まずは認知症介護基礎研修の目的・対象者・受講方法などをくわしく見ていきましょう。

認知症介護基礎研修の目的・内容

認知症介護基礎研修とは、認知症の高齢者に適切な介護を提供するのに必要な基本的知識・スキル・考え方を身に付けるための介護研修プログラムです。

認知症は、記憶障害や判断力の低下、言語障害などさまざまな症状が現れる疾患であり、介護の現場で適切に対応するためには認知症に関する知識・スキルが必要とされます。

認知症介護基礎研修では、認知症の定義から基礎知識・ケアに必要なスキルまでさまざまなことを学べます。全5章で構成され、各章の最後に確認テストを行って学習を進めていくスタイルです。すべて学習が終了したら、最後に修了証書が発行されます。

認知症に関する基本的な知識・スキルを網羅的に学べるため、認知症介護の現場において適切なサービスの提供が可能となります。

認知症介護基礎研修の対象者

  • 無資格で介護職に就こうとしている人
  • 現在無資格の介護職員
  • 民間資格しか保有していない介護職員

認知症介護基礎研修の対象者は、無資格や未経験から介護の仕事を始める人です。医療・福祉の国家資格がある人や、認知症介護実践者研修・介護職員初任者研修・認知症実践リーダー研修などの研修を受けた人は、認知症ケアにおける知識・スキルを有しているため受講が免除されます。

ただし、認知症ケア指導管理士・認知症サポーター養成講座などの民間資格は免除の対象にはなりません。

認知症介護基礎研修の受講方法

eラーニング集合型研修
  1. 認知症介護基礎研修eラーニング受講サイトにアクセス
  2. 受講者登録(ユーザーID発行)
  3. 受講料の支払い
  4. 受講開始
  1. 各自治体のサイトで研修実施機関を調べる
  2. 研修実施機関のサイトから受講申込
  3. 受講料支払い
  4. 受講開始

研修の受講方法は、自治体によって異なり、ほとんどがeラーニングですが、web環境が整わない人のために集合型研修を実施している自治体もあります。

eラーニングでの受講方法も自治体によって異なりますが、主な方法は上記表の手順です。該当サイトにアクセスし、必要事項を入力して受講者登録をしましょう。

受講者登録には、事業所コードと事業所名が必要なため、働いている事業所の代表者から事前に受け取っておきましょう。登録完了後、ユーザーIDが発行されます。その後、受験料をコンビニ決済などで支払います。支払いが完了すると「受講開始のお知らせ」がメールで届くため、手順に従って受講を開始しましょう。

集合型研修で受ける場合は、自治体のサイトから研修実施機関を調べ、研修実施機関のサイトに掲載されている案内に従いましょう。

認知症介護基礎研修の所要時間・費用

eラーニングで受講する場合、150分間の受講時間に加えてそれぞれの章に対する確認テストの解答時間が必要です。集合型研修の場合は、講義3時間と演習3時間の合計6時間が必要であり、1日あれば研修を修了できます。

費用は各自治体や受講方法によって異なりますが、相場は1人あたり3,000円ほどです。あらかじめ働かれている事業所が所在している自治体に確認しておきましょう。

認知症介護基礎研修のメリット

認知症介護基礎研修のメリット
  • 認知症の基本的知識や対応方法が身に付く
  • 有資格者として介護職につける
  • キャリアアップにつながりやすい

認知症介護基礎研修を受講すると、認知症の基本的な知識や対応方法を習得できたり有資格者として仕事ができたりと、さまざまなメリットがあります。研修を受講するメリットを3つ、具体的に解説します。

認知症の基本的知識や対応知識が身に付く

認知症介護基礎研修では、認知症の基本的な知識やスキル、考え方を学べます。

介護の現場では認知症の人と関わる機会が多いため、正しい知識・スキルを習得できれば、認知症の人に寄り添った質の高いサービスを提供できるでしょう。

また、正しく介護することで介護者の負担が減ったり、トラブルを回避できたりするのもメリットです。

有資格者として介護職につける

認知症介護基礎研修を修了すれば、資格を1つ保有できることになります。

資格を保有していることで介護スタッフとして自信を持って仕事ができ、利用者やその家族から高い信頼を得られるでしょう。

また、事業所によっては資格手当が設定されているため、収入を上げられる可能性があるのも大きなメリットの1つです。

キャリアアップにつながりやすい

認知症介護基礎研修は、認知症介護実践者研修や認知症介護実践リーダーなどの受講資格になっています。無資格で介護の仕事に携わる場合、認知症介護基礎研修で基本的な知識・スキルを習得してから、上位資格である認知症実践者研修や認知症実践リーダー研修などに進むことができます。

認知症介護実践者研修は、受講するために現場経験が2年以上必要であり、現場で演習やグループディスカッションを行って認知症への理解を深めるという資格です。認知症実践リーダーは経験年数5年以上の人が対象で、認知症の最新知識・スキルを学習するなど上級者向けの内容になっています。

認知症介護基礎研修を修了していれば上位資格を目指せるため、キャリアアップにつながるでしょう。上位資格を所有できれば、昇給・昇格にも有利になります。

認知症介護基礎研修のデメリット

認知症介護基礎研修のデメリット
  • 費用・時間がかかる
  • 介護職のハードルが高くなる

費用・時間がかかる

認知症介護基礎研修を受講するには、少なからず費用と時間が必要です。自宅から離れた場所で研修を受ける場合、受講費用に加えて交通費がかかります。

また、長期間の研修ではないとはいえ、研修を受ける際は仕事やプライベートを圧迫する可能性もあります。

介護職のハードルが高くなる

介護職の魅力として、無資格・未経験でも就業できたというのがあります。

しかし、認知症介護基礎研修の受講が義務化されると、介護職のハードルが高くなる可能性があります。その結果、介護職を目指す人や働く人が減ってしまうおそれがあります。

人材が減れば介護業界は人手不足になり、サービスの質が低下するなどの問題も出てくるでしょう。

認知症介護基礎研修が免除される条件

介護系の資格・介護福祉士
・実務者研修修了者
・介護職員初任者研修修了者
・生活援助従事者研修修了者
・介護職員基礎研修課程修了者
・訪問介護員養成研修(一級・二級)修了者
・認知症介護実践者研修修了者
・認知症介護実践リーダー研修修了者
・養成施設で認知症の科目を受講した人や福祉系高校の卒業生(認知症の科目を履修していることを証明できる書類が必要)
【リハビリ系の資格】
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・あん摩マッサージ師
・はり師
・きゅう師
相談業務・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護支援専門員
医療系の資格・医師
・歯科医師
・薬剤師
・看護師
・准看護師
その他の資格・管理栄養士
・栄養士

医療・福祉の国家資格を所有している人や、認知症ケアにおける知識・スキルを保有している人は、認知症介護基礎研修の受講が免除されます。

また、2024年4月以降に新入社員として採用された場合、1年間の猶予期間が設けられているため、採用時に無資格でも介護の仕事に就くことは可能です。

ただし、期間を過ぎてしまうと、事業者が行政処分の対象になるため、採用後はできるだけ早く研修を受講しましょう。

りふりは「認知症介護基礎研修」の資格支援あり

りふりは「認知症介護基礎研修」の資格支援あり

「生活リハビリデイサービスりふり」は、無資格の従業員に対して認知症介護基礎研修の資格支援を行っています。

研修の費用を負担し、研修のためにシフト調整を行うなど、サポート体制が整っている施設です。

その他、キャリアアップやワークライフバランスの調整など、従業員の人生を応援する環境を整えています。

介護基礎研修を受講して、質の良い介護サービスの提供を

認知症介護基礎研修とは、認知症の人に対する介護技術などを学べる資格を持っていない介護職員向けの研修で、2024年4月から完全義務化されています。

医療・福祉に関する国家資格や、認知症ケアの専門的な知識・スキルを所有していない場合、受講しないと介護の仕事に携わることができなくなります。

認知症介護基礎研修を受講することで、今後増加が見込まれる認知症患者とその家族に適切で質の高いサービスを提供でき、良好な信頼関係を築けるでしょう。

これから介護職を目指す人も現在介護現場で働いている人も、余裕を持って研修を受講してください。




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