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2023.10.19

仕事と介護は両立可能?無理?押さえるべきポイントや支援・20代30代で備えられること

仕事と介護は両立可能?無理?押さえるべきポイントや支援・20代30代で備えられること

「仕事と介護の両立はできる?」
「もし親が要介護になったら、仕事をやめないといけないのかな?」

と、仕事と介護の両立ができるのか気になっている方のために、情報をまとめました。

両立させるために利用できる支援や、20代・30代から備えられることについてもご紹介しています。

仕事と介護の両立において押さえるべきポイントを知っていれば、親の介護が始まっても焦らなくて済むでしょう。

わかりやすく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

仕事と介護の両立はきつい?できないと思ってしまう理由

仕事と介護の両立はきつい?できないと思ってしまう理由
  • 介護は終わりが見えない
  • 会社に休みを言いづらい
  • 理解してくれる家族がいない
  • 介護と仕事の時間配分がうまくできない

上記は、仕事と介護の両立ができないと思ってしまう理由をまとめたものです。

仕事と介護の両立は、想像するだけで大変なイメージがあるでしょう。実際、両立するのは大変なことですが、法律や制度を利用すれば、うまく両立できる場合もあります

どちらかをあきらめてしまうのではなく、どうすれば両立できるのか考えていきましょう。

仕事と介護の両立について知っておきたいこと

仕事と介護の両立について知っておきたいこと
  • 育児・介護休業法
  • 介護保険について
  • 介護についての相談先「ケアマネジャー」

仕事と介護を両立させるためには、まずは利用できる法律や制度を知ることが大切です。利用できる法律や制度があるのに、その情報を知らずに離職してしまっては勿体ないでしょう。

この章では、仕事と介護の両立をサポートするための法律や制度、介護についての相談先について紹介します。

育児・介護休業法

育児・介護休業法は、育児や介護に関わる措置を定めている法律です。育児・介護に携わる労働者が、仕事と育児や介護を両立できるように支援することを目的として公布されました。

介護のための休業や時短勤務・休暇・給付金等が定められています

仕事と介護を両立させるための環境を整え、より負担を軽減した状態で生活できるでしょう。

介護保険について

親の介護が必要になったら、介護保険制度を利用しましょう。

日本では40歳になると、被保険者として介護保険の介入が義務付けられています。1号被保険者は65歳以上、2号保険者は40~64歳の医療保険加入者となっており、1号保険者は要支援・要介護状態になった場合に介護保険サービスが利用できます。

一方、2号保険者でも国が定めた特定疾病によって要支援・要介護状態になった場合にはサービスの利用が可能です。

公的介護保険を申請すれば、介護保険被保険者証が交付され、介護サービスを自己負担1~3割で利用できます。また、ホームヘルパーなど専門のスタッフに介護をサポートしてもらえる介護保険サービスもあるため、介護の負担を減らせるでしょう。

サービスを利用するには、まずは介護認定を受ける必要があります。お住まいの自治体に問い合わせてください。

介護保険について詳しくはこちら↓
介護保険とは?目的や受けられるサービス・制度のしくみ等をわかりやすく解説!

介護についての相談先「ケアマネジャー」

ケアマネジャーは、仕事と介護の両立を目指す方の強い味方になってくれるでしょう。介護が必要になったとき、ケアマネジャーは家族の希望などを聞き取ってケアプランを作成してくれます

家族の勤務スタイルも伝えておけば、ケアプラン作成時に考慮してもらえるでしょう。

また、介護サービスの利用を開始した後も、ケアマネジャーはサービスが適切に行われているか確認するために、月1回は自宅を訪問してくれます。困ったことがあれば、ケアマネジャーに相談しましょう。

仕事と介護を両立するための支援

仕事と介護を両立するための支援
  • 介護休暇
  • 介護休業制度
  • 介護休業給付金
  • 介護保険サービス
  • 介護保険外サービス

仕事と介護を両立させるために、上記のような国の支援があります。この章では、それぞれの支援について具体的に解説します。

介護休暇

介護休暇は、仕事をしている方が、要介護状態の家族の世話をする必要があるときに使える休暇で、介護休業法によって定められています

対象家族が1人の場合は年5日、2人の場合は年10日まで、有給休暇とは別に取得できます。1日または時間単位で取得できるため、ケアマネジャーとの打ち合わせや通院の付き添い、介護サービスの手続き代行などに利用すると良いでしょう。

有給・無給については規定がなく、勤務先によって異なります。しかし、多くの場合は無給で、有給であるケースは少ないといわれています。

介護休業制度

介護休業制度は、要介護状態の家族を2週間以上介護する場合に取得できるもので、対象家族1人につき通算93日を限度として休業できる制度です

要介護状態の判断基準は厚生労働省によって定められていますが、あくまで参考であり、従業員が休業を取得する妨げにならないよう、会社には柔軟な対応が求められています。

また、93日間という期間は、実際に介護をする期間ではなく、介護の長期的な方針を決めるための期間と考えましょう。介護サービスの利用や働き方などを専門家と相談して、仕事と介護を両立させる環境を整えることが大切です。

介護休業給付金

介護休業給付金とは、家族の介護のために休業しても、給料の67%が支給される制度です

雇用保険の被保険者であることや、要介護状態の家族の介護のために2週間以上休業すること、職場復帰を前提として休業することが条件であり、最長93日を限度に3回まで支給されます。

申請手続きは勤務先を通して行われるため、制度を利用したい場合は勤務先に相談しましょう。

介護保険サービス

介護保険サービスは、要支援・要介護認定を受けた方が、ケアマネジャーと作成したケアプランに基づいて、介護におけるさまざまなサービスが受けられるというものです

介護を自宅で行う場合は、訪問介護サービスを利用すれば、訪問介護員が入浴や排泄の介助など身の回りのサポートを行ってくれるため、介護の負担を減らせるでしょう。その他、日帰りで介護施設を利用するデイサービスや、宿泊も可能なショートステイなどのサービスも利用できます。

ただし、利用者の状況によって受けられるサービスに制限がある場合もあるため、注意しましょう。

介護保険制度について詳しくはこちら↓
介護保険の使い方を解説!仕組みや利用できる3つのサービス紹介。申請方法やサービス利用までの流れも

介護保険外サービス

介護保険外サービスは、介護保険内では受けられないサービスを利用できます

例えば、介護保険サービスにおける訪問介護では、利用者の生活に関わることしかサポートしてもらえません。しかし、介護保険外サービスであれば、庭の手入れや墓参りなどの細かい依頼にまで対応してもらえる場合があります。

介護保険外サービスは全額自費ではありますが、サービス内容が充実しているため、介護保険内のサービスだけでは不十分だと感じる方は、利用を検討しましょう。

介護保険外サービスについて詳しくはこちら↓
介護保険外サービスって何?種類や料金を事例付きで紹介!

介護と両立しやすい仕事は?

介護と両立しやすい仕事は?
  • 派遣社員としての仕事
  • 在宅ワーク
  • リモートワーク可能な仕事

仕事と介護を両立させたくても、勤務先の理解が得られないこともあるでしょう。その場合、介護と両立させやすい仕事に転職することを視野に入れましょう。

具体的にどのような仕事があるのか、ご紹介します。

派遣社員での仕事

派遣社員は融通が利きやすく、仕事と介護を両立させやすい働き方です。

働く人の都合に合わせてシフトを提出できたり、1日に数時間だけ勤務したりできるため、介護をしながらでも無理なく働けるでしょう。

また、パートやアルバイトよりも時給が高いことが多いため、効率良く収入を得られるのも嬉しいポイントです。

在宅ワーク

介護との両立には、在宅ワークがおすすめです。

自宅で仕事ができると、食事の用意や介助、洗濯など、介護において融通が利きやすいでしょう。通勤がないため、介護のために体力を温存できる点もメリットです。

特別なスキルがある方は、フリーランスや在宅ワーカーとして働くことを検討してみましょう。

リモートワーク可能な仕事

リモートワーク可能な勤務先であれば、場所を選ばずに仕事ができるため、介護のために離職しなくて済むでしょう。実家と勤務先が離れている方でも、働き続けられます

また、家事や通院の付き添いがしやすくなる点や、通勤がないため体力を温存できる点も大きなメリットでしょう。

親の介護が必要になっても、すぐに離職を検討するのではなく、勤務先の制度を確認することが大切です。

20代・30代で親の介護に備えられること

20代・30代で親の介護に備えられること

親の介護はまだまだ先だと思っていても、急に始まるケースもあります。実際に介護が必要になってから焦るよりも、20代・30代のうちから親の介護について方針を決めておくことが大切です

ここからは、20代・30代で親の介護に備えられることについて解説します。

介護方法について

親が元気なうちに、介護方法について相談しておきましょう。

親の価値観を知れるため、介護は在宅が良いのか施設が良いのか、同居を希望しているのかなど、具体的な介護方法をイメージできます

介護を受ける本人の意思を尊重しながら、将来の介護に向けて準備を進めていくことが大切です。

家族がどの程度サポートできるか確認

実家からの距離や家庭環境によって、きょうだい全員が親の介護に協力できるわけではない場合があるでしょう。

近くに住んでいたり、独身であったりするとどうしても介護の負担が重くなりがちです。あらかじめ家族間で、誰が何をサポートするのか話し合っておくのがベストです

具体的に決めておくと、実際に介護が始まったときにきょうだい間でのトラブルを回避できるでしょう。

介護に利用できるお金

介護にはお金がかかるため、お金についても介護が始まる前にしっかり話し合っておきましょう

介護費用は親が自ら支払うのが一般的ですが、不足する場合は子どもが負担する必要があります。

そのため、まずは親の資産状況を知ることが重要です。貯金額や年金収入、ローン、生命保険や株式の有無をはじめ、通帳や印鑑の保管場所等、親の資産に関して把握し、要介護状態になった際のシミュレーションをある程度行いましょう。

お金の話は切り出しにくいですが、資産状況を把握することで親が老後を安心して過ごせるということを伝えて、話し合いの場を持つことが必要です。

また、子どもが介護費用を負担しなければならない場合は、介護にかかる費用や年金収入を計算して、きょうだいでいくらずつ負担するのかなど具体的に決めておきましょう。

要介護になった場合の相談先

  • 地域包括支援センター
  • 自治や社会福祉協議会の相談窓口
  • 医療機関

上記の3つは、親の介護が必要になった場合に基本となる相談先です。

地域包括支援センターには社会福祉士やケアマネジャーが在籍しているため、介護に関わるあらゆる相談に乗ってくれます。何から始めればよいか分からない場合は、まずは地域包括支援センターに相談しましょう

また、自治体や社会福祉協議会は地域の特性に合った福祉サービスを提供しており、地域連携相談室がある医療機関ではソーシャルワーカーを紹介してもらえる場合があります。

いずれの機関でも介護の相談に乗ってもらえるため、初めての介護で不安が大きい方でも、一人で抱え込まずに連絡してみましょう

法律や制度を利用して、仕事と介護の両立を

仕事と介護の両立は、時間や体力面で困難に感じる方が多いでしょう。しかし、仕事と介護を両立させるための支援は多いため、まずは法律や制度を知り、条件に合えば積極的に活用することをおすすめします

また、派遣社員や在宅ワーク、リモートワーク可能な仕事に転職するのも一つの方法です。時間の融通が利きやすく、仕事と介護を両立させやすいでしょう。

しかし、仕事と介護の両立に不安や悩みを抱える方は少なくありません。困ったときは地域包括支援センターのケアマネジャーに相談するなどして、一人で抱え込まないようにしましょう




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