生活リハビリとは?特徴や介護職が行う内容・効果を解説!受けられる施設も紹介
「自分でできないことが増えて不安」
「足が悪くて外出するのがこわい」
加齢と共に体が思い通りに動かなくなってきて、このままおとろえていく一方なのでは……と不安な気持ちになっていませんか?
生活リハビリとは、自分の力で日常生活を送るために行う訓練のことを指します。
病院のリハビリとは内容が異なるため、イメージがつきにくい方もいらっしゃることでしょう。
この記事では、生活リハビリの特徴と目的、期待できる5つの効果、生活リハビリが受けられる施設について解説します。
◇ 生活リハビリの効果 ◇
- 体の機能を維持・向上できる
- 生活や睡眠の質がアップする
- 物事に取り組む意欲がわく
- 転倒などのリスクが軽減される
生活リハビリの特徴と目的
- 病院で行うリハビリ
- 生活の中で行うリハビリ
リハビリは大きく分けて2つの種類に分けられます。
病院でのリハビリはケガや病気の回復が目的ですが、生活リハビリは自分の力で日常生活を送れるようになることを目指します。
では、より具体的な内容を解説します。
病院でのリハビリ
病院でのリハビリは、ケガや病気の回復を目的としています。
例えば、転倒をして足を骨折してしまった場合には、骨折部分を固定する期間が必要です。
しかし、そのままでは筋力が低下し、歩くことがままならなくなってしまうでしょう。
そこで、歩行訓練や筋力トレーニング等で筋力を回復させて日常生活への復帰を目指します。
病気やケガの回復のためには、リハビリのタイミングや内容が非常に重要です。
理学療法士や作業療法士は、患者様の回復力を促すために個々にプログラムを作りサポートします。
生活の中で行うリハビリ
- 食事をする
- 洗濯をする
- 移動する
- 椅子から立ちあがる
- 体を洗う
- トイレへ行く 等
生活リハビリは、日常生活を自分の力で送れることを目的としているため、生活のすべてがリハビリとなります。
加齢に伴い、体の筋力や機能がおとろえてくると、日常生活でできないことが増えてきます。
「一日中テレビの前で座っている」「ほとんどベッドに横になって過ごしている」という方も少なくはありません。
体の筋力が落ちて動くのが億劫になると、意欲が低下して生活もままならなくなってしまうでしょう。
そのような負のサイクルに陥ってしまわないように、生活リハビリで日常生活に必要な動作を訓練します。
介護施設で行う生活リハビリの内容
- 食事・入浴・排泄介助
- 個別リハビリと集団リハビリ
- 目標設定
介護施設では、介護職員が利用者様の身体の状況やケアプランに沿って介助を行います。
各施設によって生活リハビリの方法に多少の違いはありますが、上記の介助はすべて生活リハビリの一環です。
介護職が行う生活リハビリは多岐に渡ります。
例えば、デイサービスの場合は、介護職員が利用者様宅へお迎えにいきます。
その際に、挨拶を交わし、車の乗り降りや歩行をサポートするのも一つのリハビリです。
その他にも、移動する・靴を履き替える・お茶を飲む・談笑をする等。
介護士の行う介助や支援のすべてが利用者様のリハビリにつながります。
食事・入浴・排泄介助
生きる上で大事な三つの要素が、食事・入浴・排泄です。
介護施設では、特にこの3つの介助は重要視されており、可能な限り利用者様ご自身で動作を行えるように支援します。
【食事介助】
食事をする際には、姿勢の維持・箸をつかう・噛む・飲み込むなどの動作が生活リハビリになります。
介護施設では、介護士が食事の様子を見守り、介助が必要な方には声かけや食事支援をします。
また、各利用者様の飲み込みやすさに合わせて、ご飯をおかゆにしたり、おかずを小さくしたり等の食事環境を整えることも大事な役割です。
【入浴介助】
入浴は、浴室まで行く・洋服の着脱・体を洗うといった動作がリハビリです。
介護士は、できる限りご自身で着替えて体を洗えるように見守りながら必要な支援をします。
また、安全に入浴しやすいように、介護用の椅子や滑り止めマット、手すり等を設置する等の環境の整備も重要な介助の一つといえるでしょう。
【排泄介助】
トイレに行く場合は、移動する・便座に座る・立ち上がる・ペーパーで拭く・流すボタンを押す等の動作がリハビリです。
介護士は必要に応じて見守りと介助を行います。
また、共同トイレまで歩くのが困難な場合は、部屋にポータブルトイレを置いて、トイレへ行きやすい環境をつくります。
個別リハビリと集団リハビリ
介護施設の生活リハビリは、個別と集団の2種類あります。
個別リハビリは、理学療法士や作業療法士とマンツーマンで介助や機能訓練を行います。
主に、身体機能や生活の質の維持・向上が目標です。
一方の集団リハビリは、数名の利用者様が一緒に機能訓練を行います。
集団で取り組むことで、身体機能や生活の質だけでなく、意欲やコミュニケーション能力の維持・向上を目指します。
目標設定
生活リハビリは、自分の力で日常生活を送れるようになるのが目的です。
その目的を達成するには、ひとりひとりの生活スタイルや必要なこと、希望をヒアリングする必要があります。
担当者と利用者様が「どうなりたいのか」ゴールをしっかりと共有し、利用者様ひとりひとりに合ったQOLの向上を目指すことが重要です。
生活リハビリで期待できる5つの効果
- 体の機能を維持・向上できる
- 生活の質がアップする
- 睡眠の質がアップする
- 物事に取り組む意欲がわく
- 転倒などのリスクが軽減される
生活リハビリに取り組むことで以下の5つの効果が期待できます。
身体の機能を維持・向上できる
生活リハビリは、身体機能の維持・向上に効果的です。
例えば、体を洗うときには、腕を上げたり動かしたりすることで肩や腕周りの筋力トレーニングとなるでしょう。
一見訓練とは思えない動作でも、意識的に行うことで身体機能の維持・向上につながります。
生活の質がアップする
生活リハビリに取り組むと、日常生活でできることが増えます。
同時に、物事に取り組む意欲もわくようになり、生活にもメリハリが生まれます。
睡眠の質がアップする
日中に生活リハビリをすることで夜に入眠しやすくなり、眠りの質もアップします。
また、活動量が増えると、眠りが深くなる分、朝の目覚めもよくなるでしょう。
物事に取り組む意欲がわく
生活リハビリでは、身体を動かすだけでなく、人とコミュニケーションをとることも訓練の一つです。
身体を動かす・考える・話すという活動が、脳に刺激を与え、意欲を掻き立てます。
日常に意欲がプラスされると、より活動的に生活を送れるようになるでしょう。
転倒などのリスクが軽減される
生活リハビリは、転倒などのリスクの軽減にも効果的です。
特に、高齢になると足の筋肉はおとろえやすく、ちょっとした段差につまずいてしまうことも。
生活リハビリで意識的に筋力を使うことで、転びそうになったときも体勢をコントロールしやすくなります。
生活リハビリを受けられる施設の紹介
施設 | 特徴 | 対象 |
介護老人保健施設 | 在宅復帰を目指す | 要介護1~5の認定を受けた方 |
通所リハビリテーション(デイケア) | 医療ケアが中心 | 要介護1~5の認定を受けた方 |
デイサービス | 介護支援が中心 | 要支援1~2、要介護1~5の認定を受けた方 |
特別養護老人ホーム | 生活・介護支援が中心 | 要介護3~5の認定を受けた方 |
介護付き有料老人ホーム | 生活・介護支援が中心 | 要介護1~5の認定を受けた方※施設によっては自立または要支援の方も入居可能 |
訪問介護 | 生活・介護支援が中心 | 要介護1~5の認定を受けた方 |
生活リハビリは、自宅でも施設でも行うことができます。
自宅での生活リハビリは、介護士や理学療法士などが自宅に訪問し、個別にリハビリを行います。
施設では、入所または通って生活リハビリを受けられます。
ただし、施設ごとに特徴や対象となる方が異なるので注意が必要です。
紹介する施設はいずれも要介護認定を受けている方が対象となります。
希望する施設がある方はケアマネジャーに相談してみましょう。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、介護を必要とする方が在宅復帰を目指す施設です。
ケガや病気で長期間入院し、すぐに自宅に戻るのがむずかしい場合に利用されることが多いでしょう。
食事や入浴、排泄などの生活支援はもちろんのこと、理学療法士や作業療法士によるリハビリを受けられます。
デイケア・デイサービス
施設 | 特徴 | 適用保険 |
通所リハビリテーション | 医療ケアが中心 | 介護保険・医療保険 |
デイサービス | 介護支援が中心 | 介護保険 |
通所リハビリテーション(デイケア)とデイサービスは、自立した生活を送ることを目的とした施設です。
どちらも自宅から通ってリハビリを受けられることは共通していますが、ケアの内容や適用保険が異なります。
デイサービスとデイケアについて詳しくはこちら↓
『デイサービスとデイケア | どっちを選んだらいいの?違いと選び方を解説』
老人ホーム
特別養護老人ホームは、要介護3以上の方向けの施設です。
介護支援が中心ですが、施設によっては機能訓練や生活リハビリを取り入れています。
また、介護付き有料老人ホームは、介護が必要な方が入居できる施設で、生活支援が中心となります。
訪問リハビリ
訪問リハビリは、介護を必要とする方が自宅でリハビリを受けられるサービスです。
自宅で自立した生活を送れるように、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が個々に合わせたプログラムを作り、サポートしてくれます。
訪問リハビリについて詳しくはこちら↓
『訪問リハビリとは?在宅でできるリハビリテーションの特徴やメリット・デメリット』
生活リハビリに特化した居心地のいいデイサービスりふり
生活リハビリデイサービスりふりは、経験豊富な理学療法士によるマンツーマンのリハビリを受けられる施設です。
生活リハビリを効果的に行うために、スタッフとご利用者様が「どのような状態になりたいのか」を共有して取り組むことを大切にしています。
また、きめ細やかで質の高いリハビリはもちろん、ご利用者様とそのご家族、働くスタッフにも笑顔が生まれる居心地いい空間づくりを目指しています。
生活リハビリデイサービスりふりについて詳しくはこちら↓
生活デイサービスりふり
生活リハビリで日常生活をより豊かに
生活リハビリは、自分の力で日常生活を送れることを目的としています。
食事をする、入浴をする、トイレへ行く、物をとる、物を避ける等。
自宅でも意識して日常動作を行うことで生活リハビリの効果を得やすくなるでしょう。
さらに、介護士のサポートがあるとより安全かつ効果的にリハビリに取り組めます。
要介護認定を受けている方であれば申請できるので、気になる施設がある方は担当のケアマネージャーに相談をしましょう。
また、自宅で生活リハビリを受けたい場合は、訪問リハビリや訪問介護を検討してみてください。
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