高齢者の一人暮らしは何が問題?必要なものや対策。自治体支援などを紹介
「高齢者の一人暮らしは具体的に何が問題?」
「高齢者の一人暮らしで必要な備えや支援が知りたい」など、高齢者の一人暮らしに関する問題や対策について知りたい方のために、必要なものや自治体支援などを紹介します。
高齢者やそのご家族のなかには、身体機能の低下などで一人暮らしをすること、あるいはさせることが不安な方も多いでしょう。
しかし、社会との関わりや適切なサービスを利用することで、安全に在宅での生活を継続できる可能性があります。
高齢者が一人で暮らす問題点
- 健康面に問題が起きても対処に遅れる
- 犯罪に巻き込まれる可能性がある
- 災害時に対応が遅れる
- 生活意欲の低下
65歳以上の一人暮らしの高齢者の割合は、年々増加傾向にあります。
内閣府の「令和3年版高齢社会白書」によると、2020年時点での65歳以上が人口に占める割合は、男性約243万人(15.5%)、女性約459万人(22.4%)です。
将来的には、2040年で男性約355万人(20.8%)、女性540万人(24.5%)まで増加する見込みで、それに伴い今後一人暮らしの高齢者がさらに増加すると予想されています。
高齢者の一人暮らしには、さまざまな問題点やリスクが懸念されるため、安心して暮らすためには環境を整える必要があります。
どのような問題点があるか、詳しく解説します。
参考:内閣府|65際以上の一人暮らしの者の動向
健康面に問題が起きても対処に遅れる
一人暮らしで家族や社会との関わりが少ない場合、知らぬ間に認知症が進行してしまう可能性があります。
認知症が進行すると、火の不始末や服薬管理ができなくなるなど、生活に支障を及ぼし、一人暮らしに限界がきてしまいます。
また、一人暮らしの場合、急病や怪我をした時にすぐに対処できず処置が遅れてしまうこともあるでしょう。
助けを呼びたくても呼べなかったり、誰にも気づいてもらえなかったりと、最悪の場合、自宅で亡くなってしまうことも予想されます。
犯罪に巻き込まれる可能性がある
近年、振り込め詐欺や還付金詐欺など、巧妙な手口で高齢者を狙った犯罪が増えています。
一人暮らしの高齢者はターゲットになりやすいため、詐欺などの犯罪に巻き込まれてしまうことが少なくありません。
災害時に対応が遅れる
地震や豪雨、台風などの災害時に、一人暮らしの高齢者は自力で避難することが難しい可能性があります。
身体的な理由で避難が遅れてしまったり、どのタイミングでどこに避難すれば良いかわからなかったり、対応が遅れてしまう場合もあるでしょう。
災害時に困らないように、近隣住民などとのコミュニケーションを取り、いざという時に頼れる関係作りをしておくことが大切です。
生活意欲の低下
家族や友人との交流が少なく楽しめる趣味などもない場合、孤独感を抱き生活意欲の低下につながる可能性があります。
生活意欲が低下すると家事が疎かになり、生活環境が悪くなる恐れがあります。
また、社会との関わりが薄くなると、身だしなみを気にかける機会が減り、気持ちも後ろ向きになる傾向にあります。
さらに、他者とのコミュニケーション不足は、うつ病や不安障害などの精神的な問題を引き起こし、認知症を進行させる原因になるなど、心身の健康に支障をきたすこともあります。
高齢者が一人で暮らすために必要なもの
- 定期的な安全の見守り
- 難しい家事
- 災害時の備え
- 社会とも関わりなど
高齢者が一人で暮らすためには、生活する上での安全性や社会と関われる環境が重要です。具体的な例を見ていきましょう。
定期的な安全の見守り
高齢者の一人暮らしで大きな不安事項は、何かあっても気付いてもらいにくい、助けを呼べない状況に陥る、などが起こってしまうことでしょう。
何事もなく生活できているかどうかを定期的に見守り、安全確認してくれる環境をつくれると安心です。
地域住民と関わりを持つことや、見守りサービスを上手に利用することで、安全な暮らしを継続することができるでしょう。
難しい家事の手伝い
高齢になると、料理や洗濯などの今までできていた家事が難しくなる可能性があります。
食事をスーパーのお惣菜だけで済ましてしまう、掃除を頻繁にできなくなり部屋の汚れが目立つようになる、ということが続くと心身への影響が懸念されます。
一人では難しい家事は手伝ってもらい、生活の質を維持する必要があるでしょう。
災害時の備え
災害時にどこに避難したらよいかわからない場合、対応が遅れる可能性があります。事前に地域の避難場所と避難場所までの道順を確認しておきましょう。
また、災害時には物資の供給が途絶える可能性があるため、非常食や水、薬などの防災グッズを備蓄しておくことも大切です。
社会や人との関わりなど
社会との関わりを持つことは、孤独感の軽減や心身の健康に繋がります。
他者とのコミュニケーションを通して友人ができたり、新しい趣味が見つかったり、寂しさの解消や生きがいを見いだせるでしょう。
また、人との交流は認知症の予防や進行を遅らせる効果が期待できます。認知機能の維持は、安全に一人暮らしを継続する上で重要です。
地域のサークルに参加するなど、興味のあるものから始めてみるとよいでしょう。
高齢者が安全に一人暮らしをするための対策
- 見守りサービスの利用
- 介護保険サービスの利用
- 各自治体の支援サービスの利用
- 積極的に社会とかかわる
高齢者が安全に一人暮らしをするために、具体的に何をすればいいか対策をいくつか紹介します。
見守りサービスの利用
一人暮らしで近くに家族がいない、身寄りがない場合、定期的に安全の見守りをしてくれるサービスがあります。
自宅にセンサーを取り付けて動きを見守るものや、緊急時にボタンを押すと対応してくれるサービスなどがあり、ご自分の生活に合わせたサービスを選ぶとよいでしょう。
介護保険サービスの利用
介護保険サービスは、介護認定を受けている方が利用できるサービスです。自宅での生活に不安のある方は、介護保険サービスを利用も検討しましょう。
訪問介護は、利用者の自宅で買い物や掃除・食事や排泄などの介助を受けることができ、デイサービスは施設内で食事や入浴の介助、リハビリやレクリエーションなどを行うことができます。
介護保険サービスの利用を考えている方は、担当のケアマネジャーに相談してください。
介護保険について詳しくはこちら↓
【介護保険】とは?目的や受けられるサービス・制度のしくみを徹底解説!
各自治体の支援サービスの利用
自治体によって、高齢者を支援するサービスを受けられる場合があります。
例として、葛飾区と江戸川区の支援サービスを紹介します。
葛飾区:高齢者寝具乾燥消毒サービス・見守り型緊急通報システムの設置・配食サービス・生活支援ボランティアなど
江戸川区:ふれあい訪問員・緊急通報システム「マモルくん」・健康長寿協力湯など
このように、自治体ごとに高齢者の支援サービスを提供している場合があるため、お住まいの自治体に確認してください。
積極的に社会とかかわる
一人暮らしを継続するためには、社会との関わりを持つことがとても重要です。日頃から近隣住民とコミュニケーションを取り、いざという時に頼れる関係作りをしておきましょう。
また、趣味や習い事で他者と交流するのもよいでしょう。最近では、生活を充実させるために習い事を始める高齢者が増えています。自分が楽しめる趣味を見つけることで、生きがいにも繋がります。
高齢者に人気の趣味や習い事について詳しくはこちら↓
高齢者に人気の習い事と選び方を解説|80代でも趣味が見つかる!
適切な支援サービスを利用して安心・安全に暮らそう
高齢者の一人暮らしには、健康面や環境面でさまざまなリスクがあります。
しかし、問題を把握して適切なサービスを利用するなど対策をすれば、安全に暮らせる可能性があります。
生活に合わせて介護保険サービスや自治体のサービスを利用し、積極的に社会との関わりを持つことで、安心・安全な生活を送れる環境を整えましょう。
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