認知症予防の方法紹介!発症や進行を遅らせて長く元気でいるためには
「認知症リスクをできるだけ減らしたい。」
「認知症予防として、日常生活で気を付けることはある?」
認知症が進行し、生活に支障が出ることを想像すると不安ですよね。日常生活でも、認知症を予防したり、進行を遅らせたりすることが期待できる習慣があります。
今回は認知症予防の方法として、無理なくできることをまとめました。健康寿命を大切にしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
認知症とは?
- 記憶力低下
- 思考力低下
- 判断力低下
- 言語能力低下
認知症とは、脳の疾患や損傷によって引き起こされ、以上の症状などがみられる状態です。
少し前の出来事をすっかり忘れてしまう記憶障害がもっともよくみられます。それ以外にも簡単な計算ができなくなる、日付や時間がわからなくなる、仕事や家事などの段取りができなくなるなどの症状もあります。
認知症を根治する治療法は存在しないものの、発症の予防や進行を遅らせることが可能といわれています。認知症の予防方法をくわしく見ていきましょう。
認知症予防10箇条
- 塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事を
- 適度に運動を行い足腰を丈夫に
- 深酒とタバコはやめて規則正しい生活を
- 生活習慣病(高血圧、肥満など)の予防・早期発見・治療を
- 転倒に気をつけよう 頭の打撲は認知症招く
- 興味と好奇心をもつように
- 考えをまとめて表現する習慣を
- こまやかな気配りをしたよい付き合いを
- いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに
- くよくよしないで明るい気分で生活を
認知症予防10箇条は、公益財団法人認知症予防財団が定めた認知症予防策として有効と考えられている具体的な生活習慣です。日常生活で意識するだけでも認知症のリスク低下が期待できるでしょう。
認知症予防が期待できる食べ物
- 緑黄色野菜・果物
- 青魚
- 豆類
- 緑茶・コーヒー
認知症予防には、上記の食べ物が役立つといわれています。ここでは、それぞれの食材について詳しく解説します。
緑黄色野菜・果物
緑黄色野菜 | 果物 |
---|---|
ほうれん草 | オレンジ |
ケール | キウイフルーツ |
ブロッコリー | ブルーベリー |
アスパラガス | ストロベリー |
カボチャ | いちご |
緑黄色野菜と果物には、抗酸化物質や葉酸が含まれており、認知症のリスク低下や進行の遅延に効果が期待できるといわれています。
抗酸化物質は、体内で過剰発生すると認知機能を低下させるといわれている「フリーラジカル」を中和する働きがあります。
また、認知症の要因となる脳内のアミロイドβの蓄積を抑制することも知られています。
葉酸は、血中に存在するホモシステインという物質を分解し、血液循環をよくするといわれています。
ホモシステインの値が高いと、血液がどろどろになって脳の血行が悪化し、認知症の発症や進行を引き起こす可能性があるでしょう。
抗酸化物質や葉酸が含まれている食材は手軽に入手できるため、日常の食卓に積極的に取り入れましょう。
青魚
青魚に含まれるDHAは、神経細胞の機能や構造をサポートし、記憶や学習能力、情報処理能力などの認知機能を促進するといわれています。
忙しい方は、栄養価を保ったまま素材の味を楽しめる鮮度が高い刺身や、鯖缶などの缶詰が良いでしょう。手軽に青魚を摂取できるだけでなく、サラダやパスタの具として利用できます。
豆類
豆類にはイソフラボンが含まれており、アミロイドβの蓄積を抑制する効果が期待されています。アミロイドβは、脳の炎症を引き起こす成分で、蓄積されると脳の老化が進むといわれています。
また、豆類に含まれる食物繊維は血管内のコレステロールや中性脂肪の排出を促進し、動脈硬化や心血管疾患のリスクを低下させるでしょう。心血管疾患は認知症のリスク因子の一つであり、血管の健康を維持することは認知症予防にも有益です。
豆類の中でも、特に納豆がおすすめです。1パックに約36mgと、1日に必要な量の約半分のイソフラボンが含まれているうえ、調理の手間もほとんどありません。
緑茶・コーヒー
緑茶やコーヒーに含まれるポリフェノールは、認知症予防に有効といわれています。アルツハイマー型認知症では、アミロイドβやタウといった異常なたんぱく質が脳に蓄積し、広がっていくことが原因と考えられています。
緑茶やコーヒーに含まれるポリフェノールには、異常なたんぱく質の蓄積と広がりを抑制し、毒性を弱める効果が期待できます。
ポリフェノールに含まれる抗酸化作用も重要です。活性酸素やフリーラジカルなどの酸化ストレスによって生じる細胞の損傷を防ぎ、脳の健康を守ります。
さらに、コーヒーにはクロロゲン酸と言って、糖尿病の予防に役立つポリフェノールが含まれています。糖尿病は認知症のリスクを高める要因の一つです。ポリフェノールの摂取は血糖値の上昇を抑制し、糖尿病予防につながるでしょう。
ただし、カフェインを摂りすぎると、体調不良を引き起こす恐れがあります。コーヒーは一日2~4杯が目安、緑茶は5~10杯までが適量といわれています。
認知症予防が期待できる運動
- 有酸素運動
- 筋トレ
有酸素運動と筋トレは認知症予防に効果が期待できます。具体的な運動やトレーニングを紹介するので、ぜひ挑戦してみてください。
有酸素運動
- ウォーキング
- サイクリング
1日30分の有酸素運動を週3~5回取り入れることは、認知症予防に効果的といわれています。運動に慣れていない方は、1日30分を3回にわけて10分ずつ行う形でも構いません。
「できるだけ階段を使う」「歩きで買い物に行く」など、日常生活のちょっとした動作にも気を付けてみましょう。
日常に有酸素運動を積極的に取り入れると、脳への血流が増加して認知機能の向上が期待できます。
また、血流が促進されることで酸素や栄養素が効率的に脳へ供給され、老廃物の除去やストレスホルモンの減少にも役立つでしょう。
脳へのダメージが抑えられ、脳の活性化が期待できます。
筋トレ
- スクワット(30秒で10回)
- 腕立て伏せ(5~10回)
大きな筋肉を意識した筋トレは、認知機能の維持や向上に役立つといわれています。身体的に問題がない場合は、筋トレに挑戦してみましょう。
筋肉を動かすと、脳と筋肉の間にある神経伝達が活性化し、脳が活発化するため、認知症予防につながるといわれています。
また、スクワットは、下半身全体を鍛えられるため、健康寿命を伸ばす上で効果的と考えられています。人間の筋肉の約7割は下半身にあり、スクワットで下半身を鍛えることで筋肉量や自立歩行の維持も可能です。
スクワットをする際は、つま先と膝が同じ方向を向くように沈むことがポイントです。つま先と膝の向きがずれると、足首や膝を傷める原因になります。最初は椅子の背につかまりながら、30秒で10回を目安に回数を増やしていきましょう。
腕立て伏せや腹筋も大切です。腕周りの筋肉や腹筋が弱くなると、姿勢の維持が難しくなります。腕立て伏せは、壁に手をついて肘を曲げることから始めましょう。腹筋は座っている時に骨盤を立てて背筋を伸ばすだけでも効果があるといわれています。
認知症予防が期待できる脳トレ・ゲーム
- デジタルゲーム
- ボードゲーム
脳トレやゲームは脳の活性化が期待できるため、認知症予防に有効といわれています。
デジタルゲーム
ゲーム | 種類 | 特徴 |
---|---|---|
脳トレ系 | 囲碁、麻雀、トランプ、クイズなど | ルールを知っていればすぐに楽しめる |
育成系 | 動物やキャラクターを育てる | 必要とされる喜びを感じられる |
運動系 | 動画と連動して身体を動かす | 狭いスペースで運動できる 手本を真似することが脳を活性化する |
デジタルゲームは、パソコンやテレビなどの電子機器を通して遊ぶゲームです。一人でもプレイできるので、環境に左右されず取り入れやすい点が魅力です。
また、ネット環境が整っていればネットを通じて同じゲームで遊ぶ仲間ができるなど、つながりが増えることもメリットでしょう。
ボードゲーム
- 反射神経を必要としないゲームを選ぶ
- シンプルなルールを選ぶ
- 老若男女問わず楽しめるゲームを選ぶ
- 文字が大きい素材を選ぶ
ボードゲームは、複数のプレイヤーがボードや盤上のマス目、カード、駒、サイコロなどを使用して遊ぶゲームの総称です。楽しむことの延長で脳トレできるため、ストレスなく続けやすいでしょう。人とコミュニケーションが取れることもメリットです。
高齢者が行うボードゲームは、上記の基準でゲームを選ぶと負担が少なく楽しめます。お孫さんや家族も含めて、一緒に楽しんでみてください。
認知症予防に効果が期待できる脳トレについて詳しくはこちら↓
認知症予防に効果が期待できる脳トレ8選
認知症予防が期待できる趣味
- 料理
- 楽器
料理や楽器といった趣味は、考えることが多く指先を使用するため、脳の活性化に有効とされています。
認知症予防のほか、生活にハリが出るなどの効果も期待できるでしょう。
料理
- メニューや材料を考え脳を使う
- 同時に複数の作業をこなす脳トレ
- キッチンに立つ運動
- 食材の色や香り、触感が五感を刺激
- 栄養バランスの維持
料理は認知症予防において複数の効果が期待できます。
料理には計画的な行動や記憶、集中力が必要です。レシピを読んだり、食材を切ったり、調理器具を使ったりすることで、脳が活性化され、認知機能が維持できるでしょう。
また五感の刺激は、神経細胞の連結を促進するといわれています。立ち作業や調理器具を持ち上げることは、運動機能の維持にも役立つでしょう。
認知症予防に有効な食材を選んで自炊すると、その他の健康面にも良い影響があるでしょう。
楽器
- ピアノ
- ギター
- バイオリン
指先の運動は脳の活性化が期待できるため、上記のような楽器は認知症予防に有効でしょう。楽譜を読んだり、リズムを取ったり、和音を奏でたりすることで、脳が訓練され、認知機能が強化につながるでしょう。脳の神経細胞が刺激されて、新しい神経回路の形成も可能です。
また、認知症予防にはドラムもおすすめです。リズムの変化が反射神経の強化を促します。
認知症予防には活動的な毎日がポイント|運動や趣味で充実した日常を
認知症予防には、日常的に体を動かして脳を使うことが大切です。特別な活動をしなくても、ちょっとした運動や趣味で脳を活性化することが可能です。料理や運動など、一つひとつの活動を意識して行うだけでも、脳の健康をサポートできるでしょう。
ご紹介した予防方法を参考に、無理なく楽しい毎日をお過ごしください。
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