訪問マッサージとは?料金や対象者・訪問リハビリとの違い、受けるにはどうするか解説
「訪問マッサージって具体的に何してくれるの?」
「訪問マッサージを受けるには、どうすればいいのかな?」
など疑問に思っている方のために、訪問マッサージについて詳しくまとめました。細かい内容やサービスの受け方、費用等、詳細がわからなければ安心して依頼できないでしょう。
この記事では訪問マッサージを受ける方法・料金やその効果、訪問リハビリとの違いなどについて紹介します。
ぜひ参考にしてください。
訪問マッサージとは?
- 訪問マッサージの種類
- 訪問マッサージの対象者
- 訪問マッサージは医療保険対象
訪問マッサージとは、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」が利用者の自宅に訪問して施術を行うサービスです。マッサージの種類や対象者、対象となる保険について解説します。
訪問マッサージの種類
- マッサージ
- 変形徒手矯正術
訪問マッサージには、大きく分けて「マッサージ」と「変形徒手矯正術」の2種類があります。
マッサージは、「躯幹」「右上肢」「左上肢」「右下肢」「左下肢」の5つの部位に対して行われます。体の末端から心臓に向かって指圧を加えることで、血液やリンパ液の循環を改善させる効果が期待できます。
また、関節可動域を拡大したり痛みなどの症状を改善したりすることを目的に行われる施術が「変形徒手矯正術」です。体幹以外の「肩関節」「手関節」「肘関節」「股関節」「膝関節」「足関節」の6大関節に対して行われます。
あん摩マッサージ指圧師によって、利用者の状況に応じた内容の施術が行われるでしょう。
訪問マッサージの対象者
- 筋麻痺や筋萎縮・関節拘縮などの症状がある
- 自力で通院ができない
- 訪問マッサージが必要と医師が認めた
訪問マッサージの対象者は、脳血管障害などによる後遺症といった「筋麻痺」や「筋萎縮」、ケガや疾患などで関節を動かす機会が減少して起こる「関節拘縮」などの症状があり、自力での通院が不可能で、医師が訪問マッサージの必要性を認めた方です。
あん摩マッサージ指圧師の施術によって、利用者の関節の動きを改善したり痛みを緩和させたりすることを目的としています。
利用者の自宅で行うことで環境の変化によるストレスが少なく、リラックスした状態で施術が受けられるのがメリットです。
また、定期的に訪問マッサージを利用すれば、体調の変化を確認してもらえるため、高齢者の安心安全な暮らしにもつながるでしょう。
訪問マッサージは医療保険対象
訪問マッサージは、医療保険のみが対象であり、介護保険は使えません。医療保険を利用して訪問マッサージを受ける場合、医師の同意が必要です。
また、同意書の有効期限は6か月間であり、変形徒手矯正術に関しては1か月間と決まっています。期限を過ぎて施術を受けたい場合は、再び同意書が必要になることを覚えておきましょう。
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訪問マッサージで必要な料金
マッサージ | 1局所につき350円・温罨法を併施 110円/回加算・温罨法を併施+電気光線器具使用 150円/回加算 |
変形徒手矯正術をマッサージを併術した場合 | 1肢につき450円加算・左右上肢(肩・肘・手関節)・左右下肢(股・膝・足関節) |
往療料 | 2,300円・4km超 2,550円 |
訪問マッサージで発生する料金には施術の種類や部位数、訪問距離などの要素があり、利用者の医療保険の自己負担割合によって支払う料金が決定します。
マッサージは1部位=1単位で、1部位あたり350円です。変形徒手矯正術はマッサージ部位の追加として行われます。
また、往療料はあん摩マッサージ指圧師の移動に対して発生する料金で、4kmを超えるかどうかで料金が異なります。基本的に、移動距離は直線距離のことを指しますが、事業所によっては異なる基準を設けている場合があるため、事前に確認しておきましょう。
合計金額に、利用者の医療保険における自己負担割合を乗じた金額が必要な費用です。一般的には、75歳以上の方は1割負担、70歳以上74歳以下の方は2割負担、現役世代並みの所得がある方は3割負担が多いでしょう。
一例をあげると、「2部位のマッサージと1肢の変形徒手矯正術・訪問距離4km以内」を受けた場合、1割負担で支払う料金は、以下の通りです。
- 施術料:350円×2部位+450円=1,150円
- 往療料:2,300円
- 合計(10割):3,450円
- 利用者の負担額(1割):345円
さらに、決められた期間を超えて施術を受ける場合には、医師の再同意が必要であるため、施術報告書交付料として480円が追加されます。
訪問マッサージの効果や訪問リハビリとの違い
訪問マッサージは、日常生活に困難がある方が快適な生活を送るための手助けになってくれます。ここからは、訪問マッサージで期待できる効果と訪問リハビリとの違いについて紹介します。
訪問マッサージの効果
訪問マッサージの施術を受けると、血液やリンパ液の循環がよくなり、血行不良が原因で起こる肩こりや冷えを改善できるといわれています。
また、施術によって関節可動域が改善すると、関節周辺の炎症や痛みの抑制も可能です。加えて、筋力や運動機能の向上といった効果も期待できるでしょう。
さらに、施術を受けてリラックスしたり人とコミュニケーションをとったりできるため、利用者の気分転換にもなります。訪問マッサージは、体の不調を改善するだけでなく、自宅でこもりがちな高齢者に癒やしの時間を提供する役割も担っているといえるでしょう。
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訪問マッサージと訪問リハビリの違い
訪問マッサージ | 訪問リハビリ | |
目的 | 関節の動き・疼痛の改善体の動作機能の回復 | 日常生活の自立を助けるための身体機能の維持・回復 |
対象者 | 歩行困難・寝たきりなど日常生活に困難がある方 | 要支援・要介護者 |
施術者 | あんまマッサージ指圧師 | 理学療法士・作業療法士 |
サービスの内容 | マッサージ・変形徒手矯正術 | 日常生活に必要な基本動作の維持・回復 |
適用される保険 | 医療保険のみ | 医療保険・介護保険 |
該当する病状・疾患 | 運動障害・筋麻痺などの症状・その原因となる疾患 | 医療保険:厚生労働省が定める20の疾病等介護保険:疾患の種類は問わない(65歳以上) |
医師が作成する書類 | 医師の同意書(診断書) | 医師の指示書または診療情報提供書 |
上記に、訪問マッサージと訪問リハビリの違いをまとめました。
目的や対象者など、多くの点で違いがみられます。特に、訪問リハビリは医療保険と介護保険が適用されるのに対して、訪問マッサージは医療保険のみである点は、利用者にとって大きな違いでしょう。
訪問マッサージと訪問リハビリは併用が可能なため、併用したい場合は医師に相談しましょう。
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訪問マッサージを受けるには
- 医師に相談
- 訪問マッサージに提供施設選択
- 問い合わせ
- 初回カウンセリング
- 施設側が医師の同意書取得
- 利用開始
訪問マッサージを受けるには、まずはかかりつけ医に相談することから始めましょう。医師の診察を受け、病状・疾患が訪問マッサージを受ける要件を満たしていて、訪問マッサージが症状の改善につながると医師が判断した場合に医療保険が適用されます。
続いて、訪問マッサージ提供施設を選びます。医師やケアマネジャーに紹介してもらってもよいでしょう。
施設が決まったら、問い合わせをして予約をとります。初回は、利用者の健康状態や希望などの確認するためのカウンセリングを行うため、マッサージを受けることはできません。
問題がなければ、施設スタッフが医師から同意書を取得した後、利用開始という流れです。
医師の同意書は、依頼してから数日程度作成に時間がかかるため、早く訪問マッサージを開始したい場合はあらかじめ施設スタッフに伝えておきましょう。
医師の診察なしで訪問マッサージを受ける方法
医療保険を使わず自費利用する場合は、医師の診察や同意書は必要ありません。医療保険を使う場合に比べて自己負担額は高くなりますが、医療保険適用の条件を満たしていなくても利用可能です。
医師の診察や同意書作成などの手続きが不要であることは大きなメリットでしょう。
「医療保険適用の対象ではない」「診察なしで利用したい」という方は、自費での訪問マッサージを提供している施設を探してみましょう。
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訪問マッサージは違法?
「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を持つ者が施術にあたるのであれば、訪問マッサージは違法ではありません。
訪問マッサージなど、マッサージを提供する施設について、違法ではないかという声があがることがあります。法律では「医師」や「あん摩マッサージ指圧師」の資格を持つもの以外は、マッサージをしてはいけないことになっているからです。
治療目的ではなく、リラクゼーション目的の施設などは違法である場合も少なくありません。
適切な知識を持った有資格者以外の施術はリスクも伴うため、自費で訪問マッサージを受ける場合は、必ずあん摩マッサージ指圧師が対応する施設を選びましょう。
訪問マッサージは要医師の相談※自費なら不要
訪問マッサージは、自宅であん摩マッサージ指圧師がマッサージや変形徒手矯正術などの施術を行うサービスです。通院できない状態の方を対象に、疾患等の原因による身体的な問題を改善するため、医師が必要と判断した場合に医療保険で利用できます。
施術によってリラックスできたり人とコミュニケーションをとれたりすることから、自宅にこもりがちな高齢者にとって癒やし・気分転換の時間にもなるでしょう。
医療保険を使って訪問マッサージを受けるには、医師の診察を受けて同意書を取得しなければなりません。手続きに時間や手間がかかり、すぐに訪問マッサージを受けられない場合があるでしょう。
自費であれば医師の診察や同意書なしで訪問マッサージを受けられるため、気になる方は自費での訪問マッサージを提供している施設を探してみましょう。
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