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2026.8.17

認知症高齢者は熱中症になりやすい?進行のリスクや対策・後遺症など解説

認知症高齢者は熱中症になりやすい?進行のリスクや対策・後遺症など解説

「認知症の高齢者は熱中症になりやすい?」
「認知症の親が熱中症になったらどうすればいい?」

など心配な方もいると思います。

認知症高齢者は、認知機能の低下で暑さへの適切な対処が難しく、特に注意が必要です。

この記事では認知症の高齢者が熱中症になりやすい理由や、水分・着替えを拒否されたときの対策、熱中症になったときの対応まで解説していきます。

高齢者の熱中症と応急処置、後遺症について詳しくはこちら↓
高齢者は熱中症になりやすい?理由や症状・対策・応急処置など紹介

認知症高齢者が熱中症になりやすい理由

認知症高齢者が熱中症になりやすい理由
  • 暑さ・喉の渇きを感じにくい
  • 暑さに対して適切な対応ができない
  • 体調変化を伝えられない

認知症高齢者は、加齢による身体機能や感覚機能の変化に加え、判断力が低下するため、熱中症になりやすい傾向にあります。

高齢者が熱中症になりやすい理由について詳しくはこちら↓
高齢者の熱中症の原因は?適切な予防策と対処法を解説

暑さ・喉の渇きを感じにくい

認知症高齢者は、暑さや喉の渇きに気づきにくく、熱中症になりやすい傾向にあります。

加齢による感覚機能の低下に加え、認知症では「暑い」「喉が渇いた」といった認識が難しい場合があるため、暑さや喉の渇きを訴えたり、体の消耗を感じたりできないことが少なくありません。
本人の訴えだけに頼らず、周囲の人が服装や水分摂取の状況を確認しましょう。

認知症高齢者が脱水になりやすい理由について詳しくはこちら↓
認知症の高齢者は水分不足に注意が必要?脱水になりやすい原因や水分補給の工夫

暑さに対して適切な対応ができない

認知症高齢者は暑さを感じても適切な対処ができず、熱中症になる可能性があります。

認知機能の低下によって、状況に応じた判断が難しくなったり、失行(しっこう)によって身の回りの動作がうまくできなくなったりするためです。

失行とは、動作のやり方がわからず、目的とする行動がうまくできなくなる状態を指します。

たとえば、エアコンの使い方がわからない、コップがあっても飲み方がわからない、といったことがあります。

そのため、水分補給ではコップを手渡すだけではなく、飲み物を見せたり飲み方を示したりするなど、本人が「何をすればよいか」を理解しやすくする工夫が必要です。

認知症高齢者の水分補給の工夫について詳しくはこちら↓
認知症の高齢者は水分不足に注意が必要?脱水になりやすい原因や水分補給の工夫

体調変化を伝えられない

認知症高齢者は、自身の不調をうまく伝えられず、必要な対処が遅れて熱中症になる可能性があります。

周囲からは「元気がない」「反応が鈍い」程度にしか見えず、熱中症だと気付かれないことが少なくありません。これらの症状が、熱中症によるものなのか認知症によるものなのか判断がつきにくいため、普段からの観察が重要です

認知症高齢者が熱中症になると症状が進行する?

認知症高齢者が熱中症になると症状が進行する?
  • 脳へのダメージと後遺症
  • せん妄の発症による症状悪化
  • 静養による身体活動量の低下

認知症高齢者が熱中症になると、脳へのダメージやせん妄などをきっかけに、認知機能が悪化する可能性があります

脳へのダメージと後遺症

認知症高齢者が重度の熱中症にかかると、脳へのダメージや後遺症によって認知機能がさらに悪化するおそれがあります。

熱中症による高体温や低酸素は、脳の神経細胞を傷つけるなどを引き起こし、記憶障害や言語障害などの後遺症を生じかねません。
大量発汗で体の水分が減ると、脳に血液と酸素が届かず、脳はダメージを受けます。

脳細胞が受けたダメージは元に戻りにくいため、熱中症をきっかけに認知症高齢者の認知機能障害がさらに悪化するケースは少なくありません

せん妄の発症による症状悪化

認知症高齢者が熱中症になると、脱水などをきっかけにせん妄となり、認知機能が悪化することがあります

せん妄とは、体の不調がきっかけで頭が混乱し、注意力が散漫になる一過性の状態です。落ち着きがなくなったり、幻視がみられたり、時間や場所がわからなくなったりすることがあります。

せん妄は、身体的な原因が解決されると症状も改善することが多いです。しかし、認知症高齢者の場合、せん妄になると、認知機能の低下が早まり症状がさらに悪化する可能性があります。

静養による身体活動量の低下

熱中症による安静で身体活動量が減少すると、筋力や体力が低下し、外出や人との交流も減って、認知機能の低下につながる可能性があります。

体調の回復に合わせて少しずつ人との交流や日常の活動を再開し、脳に適度な刺激を与えて認知機能の維持を目指しましょう。

認知症高齢者の熱中症対策

認知症高齢者の熱中症対策
  • エアコン常時稼働・室温管理
  • 水分補給
  • 服装チェック・健康管理

認知症高齢者の熱中症対策では、周囲の人の見守りや声掛けによって上記に注意していく必要があります。

高齢者の熱中症対策について詳しくはこちら↓
高齢者の熱中症対策!暑い夏を乗り切る飲み物や食事・グッズなど紹介

エアコン常時稼働・室温管理

認知症高齢者の熱中症を防ぐため、エアコンは常時稼働させ、室温・湿度の管理は本人任せにせず周囲が管理しましょう。

認知症高齢者はリモコンの操作方法がわからず、自分でエアコンをつけられないことがあります。
それだけではなく、誤操作により冷暖房を間違え、極端な温度設定になることも考えられます。
誤操作の可能性がある場合は、リモコンは目につかない場所に保管し、周囲の人が温湿度を管理しましょう。

室内の温湿度は室温26〜28℃、湿度50〜70%を目安に管理し、エアコンの設定温度や部屋の温湿度が適切か、適宜確認しましょう。

本人が寒がっている場合はエアコンを止めるのではなく、羽織ものや風向きで調整します。

冷房の使い方や寝るときの注意点について詳しくはこちら↓
高齢者が快適に過ごせる冷房の設定温度は?最適な室温や寝るときの注意点など

水分補給

認知症高齢者は水分補給を拒否することがあるため、飲みやすい工夫をしながら「いつ・どれくらい飲んだか」を家族が把握しましょう。

認知症高齢者が水分を拒否する理由には、飲んだこと自体を忘れる、目の前の飲み物を水分と認識できないなどがあります。トイレが近くなることを嫌がる場合もあるでしょう。

拒否されたときには無理やり飲ませないことが大切です
「一緒にお茶にしよう」と誘ったり、コップを持って飲む動作を見せたりします。本人が好きな飲み物を提案しても良いでしょう。

それでも拒否される場合は、時間を空けて何度も勧めるか、飲み物以外で水分を摂取する選択肢もあります。ゼリー飲料や味噌汁、すいかなどは水分を多く含むため、水分補給として良いでしょう。

水分は食事以外で1日1,000〜1,500mlの摂取が目安です。目盛りつきのコップやペットボトルなどで飲んだ量を適切に把握しましょう。

心臓や腎臓に持病がある方は、水分摂取量についてかかりつけ医に相談してください。

高齢者の水分補給について詳しくはこちら↓
高齢者の水分補給は何がいい?1日の摂取量目安やタイミング・拒否された際の対応など

服装チェック・健康管理

認知症高齢者は自分で適切な服装を選びにくい場合があるため、家族や周囲の人が服装や体調を確認し、熱がこもらないようにします。

服は麻や綿など吸湿性のある素材か速乾性のある機能性素材が良いでしょう。外出する場合は、黒など熱を吸収しやすい色を避け、帽子の着用や日傘の使用を促します。

誤って厚着をしないよう、冬物の衣類は手の届かないところにしまうなどして、厚着できない環境に整えましょう。厚着している場合は脱ぐよう促しますが、嫌がる可能性があります。
その際は無理に脱がせず、なぜ脱ぎたがらないかを確認し、本人の訴えに合わせた対応をしましょう。
ほかにも、別の衣類に着替えてもらう、上着など1枚ずつ着替えるといった方法もあります。

それでも本人の拒否が強い場合は、室温調整と体調確認をします。
めまいや立ちくらみ、大量に汗をかいている場合は熱中症の可能性があるため注意が必要です。
普段の本人と比べ、顔色が悪くなっていないか、口数が少なくなっていないか、食欲が減っていないかをあわせて確認しましょう。

認知症高齢者が熱中症になったときの対処法

認知症高齢者が熱中症になったときの対処法
  • 意識レベルの確認
  • 涼しい場所へ移動
  • 体の冷却と水分・塩分補給

上記は、認知症高齢者が熱中症になった際の対処法です。認知症高齢者は、自分で状態を説明できず、周囲からの対応を拒否する可能性があるため、一般的な熱中症対応と比較して対応が困難なことがあります。

意識レベルの確認

  • 反応が鈍い
  • 話がかみ合わない
  • 目を開けない
  • 歩けない
  • けいれんしている
  • 自分で水が飲めない

熱中症が疑われる場合は、すぐに意識状態の確認をし、上記のような反応や、反応が普段と明らかに違う場合は救急車を呼びましょう。

認知症高齢者は普段から反応が乏しかったり、会話がかみ合わなかったりするため、異常かどうかの判断がしにくいことがあります。普段の様子と比較して、いつもと違う変化をみることがポイントです。

もし、救急車を呼ぶか迷った場合は「#7119」(救急安心センター事業)に相談しましょう。

参考:厚生労働省「大人の症状は#7119」
※#7119は対応時間や受付内容が自治体によって異なります。

涼しい場所へ移動

熱中症になったら、まず日陰や冷房の効いた部屋など涼しい場所に移動して、体を冷やします。移動が難しい場合は、その場で風を当てましょう。

移動後は衣服を少し緩め、風通しを良くします。
認知症高齢者は現状把握が難しく、衣服を緩める際に嫌がられるかもしれません。声をかけながら進め、プライバシーにも配慮しましょう。

体の冷却と水分・塩分補給

熱中症の重症化を防ぐために体を冷やし、水分と塩分を補給しましょう。

首の左右や脇の下、脚の付け根など太い血管が走行している部位を冷却すると効果を得られやすいです。
扇風機やうちわがあれば、体の表面を水で濡らし、風を当てて体温を下げましょう。

水分摂取できそうであれば、塩分や電解質が含まれている経口補水液やスポーツドリンクなどを飲んでもらいます。認知症高齢者は、飲み込みの機能が低下しており、水分をうまく飲めない場合があります。
意識がはっきりしない、飲み込めないといった場合は、誤嚥の危険があるため、無理に飲ませることは危険です

本人の拒否で飲めない場合は、本人の好みに合わせた飲み方やゼリーなども試してみます。
それでも水分補給ができない場合は、医療機関を受診するか救急車の要請を検討しましょう。

日常生活での水分補給は水やお茶で十分ですが、大量発汗時は塩分補給も必要です。

熱中症対策の塩分補給について詳しくはこちら↓
【高血圧の方向け】熱中症対策の塩分補給。摂取量の目安や正しい摂取方法など解説

認知症高齢者の熱中症対策は周囲の見守りと環境づくりが大切

認知症高齢者は、暑さや喉の渇きを感じにくく、自分で対応が難しいため、熱中症になりやすい状態にあります。

重度の熱中症は脳にダメージを与え、認知機能のさらなる低下につながる可能性も指摘されています。

だからこそ、熱中症にならないための環境づくりが大切です。室温の管理や水分補給、服装などの確認は本人任せにせず、周囲の人が見守りや声掛けをします。

本人の様子がいつもと違うときは、無理に判断せず、早めにかかりつけ医や救急相談窓口を頼ると安心です。




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