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2026.8.24

高齢者の熱中症は室内で起こりやすい?注意すべき初期症状や適切な室温など解説

高齢者の熱中症は室内で起こりやすい?注意すべき初期症状や適切な室温など解説

「高齢者は室内でも熱中症になるの?」
「高齢者が室内で熱中症にならないためにはどうすればいいの?」

という方のために、高齢者が室内で熱中症になる理由や初期症状、対策方法をまとめました。

熱中症で救急搬送される人の多くは高齢者で、自宅で発症するケースも少なくありません。
室温調整や水分摂取、服装選びなど、室内でできる対策を解説します。

熱中症対策に最適な飲み物について詳しくはこちら↓
【管理栄養士監修】熱中症対策に最適な飲み物ランキング紹介!正しい飲み方や自分で作る方法も

高齢者の熱中症は室内でも多く発生している

高齢者の熱中症は室内でも多く発生している

高齢者の熱中症は、室内でも多く発生しており、十分な対策が必要です。

令和7年5〜9月の消防庁による報告では、救急搬送された人のうち、高齢者が約57%を占め、発生場所は住居が約38%と最も多い結果でした。

熱中症は、屋外で作業やスポーツをしている人に起こるというイメージですが、室内でも起こる可能性があります。特に高齢者は住居での熱中症が多いため、注意しなければなりません。

参考:(消防庁)令和7年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況

高齢者の室内熱中症が起こる理由

高齢者の室内熱中症が起こる理由
  • 身体機能の低下で「暑い」と感じにくい
  • 水分摂取が不足しがち
  • 電気代節約意識

高齢者が室内でも熱中症になる背景には、体の変化と暮らしの習慣が重なっています。特に気をつけたい3つの理由を見ていきましょう。

高齢者が熱中症になる原因について詳しくはこちら↓
高齢者の熱中症の原因は?適切な予防策と対処法を解説

身体機能の低下で「暑い」と感じにくい

高齢になると温度を感じる感覚が低下する傾向にあるため、室内の危険な暑さに気づけず、熱中症リスクが高まる可能性があります。

暑さを自覚できないと、衣服・室温の調整、水分補給などの対策が遅れがちです。
暑いと感じていなくても、温湿計などで室温を把握し、エアコンの使用など適切に対処しましょう。

水分摂取が不足しがち

  • 喉の渇きを感じにくい
  • 加齢で体内の水分量が少ない
  • トイレが近くなるのを避けるための飲み控え

高齢者は、上記の理由で水分摂取が不足しやすく、室内でも熱中症になる可能性があります。

暑さや喉の渇きを感じにくいため、室内で過ごしていると水分補給を忘れてしまいがちです。
しかし、暑い環境では汗をかくだけではなく、気づかないうちに皮膚や呼吸からも少しずつ水分が失われています。

トイレを気にして水分を控える方も少なくないため、時間を決めて水分補給する、家族や周囲の人が声をかけて水分摂取の機会をつくるなど、対策しましょう。

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電気代節約意識

「電気代がもったいない」という気持ちや冷えに対する苦手意識から、エアコンの使用を控える高齢者が少なくないことも、室内での熱中症発生率が高い要因と考えられます。

熱中症警戒表示機能付き温湿計で室温の危険度を客観的に把握できるようにしたり、温暖化によって昔より気温が上昇している事実や室内の熱中症で命を落としかねない現状などを伝えたりして、エアコンを使う必要性を理解してもらいましょう。

エアコンは部屋が冷えたからといってすぐに消してしまうと室温が戻り、冷やし直すたびに電気を多く使います。また、室温が上下すると体温調節機能に負担をかけ、自律神経の乱れや血圧変動などによる体調不良を招きかねません。
寒さや冷えを感じたらすぐに電源を切らず、かけものを使う、風向きを変えるなどで調整しましょう。

高齢者がエアコンを嫌いな理由について詳しくはこちら↓
高齢者がエアコンを嫌いな理由は?夏に使ってもらうための方法

高齢者の室内熱中症で注意すべき初期症状

高齢者の室内熱中症で注意すべき初期症状
  • めまい・立ちくらみ
  • 食欲不振
  • いつもと違う汗のかき方

室内で過ごしている高齢者に上記の症状が出ても、体調不良や夏バテと勘違いされ、熱中症だと気づかれない場合があります。
発見が遅れると重症化するおそれがあるため、知っておくべき代表的な初期症状を紹介します。

高齢者の熱中症が重症化しやすい理由について詳しくはこちら↓
高齢者の熱中症が重症化しやすい理由は?うつ熱(こもり熱)などの症状や重症度を解説

めまい・立ちくらみ

水分不足などによって全身をめぐる血液が減り、脳への血流が一時的に不足すると熱中症の初期症状としてめまいや立ちくらみが起こる場合があります。

高齢者の場合、ふらつきによる転倒リスクもあるため、異変を感じたら無理に動かずその場で座るか横になって休みましょう。部屋を涼しくして体を冷やし、水分・塩分を補給して安静を保ちます。

症状が改善しない場合や自分で水分を取れない場合は、医療機関の受診が必要です

食欲不振

脱水や体温上昇によって胃腸の働きが低下すると、食欲不振や胃のむかつきといった熱中症の初期症状が現れる可能性があります。

食事がとれないと、食事からの水分・塩分摂取量が減ってさらに症状が悪化するおそれがあるでしょう。
エアコンが効いた部屋でゼリーや経口補水液など、摂取しやすいものを補給することが大切です。

水分すら摂取できなければ受診または救急要請を検討しましょう。

いつもと違う汗のかき方

熱中症の初期症状は大量に汗をかくことがあり、重症化すると体が熱いのにまったく汗をかかなくなります
普段と違う汗の様子は、体温調節機能に異変をきたしているサインかもしれません。
脱水が進むと熱を下げるための汗をつくれず、ますます体内に熱がこもるでしょう。

肌が異常に熱くて乾いている場合や冷や汗のような異常な発汗が見られるときは、熱中症の可能性があるため、速やかにスポーツドリンクや経口補水液を飲み、涼しい場所で体を冷やしましょう。

呼びかけへの反応が乏しい場合は、救急要請が必要です

高齢者を室内熱中症から守る対策は?

高齢者を室内熱中症から守る対策は?
  • 室温28℃以下・湿度60%以下
  • こまめな水分補給
  • 通気性・速乾性の良い涼しい服装

高齢者は感覚機能の低下で暑さや喉の渇きを感じにくく、自分の感覚だけで対策すると気づかないうちに熱中症になってしまう可能性があります。意識的に上記の対策を心がけ、家族や周囲の人も生活に注意を向けるようにしましょう。

高齢者の熱中症対策について詳しくはこちら↓
高齢者の熱中症対策!暑い夏を乗り切る飲み物や食事・グッズなど紹介

室温28℃以下・湿度60%以下

高齢者が過ごす室内を、室温28℃以下、湿度60%以下になるようエアコンで調整すると、熱中症リスクが下がります。
部屋の温湿度がわかるように、熱中症警戒表示機能付き温湿計を置いておくと管理しやすいでしょう。

湿度が高いと汗が乾かず、体温が下がりにくくなるため、湿度の管理も重要です。湿度が高い場合はエアコンに加え、除湿機も併用するとより快適に過ごせるでしょう。

エアコンの温度設定について詳しくはこちら↓
高齢者が快適に過ごせる冷房の設定温度は?最適な室温や寝るときの注意点など

こまめな水分補給

食事からとる水分とは別に、1日あたり1,000〜1,500mlの水分を摂取し熱中症を予防しましょう。

1日のなかで水分摂取のタイミングを決めておくと、飲み忘れ防止につながります。
たとえば、起床時・朝食・10時・昼食・15時・夕食・入浴後・就寝前のタイミングでコップ1杯(水150ml)ずつ飲むとよいでしょう。
ほかにも、ペットボトルや水筒に1日分の飲み物を用意して残量を確認するなど、水分摂取量を管理する方法があります。

心臓や腎臓に持病がある方が大量に水分を摂取すると、体に負担がかかることもあるため、飲水量をかかりつけ医に相談しておきましょう。

高齢者の水分補給について詳しくはこちら↓
高齢者の水分補給は何がいい?1日の摂取量目安やタイミング・拒否された際の対応など

通気性・速乾性の良い涼しい服装

室内で過ごす高齢者は、通気性・速乾性が良い服を選ぶと、汗が乾いて体温が下がりやすくなります。
具体的には麻や綿、機能性素材が向いています。少しゆったりとした服にし、風の通り道をつくりましょう。

高齢者は暑さを感じにくいため、夏でも長袖やベストを重ね着したまま過ごすことがあります。また、汗をかいても不快感を察知しにくく、汗で濡れた服を着たまま過ごしてしまうことも少なくありません。
重ね着は体温を上げやすく、濡れた服は汗の蒸発を妨げて体温を下がりにくくします
体内に熱がこもらない服装を心がけ、必要であれば着替えるようにしましょう。

高齢者の室内熱中症は室温管理と水分補給で予防を

高齢者の熱中症は、屋外だけではなく室内でも多く発生しています。
加齢により暑さや喉の渇きを感じにくくなるうえ、電気代を気にしてエアコンを控えると、気づかぬうちに熱中症のリスクを高めかねません。

めまいや立ちくらみ、食欲不振、いつもと違う汗のかき方は、熱中症の初期症状かもしれないため、速やかに部屋を涼しくして体を冷やし、水分・塩分補給をしましょう。
日頃から室内の温度と湿度を適切に保ち、時間を決めた水分補給や通気性の良い服装を心がけると、室内での熱中症発症を防ぎやすくなります。

高齢者は自分で異変に気づかないこともあるため、家族や周囲の人も配慮しましょう。

PROFILE

顔写真・イラスト

看護師

竹澤孝平

(Takezawa Kohei)

現役のベテラン看護師。集中治療領域を専門に、命の最前線で培った確かな知見が強み。現場では新人看護師の指導や医療安全委員会、BLSインストラクターとして活動し、後進の育成や危機管理、救急医療に注力。現在は看護師業の傍ら、豊富な臨床経験と専門知識を活かし、読者の不安に寄り添う看護・介護系のWEB記事を執筆中。エビデンスに基づいた、正確で分かりやすい情報を届けるプロライターとして活躍。



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