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2021.12.24

食べるリハビリとは?摂食嚥下障害でも口から食べることを諦めないで

食べるリハビリとは?摂食嚥下障害でも食べることをあきらめないで

口から食事をとることは、栄養を摂取するだけでなく生きる喜びを感じられる行為です。

病気や加齢によって、口から食事を食べにくくなった人にとって、「食べるリハビリ」は人生の意味を与える大きなものとなります。

この記事では、食べるリハビリとは何か、メリットやデメリット、具体的なリハビリ内容などを紹介します。

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食べるリハビリ

病気や加齢などによって食事を取りにくくなった人が再び口から食事をとれるようにする訓練。

窒息予防や老衰防止などのメリットがある。

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食べるリハビリとは?

食べるリハビリとは?何らかの原因で嚥下障害を引き起こした際、再び口から食事ができるようにするためのリハビリ

食べるリハビリとは、口から食事をとり、上手に胃へ送り込めるようにする訓練です。

病気や怪我、年齢による機能低下などにより、食べ物を飲み込むことが困難になることがあります。

食事を飲み込む際に咳き込んだり、詰まったりし、食べることが難しくなることを「嚥下障害」と言います。

食べるリハビリは、何らかの原因で嚥下障害を引き起こした際に、再び食事を口から摂れるようにするために行うリハビリです。

口から食べることが困難になる原因

食べるのが困難になる原因 器質性(咽頭がん等)・運動障害性(食道痙攣等)・機能性(多発性口内炎等)・心因性(うつ病等)
  • 器質性
  • 運動障害性
  • 機能性
  • 心因性

口から食べることが難しくなる主な原因として、上記の3つが考えられます。

それぞれ詳しく見てみましょう。

器質性

器質性とは、臓器や器官に問題が生じている場合に使われる言葉です。

食べ物を飲み込む際、食べ物が通る部分の器官に問題があり、食べ物の通過が困難になっているケースは、器質性の原因があると言えます。

例えば、咽頭がん、食道がんといった、腫瘍で食べ物が通りにくくなっている状態です。

また、口唇口蓋裂など器官の形状異常からくる嚥下障害も器質性となります。

運動障害性

食道痙攣、食道の筋肉が正常に弛緩しなくなるアカラシアなど、食道部分の運動がうまくいかないことが原因で口から食べにくくなることがあります。

食べ物が胃に移動しにくくなるため、嚥下を引き起こす可能性が高まるでしょう。

機能性

機能性は、食べ物を飲み込む際に使う筋肉や神経系の機能に問題があるケースを指します。

加齢による筋肉の衰えで嚥下障害が起こっている場合は、機能性にあたります。

多発性の口内炎など、炎症などで嚥下時に痛みを伴うものも機能性です。

また、ヒステリー球や拒食症は、筋肉や神経に病変をきたすため、機能性の嚥下障害に繋がる可能性があります。

心因性

うつ病、拒食症など心因性の原因から食欲不振を起こすと、嚥下が困難になることがあります

心因性の疾病が原因だと、食事の際は嚥下障害が見られず、つばを飲み込むときに異物感を覚えるという特徴が出ることもあります。

口から食べるメリット

口から食べるメリット ・誤嚥性肺炎や窒息予防・低栄養状態の予防・老衰予防
  • 誤嚥性肺炎や窒息の予防
  • 低栄養状態の予防
  • 老衰予防

口から食べると、上記3つのようなメリットがあります。

無理に口から栄養をとらなくても、現在は経管栄養という方法があります。

経管栄養とは、点滴やチューブなどを使い、胃や腸に直接栄養を送る方法です。

経管栄養という方法があっても「食べるリハビリ」が推奨されるのはなぜなのかを解説します。

誤嚥性肺炎や窒息の予防

口から食事を摂ると、顔周りの筋肉や口の中の筋肉が鍛えられるため、誤嚥性肺炎や窒息の予防になります

口から食事をとらなければ食べるために必要な筋力が衰え、飲み込む力が低下するでしょう。

喉などの筋肉が衰退してしまうと嚥下機能の低下に繋がり、唾液や淡でも誤嚥に繋がるかもしれません。

誤嚥性肺炎や窒息を引き起こしてしまうこともあります。

日常生活を安全に送れるように、口から食事をとることはとても重要なのです。

低栄養状態の予防

口からの食事は、低栄養状態の予防に繋がると言われています。

食べ物が口から消化器官を通ると、胃や小腸などの内臓が活発に動き出します。

食べ物の消化に必要は消化酵素の分泌、内臓の蠕動運動など、カラダは消化を促進させるでしょう。

日々消化管を活発化させておくと、カラダが栄養を吸収しやすい状態を保てるので、低栄養状態に陥りにくいと考えられています。

老衰予防

味や食感などは、口から食べて初めて感じられ、生きる喜びや意欲になります

口からの食事は精神面にも大きく影響し、人生の質を向上させることに繋がるでしょう。

生き甲斐は老衰予防になるため、口からの食事は生活で重要な働きを持っているのです。

口から食べるデメリット

口から食べるデメリット・誤嚥の危険性がある・食事が負担になって低栄養になる・口のケアが必要・介護者の負担
  • 誤嚥の危険性がある
  • 口から食べるのが負担で逆に低栄養になる
  • 口のケアが必要
  • 介護者の負担

口から食べるメリットはたくさんありますが、良いことばかりではありません。

誤嚥の危険性や口のケア・介護者の負担といったデメリットもあります。

誤嚥の危険性がある

既に嚥下機能が低下していると、口から食べる食事は誤嚥の危険性があります。

食べ物が食道ではなく気管に入り、ムセたり咳が出たりします。

誤嚥性肺炎や窒息の原因になることもあるため、注意が必要です。

口から食べるのが負担で逆に低栄養になる

口から食事をするための機能が衰えていると、口から食べることができても以前のようなペースや量を保てなくなります

ゆっくり少しずつ食べることを余儀なくされ、口から食べることが億劫になることがあるでしょう。

食事に対する興味が薄れ、逆に低栄養を招く可能性もあります。

口のケアが必要

口から食べるのに欠かせないのが、口腔ケアです。

虫歯や歯周病といったリスクとは切っても切り離せないので、しっかり口内環境を整えなければなりません。

介護者の負担

食事に援助が必要な場合、「口から食べる」をサポートしてくれる人が必要です。

食べられるメニューの準備、食事、片付けなど、介護者のタスクが増えるため、負担が大きくなってしまいます。

言語聴覚士がサポートする嚥下障害のリハビリ

言語聴覚士の食べるリハビリ 1.観察・検査 2.関節訓練(食べ物を使わない) 3.直接訓練(食べ物を使う)
  1. 観察・検査
  2. 間接訓練
  3. 直接訓練

少しでも長く食事を楽しむための「食べるリハビリ」は、言語聴覚士によるリハビリが有効だと考えられています。

言語聴覚士は、疾病や事故などによって言葉によるコミュニケーションが困難となった方に対して、さまざまな方向から支援する専門家です。

摂食・嚥下の問題も、言語聴覚士が専門的に対応してくれます。

言語聴覚士による「食べるリハビリ」は、観察や検査を行い、間接訓練と直接訓練が行われます。

1.観察・検査

まず、対象者の口腔内や全身状態を観察します。

30秒間に唾液を何回飲み込めるか、少量の水を飲むテストなどを行い、必要に応じてX線や内視鏡の検査をします。

対象者の状態をしっかり把握することで、訓練の内容や方向性などを定めます。

2.間接訓練

間接訓練とは、食べ物を使わない基礎訓練です。

顔周りや口、喉といった、食べ物を飲み込むために必要な器官について、機能を回復させます。

マッサージやトレーニングなどを行い、嚥下に必要な筋肉の強化や凝り固まった部分の緩和をします。

3.直接訓練

直接訓練は、食べ物を実際に用いて食事をするトレーニングです。

水分やゼリーなど、口から取り入れやすいものから始めて、様子を見ながら徐々に通常の食事へ近づけていきます。

誤嚥が起こらないよう、言語聴覚士などの専門スタッフが対象者の状態・体調を見極めて行わなければなりません。

嚥下のリハビリは病院でできる?

  • 病院
  • 老人ホーム
  • デイサービス
  • 福祉施設など

食べるリハビリは、医療機関をはじめ、老人ホームやデイサービス、障碍者福祉施設などで受けられる可能性があります。

しかし、実施しているところと実施していないところがあり、施設によって内容もさまざまです。

事前にリサーチする必要があるでしょう。

自宅でできる嚥下リハビリ

自宅でできる嚥下リハビリ ・顔周りのマッサージ・肩や首のストレッチ・早口言葉・口の体操や歌など
  • 顔周りのマッサージ
  • 肩や首のストレッチ
  • 早口言葉口の体操や歌など

嚥下に不安を感じてきたら、自宅でできるリハビリを生活に取り入れてみてください。

頬・首・口のマッサージや肩・首のストレッチを行うと、食べるときに使う部分を動かしやすくなるでしょう。

早口言葉、口の体操や歌は、飲み込むのに必要な筋力を発達させる効果が期待できるので、嚥下機能の低下を防ぎます。

食べるリハビリは生きがいに繋がる!

食べるリハビリは、口から食事ができる機能を回復させて、できるだけ長く生きる意欲を持って生活するためのものです。

誤嚥性肺炎や窒息、低栄養状態、老衰の予防にもなり、心身の健康に繋がります。

口腔ケアが必要だったり、介護者の負担が増えたりするデメリットもありますが、少しでも長く口から食事をするには大きな意味があります。

食べるリハビリを実施している施設をうまく利用し、負担を軽減しながら行うのもおすすめです。




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