【理学療法士考案】座位でもできる高齢者転倒予防トレーニングを動画つきで紹介
「筋力の低下を感じていて転倒しないか不安」
「転倒予防に自宅でできる体操を知りたい」
と不安を感じている方に、高齢者の転倒予防トレーニングについてまとめました。
転倒の原因と対策、転倒予防トレーニングの効果、具体的なトレーニングメニューを詳しく紹介します。
高齢者の転倒は若者の転倒より危険?
- 高齢者が転倒しやすい理由
- 高齢者の転倒は寝たきりになることも?
若い人の転倒は打撲などの軽傷の場合が多いですが、高齢者の転倒は骨折などその後の生活に大きな影響を与える恐れがあります。
ここでは高齢者が転倒しやすい理由と、転倒によるリスクについて解説します。
高齢者が転倒しやすい理由
- 筋力低下
- 平衡機能の低下
- 運動量低下
高齢者が転倒しやすい原因には、敷居が高い等の環境による外的要因と、身体の状況による内的要因がありますが、今回は内的要因についてご紹介します。
高齢になると、加齢に伴い筋肉の量や強度が減少します。下肢や体幹などの筋力低下は、足が上がりにくく段差や障害物などにつまずきやすくなり、転倒するリスクが高まります。
また、平衡機能の低下も転倒しやすくなる原因のひとつです。
平衡機能が低下すると、身体の動きに対する反応が遅れたり、バランスを崩した時に体を元の位置に戻すのが難しくなったりすることがあります。
若い時と比べて運動する機会が減ることも、筋力低下を引き起こす原因になります。
日頃から適度な運動を習慣にすると、筋力の低下を防ぎ転倒予防につながるでしょう。
高齢者の転倒は寝たきりになることも?
高齢者は、骨密度の低下や運動不足により骨への負荷が不足することで骨自体が弱くなり、骨折する可能性が高まります。
また、高齢者は若い人よりも骨折の治癒に時間がかかり、ベッドの上で過ごす時間が長くなる可能性があるでしょう。
そのため、リハビリなどの運動を行わないと座ったり立ったりすることが難しくなり、寝たきりになってしまう可能性があります。
高齢者の転倒予防運動がもたらす効果
- 自立歩行の維持
- 健康の維持
- 意欲向上や精神安定
日常的に運動を行うことで、転倒予防の他に上記のようなさまざまなメリットがあります。
高齢者が転倒予防運動をすることで得られる効果について、詳しく解説します。
自立歩行の維持
転倒予防運動を行うと、下肢筋力やバランス感覚が向上し、安定した歩行ができます。
歩行の安定性が向上することで、長く自立歩行の維持が可能になるでしょう。
自立歩行が維持できると、趣味活動やサークル活動などを継続して行うことができるため、自立した自分らしい生活につながります。
健康の維持
高齢になると日常的な活動量も減少し、基礎代謝も低下していきます。
しかし、運動により活動量が増えると筋肉の量が増え、エネルギー消費量も増えます。
エネルギー消費量が増えれば食欲も維持でき、しっかり栄養を確保できる身体状況となります。
筋肉の成長や維持には適切な栄養摂取が不可欠なので、運動をしてしっかりと食事を摂ることで、低栄養防止や体調の安定を測ることができるでしょう。
意欲の向上や精神安定
適度な運動を行うことで、意欲の向上やストレスの緩和など、精神面でよい効果が期待できます。
体の健康と心の健康は相互に関係しており、積極的な運動は転倒予防だけでなく意欲的に生活する助けとなるでしょう。
高齢者の転倒予防には下肢筋力トレーニングを中心に
転倒を予防するためには、下半身の筋力を中心に鍛えることが重要です。ここでは、自宅でできる下肢筋力トレーニングを紹介します。
かかと上げ運動
- 椅子に座り、背中を伸ばし足は床にしっかりとつける。
- 両手は椅子の両側につけるか、太ももに置く。
- つま先立ちの姿勢になるように、足首を使ってかかとをゆっくりと床から浮かせる。
- ゆっくりとかかとを下げ、元の姿勢に戻す。
- 10回を1セットとして行う。
かかと上げ運動は、ふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニングです。
この運動は、下肢筋力の向上やバランスの向上だけでなく、下肢の血流改善やむくみの軽減にも効果があります。
しっかりとふくらはぎの筋肉を動かし、歩行の安定性の向上やむくみ、冷え性の改善を図りましょう。
10回1セットを目安に、無理のない範囲で行いましょう。
つま先上げ運動
- 椅子に座り、背中を伸ばし足は床にしっかりとつける。
- 両手は椅子の両側につけるか、太ももに置く。
- かかとを床につけたまま、つま先をゆっくりと床から浮かせる。
- ゆっくりとつま先を下げ、元の姿勢に戻す。
- 10回を1セットとして行う。
つま先上げ運動は、すねの筋肉を鍛えるトレーニングです。
歩いている時につまずいてしまう方は、つま先がしっかりと上がっていない「すり足歩行」になっている可能性があります。
つま先上げ運動を行うことですり足歩行が改善し、転倒予防につながるでしょう。
10回1セットを目安に、無理のない範囲で行いましょう。
腿上げ運動
- 椅子に座り、背中を伸ばし足は床にしっかりとつける。
- 両手は椅子の両側につけるか、もしくは太ももに置く。
- 膝を曲げたまま、無理のない範囲で太ももを上げる。この時体が反ったり丸まったりしないように注意する。
- 太ももの収縮を感じながら、ゆっくりと足を下ろす。
- 左右交互に10回を1セットとして行う。
腿上げ運動は、太ももの筋肉や股関節周りの筋肉を鍛えるトレーニングです。
特に太ももの筋肉は体の中でも大きい筋肉なので、下肢筋力の向上だけでなく基礎代謝も向上します。
10回1セットを目安に、無理のない範囲で行いましょう。
足指把持トレーニング
- 椅子に座って薄めのタオルを前方に敷く。
- 足の指を使って敷いたタオルをたぐりよせる。
難しい場合は、タオルを足の指でつまむ運動から始めましょう。
慣れてきたらおてだまやビー玉を足の指で掴む訓練をするとさらに有効です。
紹介している回数やセットはあくまで例です。体調や身体状況、安全面を考慮し、健康に支障のない範囲で行いましょう。
理学療法士考案!転倒予防トレーニングにもなるりふり体操
りふりでは、理学療法士が座ってできるりふり体操を考案しました。
座ってできる上に全身運動にもなるため、転倒予防におすすめのトレーニングです。
体力に自信のない高齢者や運動をこれから始める方など、ぜひ日常に取り入れてみてください!
また、生活リハビリデイサービスりふりでは、口腔・睡眠・運動器の体操を同時にできる高齢者向けトレーニングを導入しています。
健口眠体操をバーチャルゲーム化した、健口眠体操バーチャルゲームプログラムもあります。
転倒予防体操に加えて口の健康や姿勢改善などの効果が期待できる健口眠体操はこちら↓
【高齢者向け体操】健口眠体操バーチャルゲームプログラム|口腔・睡眠・運動器トレーニング
適度な運動をして転倒を予防しよう!
高齢者は、加齢により筋力の低下や活動量の低下により転倒のリスクが高まります。さらに、転倒による骨折で寝たきりになってしまう可能性もあります。
そのため、転倒予防トレーニングの習慣をつけ、筋力の維持・向上を図ることが大切です。
りふりでは、理学療法士が考案して座位でも立位でもできる「りふり体操」を実施しています。自宅でも簡単にできるので、これから運動を始める方も日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。
転倒予防トレーニングには、筋力向上だけでなく健康の維持や意欲の向上の効果があります。日常に転倒予防トレーニングを取り入れて、心身ともに健康な毎日を送りましょう!
生活リハビリデイサービスりふりについてはこちら↓
生活リハビリデイサービスりふり
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