高齢者には指先のリハビリがいい?期待できる効果解説!簡単な手遊びや指体操も
「指先のリハビリって、何をするの?」
「指先のリハビリにはどんな効果があるの?」
指先のリハビリは、高齢者の方にとって、脳の活性化や認知症予防、日常生活動作の改善などに効果があるといわれています。しかし、リハビリといっても、具体的にどのように行えばいいのでしょうか?
そこで、この記事では、高齢者の指先に関するリハビリの重要性や簡単なやり方を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
指先の運動は脳を活性化する
指の運動は脳のさまざまな部分を刺激し、脳の働きを活性化する効果が期待できます。指は「第二の脳」と呼ばれるほど、脳に対して影響が大きい部分です。
指には多くの神経が集まっているため、指を動かすと脳に信号が送られます。この信号は脳の血流を増やし、脳に酸素や栄養の供給を促すといわれています。指先の運動は、身体に負担が少なく道具が無くても簡単にできるので、高齢者の方はぜひ日頃から取り組んでみてください。
高齢者の指のリハビリで期待できる効果
- 認知症予防
- 食べこぼしがなくなり食事量が増える
- 着替え等の細かい作業が安定する
指の運動で脳が活性化すれば、日常生活にも良好な影響が期待できます。また、脳の活性化と同時に指の柔軟性や筋力向上に効果的であるため、食事の際や着替え等の細かい作業で変化がみられる可能性があるでしょう。
認知症予防
指のリハビリは、認知症の予防に効果があるといわれています。認知症は、脳の神経細胞が減少することで起こる病気であるため、指のリハビリをすることで、脳の神経細胞が活性化されて、認知症の予防や進行を遅らせる効果が期待できます。
記憶力や判断力、創造力など、脳の機能向上にもつながるでしょう。
食べこぼしがなくなり食事量が増える
指のリハビリは、食べこぼしがなくなり、食事量が増える効果も期待できます。上手く食器が使えないと時間がかかったり、こぼしたりするため食欲減退につながるでしょう。指のリハビリをすることによって、指の柔軟性や筋力、感覚が向上すると、以前よりお箸やスプーン、食器などが上手く使えます。
自分でスムーズに食べられると食事が楽しくなり、食べる意欲も湧いてくるでしょう。栄養やエネルギーをしっかり摂れるため、体力や免疫力の向上にもつながります。
着替え等の細かい作業が安定する
指のリハビリは、着替えなどの細かい作業を安定させる効果があるといわれています。指が上手く動かせないとボタンのかけ外しやチャックなどにも苦労し、好きな服も自由に着られません。指のリハビリによって、細かい作業ができるようになると、日常生活の自立度が高まります。
自信や達成感にもつながり、生活が豊かになるでしょう。
自宅でできる簡単な手遊びや指体操等紹介
- むすんでひらいて
- 親指グーパー体操
- 親指体操
- 後だしじゃんけん
指のリハビリになる簡単な手遊びや指体操を紹介します。リズムに合わせて楽しみながらできる4つの指運動を選定しました。手首や指に痛みや違和感がある場合は、無理をしないようにしましょう。
むすんでひらいて
むずんでひらいては、「むすんでひらいて」の歌に合わせて手をにぎったりひらいたりする運動です。歌に合わせて手をしっかり動かしながら楽しみましょう。お孫さんなど、小さな子どもと一緒に遊ぶこともできます。
手を動かすだけでなく、肩を揺らしたり歌ったりなどしてリズムに乗ることも脳の働きを高めるといわれています。自分のペースで行い、無理のない範囲で行いましょう。歌の歌詞を覚えるのが難しい場合は、手の動きだけでも構いません。
親指グーパー体操
- 両手をグーにしますが、親指はグーの中に入れます。
- 両手の親指をグーの外に出します。
- 右手の親指はグーの外に出し、左手の親指はグーの中に入れます。
- 左右の親指の位置を入れ替えます。
親指グーパー体操は、親指の筋力を鍛えるためのトレーニングです。親指をグーの中に隠したり、グーの外に出したりして、親指の動きを変えてみましょう。親指の刺激は特に脳の活性化が期待できるといわれているため、親指を意識して動かしてみてください。10回を目安に無理のない範囲で行いましょう。
親指体操
- 親指と人差し指をくっつけます
- 次に、親指と中指をくっつけます
- さらに、親指と薬指をくっつけます
- 最後に、親指と小指をくっつけます
親指体操とは、親指と他の指を交互に合わせたり離したりする手の運動です。親指と他の指をくっつけることで、指の柔軟性を高めます。指の柔軟性が向上すると、ボタン留めなど日常生活の中で細かい動作がしやすくなります。
コツとしては、指の腹同士がしっかりと触れるようにしましょう。親指とくっつける指を誰かが指定するなどすると、少し難易度が上がってゲーム感覚で楽しめます。
後だしじゃんけん
- パートナーとじゃんけんのポーズをします
- パートナーがグー・チョキ・パーのどれかを出します
- パートナーの手に負ける手を出します
- 最後に、親指と小指をくっつけます
この手遊びは、パートナーとじゃんけんをしながら脳を鍛える運動です。パートナーの手から1テンポ遅れて、故意に負ける手を出します。指の反応速度や判断力を高め、脳の機能向上にも効果が期待できます。
慣れないうちは難しいかもしれませんが、楽しみながら挑戦してみてください。
指のリハビリになる身近な遊び
- お手玉
- あやとり
- 折り紙
身近な遊びのなかには指先のリハビリに効果的なものがあります。お手玉、あやとり、折り紙などは指先をよく使い、昔からある親しみやすい遊びであるため、おすすめです。
お手玉は、昔から日本で親しまれている遊びで、手や指の運動にもなります。基本はひとりで2個のお手玉を使って遊ぶ方法です。お手玉を交互に投げて受ける動作を続けましょう。お手玉を落とさないようにするのがコツです。
あやとりはひもを輪にして、指でいろんな形を作ります。指先を動かしながら、次に何をするか考えます。あやとりは、指の動きと頭の働きを鍛えられます。
折り紙では紙を折って、動物や花などの形を作ります。作品を作り上げる達成感を覚えたり創造力が向上したりすることも期待できるでしょう。
りふりで導入している指のリハビリ
- りふり体操に指先の運動もはいっている
- セラピストが利用者の状態に合わせて内容を考えてくれる
- ハンドクリップ等で自主トレもできる
りふりが行っている「りふり体操」は、立位でも座位でもできる全身運動で、指先のリハビリも含まれています。また、りふりはセラピストが利用者の状態や希望に合わせて組む個別リハビリを取り入れており、麻痺のある指をセラピストの補助で動かす、ボールをつかんでコップまで持って行って離す等の巧緻動作を組み合わせた運動を行うなど、ひとりひとりに必要な指先のリハビリを行う場合もあります。
その他、洗濯ばさみやハンドグリップ等を常備しているため、指先の運動を自主的にトレーニングすることも可能です。
指先のリハビリで、楽しみながら認知症予防
指先は多数の神経がある部位であり、動かすと脳への血流や栄養補給が促進されるため、認知症予防の効果があるといわれています。また、指先の動きがスムーズになれば食事や着替えなどの細かい作業もしやすくなり、健康増進やQOLの向上にもつながるでしょう。
「むすんでひらいて」や「グーパー運動」などの他、お手玉やあやとりなど身近な遊びも指先のリハビリに良いといわれています。少しの時間で気軽にできるため、高齢者の方はぜひ日頃から取り組んでみてください。
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