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2023.9.4

高齢者の体重を増やす食べ物│食べても痩せる原因や痩せすぎ対策、筋肉をつけるメニュー紹介

高齢者の体重を増やす食べ物│食べても痩せる原因や痩せすぎ対策、筋肉をつけるメニューを紹介

「最近、痩せてきたように感じる」

「食事量が低下してきていて、何を食べればよいのか分からない」

と悩まれている高齢者やそのご家族のために、高齢者の体重を増やす食べ物についてまとめました。

食事量が低下すると、必要な栄養素が摂取できず、低栄養に陥るおそれがあります。低栄養になると、寝たきりや要介護状態になるリスクが高くなるため、食事内容を工夫して対策していきましょう。

早めに対策すれば、体重減少によって引き起こされる疾患やリスクが防止できるでしょう。

高齢者が食べても痩せるのはなぜ?低栄養に注意

高齢者が食べても痩せるのはなぜ?低栄養に注意

高齢者は、加齢に伴って筋肉量や脂肪が減少するため、毎日3食食べていても痩せてしまうことがあります。また、運動不足や孤独感によるストレス・嗜好の変化・噛む力の低下などが原因で、知らず知らずのうちに食事量が減ってしまうこともあります。

食事量の減少で懸念されるのは「低栄養」です。低栄養は、サルコペニアやフレイルの原因になる可能性が高く、寝たきりや要介護状態になることも考えられるでしょう。

また、骨粗しょう症や誤嚥性肺炎のリスクも高くなり、命に関わる可能性もあるでしょう。そのため、特に高齢者は低栄養に注意して食事をすることが大切です。

高齢者の体重を増やす食べ物

  • 鍵はエネルギーとタンパク質
  • 少量で高カロリー!エネルギーとタンパク質摂取に有効な食べ物

高齢者の体重を増やすには、エネルギーとタンパク質が重要となります。なぜエネルギーとタンパク質なのか、エネルギーやタンパク質を効率的に摂取できる食品について、具体的に解説します。

鍵はエネルギーとタンパク質

推定エネルギー必要量(kcal/日)
男性女性
身体活動レベルⅠ(低い)Ⅱ(ふつう)Ⅲ(高い)Ⅰ(低い)Ⅱ(ふつう)Ⅲ(高い)
65~74(歳)2,0502,4002,7501,5501,8502,100
75以上(歳)1,8002,1001,4001,650
タンパク質推奨量(g/日)
男性女性
65~74(歳)6050
75以上(歳)6050
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

高齢者の体重を増やすためには、「エネルギー」と「タンパク質」が欠かせません。上記の表は、高齢者が1日に必要なエネルギーとタンパク質の量です。

エネルギーは体力を保つために、タンパク質は筋肉量を維持するために必要です。

体力や筋肉量が低下すると活動量が減り、食欲が低下します。すると、エネルギーとタンパク質を十分に摂れなくなるため、さらに体力や筋肉量が低下します。

このように悪循環に陥り、痩せてしまう高齢者は少なくありません。

少量で高カロリー!エネルギーとタンパク質摂取に有効な食べ物

  • プリン
  • カステラ
  • 牛乳
  • チーズ
  • クリームチーズ
  • ギリシャヨーグルト
  • サバ缶
  • ツナ缶

エネルギーとタンパク質両方を摂取するためには、上記のような食べ物がおすすめです。いずれの食べ物も、少量で高カロリー・高タンパクであり、手軽に食べられます。

間食や料理のトッピングにプラスして、エネルギーとタンパク質量をアップさせましょう。

高齢者の体重増加におすすめの筋肉がつくメニュー

高齢者の体重増加におすすめの筋肉がつくメニュー
  • クリームシチュー
  • 肉味噌煮込みうどん

高齢者の体重増加には、クリームシチュー・肉味噌煮込みうどんといったメニューがおすすめです。エネルギーとタンパク質量が多く、味付け・食事形態ともに食べやすいため、高齢者にもおすすめです。

クリームシチュー

(材料・1人分)
  • 鶏もも肉 50g
  • 玉ねぎ 1/4個
  • にんじん 1/4個
  • バター 10g
  • 牛乳 100g
  • 小麦粉 大さじ1
  • コンソメ 小さじ1/2
  • 塩・こしょう 少々

(作り方)

  1. 鶏もも肉は食べやすい大きさに切り、塩・こしょう(分量外)をふっておく
  2. 玉ねぎは薄くスライスし、人参は1cm角に切る
  3. 鍋にバターを入れて加熱し「2」を炒める
  4. 玉ねぎが透き通ってきたら鶏肉を加えて炒める
  5. 火が通ったら一旦火を止めて小麦粉を具材全体にからめる
  6. 牛乳・コンソメを加えて再度火をつけて具材を煮込む※焦げ付き防止のためときどきかき混ぜる
  7. すべての具材に火が通ったら塩・こしょうを加えて味を整える

肉味噌煮込みうどん

(材料・1人分)
  • ゆでうどん 1玉
  • 豚肉(薄切り) 50g
  • 油揚げ 1枚
  • かまぼこ 3~4切れ
  • 卵 1個
  • 小麦粉 大さじ1
  • 水 200ml
  • ★味噌 大さじ1
  • ★醤油 小さじ2
  • ★みりん 小さじ1
  • 顆粒和風だし 小さじ1
  • 長ねぎ 適量

(作り方)

  1. 豚肉は食べやすい大きさに油揚げは1~2cm幅に切る。長ねぎは小口切りにする
  2. 土鍋に水と顆粒和風だしと豚肉を入れて加熱してひと煮立ちさせる
  3. ★印の調味料を加えてさらにひと煮立ちさせる
  4. 油揚げ・うどんを加えて8~10分ほど煮込む
  5. かまぼこ・卵を加えて弱火にし、蓋をして1~2分ほど煮込む
  6. 牛乳・コンソメを加えて再度火をつけて具材を煮込む※焦げ付き防止のためときどきかき混ぜる
  7. 長ねぎを散らす

簡単に取り組める高齢者の痩せすぎ対策

簡単に取り組める高齢者の痩せすぎ対策

高齢者の痩せすぎを防ぐには、食事の工夫・適度な運動が必要です。難しい方法では長続きしませんが、生活に取り入れやすい簡単な方法を紹介します。

間食

間食は良くないイメージがありますが、実は高齢者の痩せすぎを防ぐためには、とても効果的です。食事で補いきれないエネルギーとタンパク質を、間食で補うことができます

食事では箸が進まないという高齢者の方は、間食を取り入れてみてください。

間食には、プリンや蒸しパン・ヨーグルト・カステラ・おしるこ(餅なし)・アイスクリームなどがよいでしょう。卵や乳製品を使っているお菓子は、エネルギーとタンパク質を手軽に摂ることができるため、特におすすめです。

また、プリンやヨーグルト・アイスクリームは、噛んだり飲み込んだりする力が低下している高齢者でも食べやすい食品です。高齢者の嚥下レベルや健康状態、嗜好に合わせて、間食のメニューを選ぶといいでしょう。

ただし、間食は1日1回、1回につき200kcal程度にしましょう。

また、糖尿病の方は、甘いものを食べると血糖値が上がってしまうため、間食については主治医の指示に従ってください。

ドラッグストアの栄養補助食品・プロテイン

食事や間食でエネルギーとタンパク質を摂取するのが難しい場合は、ドラッグストアの栄養補助食品やプロテインを利用しましょう。

栄養補助食品とは、食事だけでは補いきれない栄養素を補助するためのものです。ゼリータイプやバータイプのものなど、さまざまな形状・味の商品が売られているため、好みや嚥下レベルに合わせて選びましょう。

エネルギーやタンパク質だけではなく、ビタミンやミネラル類が配合されている商品もあり、不足しやすい栄養素を手軽に補えます。

プロテインは、タンパク質を手軽に補えるもので、粉末タイプやドリンクタイプなど、さまざまな形状・味の商品が売られています。

また、粉末タイプのプロテインはコーヒーなどの飲み物やホットケーキ・お好み焼きの生地に加えるなど、アレンジもできて便利です。好みや嚥下レベルなどに合わせて選びましょう。

適度な運動

高齢者の痩せすぎを防ぐためには、適度な運動も必要です。運動することでお腹が空くため、食事量が増えて必要な栄養素を摂取しやすくなるでしょう。

また、運動すれば筋肉量が増え、サルコペニアやフレイルの予防につながります

トレーニングには、ウォーキングなどの有酸素運動が効果的ですが、難しい場合は自宅でできる腿上げなどを行いましょう。

高齢者が自宅でできる運動について詳しくはこちら↓
理学療法士考案!高齢者が自宅でできる運動を動画で紹介

痩せすぎを防いで健やかな老後を送ろう!

高齢者は、加齢に伴う筋肉量・脂肪量の減少をはじめ、運動不足・孤独感によるストレス・嗜好の変化・噛む力の低下などが原因で、痩せやすくなります。痩せて低栄養になると、寝たきりや要介護状態になるリスクが高くなってしまいます。

エネルギーとタンパク質を十分に摂取できる食事や、適度な運動を心がけて、痩せすぎないように対策をすることが大切です。

りふりでは、栄養バランスのとれた昼食を提供しています。食事は温かい状態で提供されるため、食欲が低下している場合でも食べることができます。きざみ食・とろみ食・ムース食など、利用者一人ひとりに合わせた食事形態での提供も可能です。

また、セラピストによるマンツーマンリハビリも提供しています。利用者一人ひとりの体の状態に合わせて目標を設定し、個別にリハビリメニューを考案しています。食事と適度な運動を意識して痩せすぎを予防し、健やかな老後を送りましょう!




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