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2023.12.8

高齢者に最適な暖房の設定温度は?つけっぱなしの注意点や寝るときの対応など

高齢者に最適な暖房の設定温度は?つけっぱなしの注意点や寝るときの対応など

「高齢者が暖房を使用する際に注意した方がいいことってある?」
「高齢者に最適な暖房の温度は何度だろう?」

と、高齢者の暖房について設定温度などを知りたい方のために、情報をまとめました。高齢者が暖房をつけるときの注意点や、寝るときの対応についても紹介しています。

正しい暖房の使い方を知りたい高齢者の方やそのご家族の方は、ぜひ参考にしてください。

高齢者の冬の過ごし方について詳しくはこちら↓
冬の過ごし方や注意点丨高齢者は寒がり対策や運動で健康管理に気を付けて◎

高齢者の室温管理が重要な理由

高齢者の室温管理が重要な理由

高齢者は体温調節機能が低下して、寒さを感じにくくなります。さらに、筋肉量減少による熱産生の低下もみられ、体が冷えやすいため、暖房を適切な温度に設定して室内環境を整えることが大切です。

また、体が冷えると風邪をひきやすくなったり、寒暖差によってヒートショックを起こしたりと、体調を崩しやすくなります。高齢者は、一度体調を崩すと体力が低下し、持病が悪化したり、別の感染症にかかったりするおそれがあるため、健康管理に適切な室温管理が欠かせません。

高齢者に最適な暖房の設定温度は20~22度

高齢者に最適な暖房の設定温度は20~22度

高齢者に最適な暖房の設定温度は、20~22度だといわれています。それでも寒いと感じる場合は、衣類を羽織ったり、膝掛け・ストールを活用したりして対応しましょう。

暖房の設定温度を22度以上に上げると、熱中症になるリスクがあるため、積極的にはおすすめできません。また、暖房の設定温度を上げる場合は、熱中症予防のために設定温度は28度を超えないようにし、室内温度を28度以下に保つようにしましょう。

高齢者の暖房使用における注意点

高齢者の暖房しようにおける注意点
  • 湿度は45~55%を維持
  • 換気する
  • ヒートショックに気を付ける

高齢者が暖房を使用するときには、上記のようなことに気を付ける必要があります。ここでは、高齢者の暖房使用における注意点を分かりやすく説明します。

湿度は45~55%を維持

暖房の設定温度は20~22度が理想ですが、湿度は45~55%を目安にしましょう。室内温度が上がると、湿度は下がります。湿度が40%以下になると、インフルエンザなどにかかりやすくなるという報告があるため、加湿器を活用するなどして、適切な湿度に保つようにしましょう。

また、暖房や加湿器の設定温度・湿度と、実際の室内温度・湿度は異なる場合があります。温度計や湿度計、熱中症計を用意して、実際の室内環境をこまめにチェックすることが大切です。

換気する

室内の温度・湿度を適切に保つためには、定期的な換気が必要です。暖房によって汚れた空気を入れ替えられるというメリットもあります。

換気する際は、室内温度が下がらないように、暖房をつけたまま2段階で行うのがポイントです。使っていない部屋の窓を開け、廊下を経由して新鮮な空気を室内に取り入れましょう。

少し暖まった状態の空気を取り入れられるため、室内温度の変化を最小限に抑えられます。

ヒートショックに気を付ける

高齢者が暖房を使用する場合、ヒートショックに気を付けなければなりません。ヒートショックとは、急激に温度が変化することで血圧が乱高下し、心臓・血管系の病気が起こることをいいます。ヒートショックは、特に寒い冬場に起こりやすいといわれています。

たとえば、暖かいリビングから寒い浴室に移動すると、体温を上げるために血圧が上がりますが、その後入浴すると体が温まり、血圧が急に下がってしまいます。

10度以上の温度差がある環境では、ヒートショックが起こりやすいため、温度計・湿度計を活用する・2段階での換気を行うなどの工夫をして、家の中の温度・湿度を適切に保ちましょう。

暖房はつけっぱなしにしてもいい?

暖房はつけっぱなしにしてもいい?
  • 火災の原因になるかもしれない
  • 低温火傷になる可能性がある
  • 種類によっては一酸化炭素中毒の危険性がある

暖房はつけっぱなしでも良いのでしょうか?暖房をつけっぱなしにすると、上記のようなリスクが生じるため、危険です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

火災の原因になるかもしれない

暖房をつけっぱなしにすると、火災の原因になるかもしれません。電気ストーブや電気こたつのヒーター部分に、長時間布団や衣類が接触すると、火災が発生する場合があります。

特に、裸火型など古いタイプの暖房器具は、布団や衣類に接触しやすいため、注意が必要です。高齢世代の家にある暖房器具は古いタイプのものが多く、高齢者は身の回りに布団や座布団などを集めて生活する傾向があることから、火災が起こるリスクは高いでしょう。

そのため、就寝時や外出時は、必ず暖房のスイッチを切りましょう。

低温火傷になる可能性がある

ホットカーペットや電気毛布などの暖房器具は、直接体に触れるため、長時間つけたままにすると低温やけどを起こす可能性があります。エアコンやファンヒーターなど対流式の暖房器具も、体に直接当たると低温やけどを起こす場合があります。

皮膚が薄い高齢者は低温やけどを起こしやすく、自覚症状が現れにくいため、注意が必要です。暖房器具である程度体が温まったら、一度スイッチを切り、つけっぱなしを防ぎましょう。

種類によっては一酸化炭素中毒の危険性がある

石油ストーブやガスストーブをつけっぱなしにすると、一酸化炭素中毒を起こす危険性があります。一酸化炭素中毒は、石油やガスなどの不完全燃焼によって起こり、重症になると命を落とすケースもみられます。

一酸化炭素中毒は、十分な換気を行うことで未然に防げます。しかし、暖房器具をつけっぱなしで就寝したり外出したりすると、換気ができないため危険です。

そのため、石油ストーブやガスストーブはつけっぱなしを避け、就寝前や外出前には切って、長時間使用するときは換気を忘れずに行いましょう。

寝るときの暖房の使用について

寝るときの暖房の使用について

寝るときに暖房を使用する場合、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。ここからは、寝るときの暖房使用について詳しく解説します。

寝るときに必要な室温は20度前後・湿度は40~60%

寝るときは、室温を20度前後に、湿度は40~60%に保つようにしましょう。冬は寝室の室内温度が10度前後だといわれており、暖房を使用しなければ、寒さや空気の乾燥が気になって眠れない場合があります。そのため、暖房や加湿器で、眠りやすい室内環境にする必要があります。

また、布団の中と室内温度の差が大きいと、血圧が急に上がって脳血管疾患や心臓疾患を起こすリスクが高まります。寝るときの室内温度を整えることは、高齢者の健康を維持することにつながるでしょう。

タイマーを使用する

寒い冬は、寝るときに暖房や加湿器を使用することが勧められますが、つけっぱなしにはせず、タイマーを利用しましょう。暖房のつけっぱなしは、火災や低温火傷の原因になるおそれがあり、最悪の場合、器具によっては一酸化炭素中毒で命を落とすケースがあるからです。

タイマーを利用すれば、暖房器具や加湿器のつけっぱなしを防げます。また、気温は深夜から明け方に最も低くなり、それに伴って室内温度が下がるため、朝起きる1時間前などにタイマーをオンにしておくと良いでしょう。

正しく暖房器具を使って、冬を元気に過ごそう

高齢者は、体温調節機能の低下や筋肉量の減少によって、寒さに弱くなります。寒さによって風邪をひいたり、寒暖差によってヒートショックを起こす場合があるため、室内温度は20~22度・湿度は45~55%を目安に暖房器具・加湿器を使いましょう。

2段階換気と、こまめな温度計・湿度計のチェックが大切です。また、暖房器具をつけっぱなしにすると、火災や低温やけど、一酸化炭素中毒の原因になる危険性があります。タイマーを活用して、暖房器具のつけっぱなしを防ぎましょう。

暖房器具を使うことは、高齢者の健康を守ることにつながるため、正しい使用方法で寒い冬も元気に過ごしましょう!




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