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2025.1.14

高齢者の部屋を片付ける方法|片付けできない理由や使えるサービスの紹介

高齢者の部屋を片付ける方法|片付けできない理由や使えるサービスの紹介

年齢を重ねるにつれ、これまで当たり前にできていた片付けができなくなってしまうことがあります。

高齢の親の部屋が片付かず、どうしたらよいか悩んでいる方のために、高齢者の片付けについてまとめました。

高齢者が片付けられなくなる理由や、具体的な片付け方法、各種サービスの活用法も詳しく解説しています。ご家族の状況に合わせて、無理のない片付け方法を見つけていきましょう。

高齢者が片付けができない理由

高齢者が片付けができない理由

高齢者は、さまざまな要因が相互作用して徐々に片付けが苦手になっていきます。

身体機能の低下

身体機能が低下し、片付けに必要な力や体力が残っていないことが挙げられます。

加齢に伴い腰痛や関節痛が出やすくなったり、筋力が低下したりすると、かがむ・持ち上げる・運ぶなどの動作が困難になるでしょう。

また、視力の低下により細かいものが見えづらくなり、整理整頓がしにくくなることもあります。

体力的な負担を感じることで、次第に片付けを避けるようになってしまう場合も少なくありません。

認知機能の低下

認知機能の低下も、片付けられなくなる原因の一つです。

物の定位置を覚えられない、片付けの手順が分からなくなる、途中で何をしていたか忘れてしまうなど、認知機能の低下により片付けが難しくなります。

計画を立てたり、物事を最後までやり遂げたりする能力が低下することも、片付けが進まない原因でしょう。

また、必要なものと不必要なものの区別がつかなくなると、作業が進まない傾向があります。

物が捨てられない

戦後の物不足の時代を経験した世代は「もったいない」という意識が強い傾向にあります。

物を大切にする習慣が身についているため、たとえ現在は使用していない物でも、捨てることに強い抵抗を感じる方が多いのです。

また、思い出の品々への愛着も強く、整理が進まない原因となっています。

高齢者の部屋を片付ける方法

高齢者の部屋を片付ける方法

自力で片付けようとするのではなく、外部のサービスを利用すると片付けがスムーズに進む可能性があります。

訪問介護の片付けサービスを利用

介護保険サービスの一環として、ヘルパーによる居室の片付けを依頼できます。要介護認定を受けた高齢者や障害者が主な対象です。

ただし、介護保険が適用されるのは、日常生活に最低限必要な範囲の片付けに限られます。たとえば、利用者が主として生活する部屋の掃除や整理整頓、ゴミ出しなどの基本的な家事援助です。

利用者の自立を支援することを目的としているため、最低限の片付けに対して介護保険が適用されることがポイントです。

訪問介護の生活援助についてはこちら↓
訪問介護で生活援助はしてもらえる?内容や料金、時間等の条件などを解説

介護保険外サービスを利用

家事代行サービスなど、介護保険適用外のサービスを利用する方法もあります。

保険適用外のサービスは利用制限がなく、プロのスタッフによる本格的な片付けの依頼が可能です。

特定の作業を重点的に依頼するといった、利用者の具体的な要望に応じてサービスをカスタマイズできます。

ただし、費用は比較的高額です。思わぬ出費を避けるためには、事前に複数社から見積もりを取りましょう。

生活援助を依頼できる介護保険外サービスについてはこちら↓
介護保険外サービスって何?種類や料金を事例付きで紹介!

NPO法人やシルバー人材センターを利用

地域のNPO法人やシルバー人材センターでも、不用品の整理や自宅の片付けを手伝うサービスを提供しています。

料金は民間の業者と比べて安く、作業範囲の制限もありません。

遺品整理や、生前整理に特化したNPO法人も存在します。

ただし、専門的な清掃技術を持つスタッフとは限らないため、サービスの品質は事業者によって異なる点に注意が必要です。

高齢者の部屋を片付けるポイント

高齢者の部屋を片付けるポイント
  • 安全を第一に考えた片付け
  • 使いやすさを重視した片付け
  • 思い出ボックスの作成

片付けを始める前に高齢者本人と相談しながらリストを作成すると、本人の意思を尊重した片付けが可能になります。

安全を第一に考えた片付け

高齢者は身体的な能力が低下しやすく、転倒や事故のリスクが高まるため、片付けの方法や環境の工夫が必要です。

家具は壁に寄せて配置し、電気コードは壁際にまとめるなど、つまずきや転倒が起こらないよう配慮した動線を確保しましょう。

床に物を置かないようにすると、十分な歩行スペースを確保できます。

また、よく使うものは手の届きやすい位置に置くと、無理な動作を防止できます。

使いやすさを重視した片付け

見た目の美しさにこだわりすぎず、高齢者本人が使いやすい収納方法を優先します。

たとえば、引き出しよりも開けやすい扉付きの収納を選んだり、よく使うものは見えるところに置いたりするなど、実用性を重視した配置を心がけましょう。

収納ボックスや引き出しにはラベルを付けて、何が入っているかを一目で分かるようにすると、探し物の時間を減らし、ストレスを軽減できます。

思い出ボックスの作成

思い出の品々は、むやみに処分せず、専用のボックスを用意して大切に保管します。

写真や手紙、思い出の品などを収納すると、本人の心理的な負担を軽減しながらスペースの有効活用が可能です。

思い出ボックスは整理整頓を気にし過ぎず、好きなように入れてため込んでOKにすると管理も楽になるでしょう。

あまりにも片付けられないのは病気の可能性もある

あまりにも片付けられないのは病気の可能性もある

極端に片付けができない状態が続く場合、認知症や他の精神疾患が背景にあるかもしれません。

特に、ゴミ屋敷のような状態になっていたり、夜中に突然片付けを始めたりする場合は要注意です。

常に片付けばかりをしている状態も、認知機能の低下が疑われます。

このような症状が見られる場合は、まず医療機関への受診を検討し、必要に応じて福祉サービスなどのサポート体制を整えることが必要です。

無理のない片付けで快適な暮らしを支援しよう

すっきりと片付いた部屋は、けがのリスクが減るだけでなく毎日を気持ちよく過ごすことにもつながります。

片付けは、高齢者の尊厳と自立を守ることと、安全で快適な生活環境を整えることを両立できるように進めましょう。

高齢者は、身体機能や認知機能の低下により、片付けがおっくうになって散らかった部屋を放置することがあります。

そんなときには本人の気持ちに寄り添いながら、訪問介護や民間のサービスを上手に活用し、無理のない方法で片付けを進めていきましょう。




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