今から備えておきたい 介護が必要な方の防災対策
「災害時に家族がそばにいなかったらどうしよう」
「どこに連絡をすればよいか」
「どんな物を備えておくべきか」等
介護が必要な家族の防災対策について悩んでいませんか?
この記事では、介護が必要な方の防災対策や災害時のケア、備えておきたい防災用品について解説します。
【介護が必要な方の防災対策】
- 避難経路と方法を確認する
- 必要な物品を備える
- 連絡先を書き出す
- 協力を要請する
- 自宅の環境を整える
災害時の介護の問題
- 自力で避難するのが困難
- 介護に必要な物品不足
- 連絡がつきにくい
介護を必要とする方は一人で避難することが困難です。
また、おむつやとろみ粉、薬等の介護用品は手に入りにくいことが予想されます。
適切な備えをするためにも、まずは災害時の介護の問題を理解しておきましょう。
自力で避難するのが困難
高齢者の災害時の一番の問題は避難方法です。
介護が必要な方は杖や車いすを使用していることが多く、避難には人の手を借りなければなりません。
特に家族と同居をしていない方に関しては、近所の方や自治体との連携が課題となるでしょう。
介護に必要な物品不足
災害時には介護に必要な物品不足が懸念されます。
おむつやとろみ粉などの介護用品や薬はすぐに手に入るものではありません。
物によっては不足するといのちにかかわることもあるため事前の用意が大切です。
連絡がつきにくい
家族が同居していない場合には連絡がつかないことも想定されます。
自宅の電話や携帯電話などが通じなかった場合に、近所の方に見に行ってもらえるように連絡先を控えておくことも必要かもしれません。
また、大きな災害時には各自治会で安否確認が行われることがほとんどです。
可能であれば自治会に加入していると、連絡がつきやすくなるでしょう。
介護が必要な方の5つの防災対策
- 避難経路と方法を確認する
- 必要な物品を備える
- 連絡先を書き出す
- 協力を要請する
- 自宅の環境を整える
災害からいのちを守るためには事前の備えがとても大切です。
ここでは今やっておきたい5つの防災対策をご紹介します。
ご家庭や地域の状況をイメージしながらチェックしてみましょう。
避難経路と方法を確認する
災害時にいのちを守るのに重要となるのが「避難経路」と「避難方法」です。
介護が必要な家族の避難方法も考えておかなければなりません。
歩ける方でも車いすに乗せて避難をする
自家用車まで折りたたみ担架で運ぶ 等
実際に災害が起きたときのことを想定して、家族訓練をしておくこともおすすめです。
各地域ではハザードマップや避難場所などが公表されています。
災害時に危険な場所を避けて逃げられるように必ず確認をするようにしましょう。
必要な物品を備える
災害時のために備えておきたいのが介護用品です。
介護用品はすぐに手に入らないものがほとんどです。
特に薬やとろみ粉などはいのちにかかわるため常備は必須といえます。
薬は処方される用量が決められているので、お薬手帳も一緒に持ち出せるようにしておくとよいでしょう。
連絡先を書き出す
介護が必要な方の大事な防災対策の一つが「連絡先の書き出し」です。
介護が必要な方の避難は、歩ける方であっても人の支援が必要です。
万が一家族がそばにいなかった時に周囲の方の力を借りれるように、近所の方や自治体、友人などの連絡先を控えておきましょう。
協力を要請する
介護が必要な方は一人で避難することができない場合が多いため、事前に周囲に協力を要請しておくことが大切です。
家族が同居していても仕事に出ている間に災害が起きてしまう可能性もあります。
近所の方や友人、自治体等とつながっておくと安心です。
また、各市区町村では「災害時要援護者」の登録をしています。
災害時要援護者とは、災害が起きた際に一人では避難が困難な方をサポートする制度のことをいいます。
登録は、介護が必要な方の住んでいる地域の役所にて「災害時要援護者情報登録申請書」を提出します。
家族だけでなく地域の方の力を借りれる環境を作っておきましょう。
自宅の環境を整える
- 食器棚やタンスに突っ張り棒をする
- 防災用品をすぐにとれる場所に置いておく
- 車椅子を近くに置いておく
- 避難しやすいように廊下には物を置かない
災害が起きた時にいのちを守れる自宅環境を作っておくことが大切です。
災害時はパニックに陥りやすいため、避難しやすいような自宅環境を作っておけるとよいでしょう。
要介護者に必要な災害時のケア
- 体温の確保
- 体調管理
- 衛生面の管理
- 精神的なケア
介護が必要な方は一人でできることが限られていることから、小さなことでも不安に感じやすい傾向があります。
また、環境の変化に適応できず体調が不安定になることも多いため、災害時には周囲の方によるケアが必要です。
いざという時に皆で助け合えるように、事前に要介護者の特徴やケアについて理解しておきましょう。
体温の確保
高齢になると体温の調整機能が低下し、暑さや寒さを感じにくくなります。
そのため、自分で衣服の調整や水分補給ができず、夏は熱中症に冬は低体温症になってしまうことも。
可能な限り水分補給を促し、衣服や毛布などで体温調整ができるようサポートしましょう。
体調管理
高齢になると環境の変化に適応する力が弱くなります。
特に大きな変化が起きると、不安や興奮、せん妄、無気力などの症状が出ることもあります。
また、避難場所はプライベート空間の確保がむずかしく、細かい室温の調整ができない可能性が高いでしょう。
こまめに顔色や体温等をみて体調をチェックすることが大切です。
衛生面の管理
災害時には水不足になることが多く、トイレや食事における衛生環境の悪化が予想されます。
介護が必要な高齢者は免疫力が低下しているケースが多く、細菌の感染に気をつけなければなりません。
可能な限り清潔な環境を保てるよう、おむつや排泄物を捨てるビニール袋等を多めに用意しておくと安心です。
精神的なケア
高齢者は自力でできることが限られるため、ささいなことにも不安を感じやすい傾向にあります。
しかし、介護が必要な方の多くは言葉やしぐさで気持ちを伝えることが困難です。
なるべく表情や動作を観察して声を掛けてあげましょう。
自宅に備えておきたい防災用品
介護用品 |
・おむつ・尿パット・血圧計・体温計・お薬手帳・常備薬・とろみ粉・介護用レトルト食品・からだふきシート・折りたたみ担架・折りたたみ杖 |
一般的な防災用品 |
・マスク・タオル・コップ・電池・毛布・衣類・ヘルメット・ホッカイロ・ヒヤロン・懐中電灯・携帯ラジオ・ビニール袋・ビニール手袋・サランラップ |
備蓄 |
・水・食品・ティッシュペーパー |
災害時は介護状態によって必要なものが多少異なります。
以上を参考にしながらご家庭に必要な防災用品をリストアップしてみましょう。
突然の災害からいのちを守るためには介護に必要なものを備えておくことが大切です。
自力でトイレに行くのがむずかしい方はおむつを多めに備えておく必要があるでしょう。
また、病気を持っている方は血圧計や処方されている薬、水、コップが必須です。
防災対策は早めが吉 今から準備しておこう
昨今は、全国各地で地震や豪雨等の自然災害が多発しており、世の中の防災意識も高まっています。
しかし、介護が必要な方は自力での避難が困難であることが多いため、一般的な防災対策だけでは足りません。
介護用品の備えや自宅の整備はもちろん、地域の方の力を借りれる環境を作っておくと安心です。
各市区町村の福祉窓口で「災害時要援護者」の登録をすると、災害時に消防隊がサポートしにきてくれます。
いざという時に家族や地域の方と力を合わせていのちを守れるよう早めに防災対策をしておきましょう。
カテゴリー|ブログ