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2026.1.16

2026年度は介護職が1万円賃上げされる?詳しい内容や今後の流れなどを解説

2026年度は介護職が1万円賃上げされる?詳しい内容や今後の流れなどを解説

「2026年に介護職の賃上げはある?」
「介護職の賃上げの条件は?」

など気になる方のために、2026年に期待できる介護職の賃上げについてまとめました。

物価高騰や他産業との賃金格差が拡大する状況を受けて、2025年12月に政府は介護報酬の改定を前倒しで実施することを決定しています。

それに伴う2026年度における介護職の賃上げについて、金額や今後の流れなど詳しい情報をお届けします。

2026年は介護職の給料は賃上げされる?

2026年は介護職の給料は賃上げされる?

2026年は、公的な方針として介護職の賃上げが本格化し、給与体系が大きく変わる年です。

2025年12月から介護職員処遇改善支援の補助金が供給され、2026年6月からは介護報酬臨時改定で賃上げが実施されるとされています。

概要

2025年12月、政府は令和7年度補正予算案で2025年12月~2026年5月の半年間を対象に介護職員の賃上げを示し、すでに「介護職員処遇改善支援補助金」が開始しています。

さらに、2026年6月からは介護報酬の臨時改定が実施され、補正予算での賃上げを引き継ぎつつ、一人あたり平均で月額10,000円ほど、条件を満たせば最大19,000円の賃上げが継続する予定です。

令和9年度に実施される通例の介護報酬改定を待たずに行われる、極めて異例の緊急措置といえるでしょう。

賃上げの対象は介護職員だけではなく、訪問看護や訪問リハビリ従事者、ケアマネジャーなどその他の介護従事者全般に拡大されています。

実際に賃金がいくら上がるかは、諸条件などによって差が出る見込みです。

目的

2025年12月からの介護職員処遇改善支援補助金や、2026年6月からの介護報酬臨時改定は、主に介護分野における人材流出を防ぐ目的の施策として位置づけられています。

他業種と遜色のない処遇改善を行い、他業種に負けない報酬体系を確保することで離脱を食い止める狙いです。

介護職員等処遇改善加算を取得している事業所で働く介護職員の平均給与は上昇しましたが、全職種で約5%規模の賃上げが進むなか、介護業界は約4%程度にとどまっています。

また、2022年度から2023年度にかけて介護職員数が減少に転じるなど、介護業界を取り巻く事態は深刻な状況です。

他業界との賃金格差が拡大するなかで介護人材が流出し続ければ、高齢化が進む日本において介護サービスそのものの提供が困難になるおそれがあるでしょう。

そのため、物価高騰などへの緊急対応として賃上げを実施し、国をあげて介護職の価値を高め、人材の定着をはかりつつサービスの質を向上させる動きが活発化しています。

参照:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1454 令和7年12月25日」
   介護職員数の推移|厚生労働省
   介護職員の処遇改善について|厚生労働省

2026年「介護分野における物価上昇・賃上げ等に対する支援」の支給要件

2026年「介護分野における物価上昇・賃上げ等に対する支援」の支給要件
  • 介護従事者に対する幅広い賃上げ支援 10,000円
  • 協働化等に取り組む事業者の介護職員に対する上乗せ5,000円
  • 介護職員の職場環境改善の支援4,000円

2025年から2026年にかけて実施されている介護分野の賃上げは、国の『介護分野における物価上昇・賃上げ等に対する支援』という大きな施策として行われます。

施策の柱は上記の3つで、3つを網羅できれば一人あたり月額最大19,000円の支援が受けられるでしょう。

介護従事者に対する幅広い賃上げ支援 10,000円

介護従事者に対する幅広い賃上げ支援は、介護従事者全職種を対象としたベースとなる賃上げ支援です。

介護職員等処遇改善加算を取得している介護施設や事業所で働く介護職員に加え、これまで処遇改善加算の対象外だった訪問看護師やケアマネジャー、理学療法士、作業療法士など、介護に関わる幅広い職種を対象に、一人あたり月額10,000円が支援されます。

介護事業所が賃上げ計画書を作成・都道府県に提出し、承認されると補助金が支給され賃金に反映される仕組みです。

協働化等に取り組む事業者の介護職員に対する上乗せ5,000円

生産性の向上や業務の協働化に積極的に取り組む事業所の介護職員に対して、一人あたり月額5,000円が上乗せされます。

支援の対象となるには条件があり、訪問系サービスや通所系サービスでは、ケアプランデータ連携システムを導入している、または導入する見込みがあることが条件です。

一方、施設系サービス、居住系サービス、多機能系サービス、短期入所系サービスなどでは「生産性向上推進体制加算」を取得している、または取得する見込みがあることが求められます。

対象は介護職員のみで、ケアマネジャーや看護職員など介護職ではない方は対象外です。

介護職員の職場環境改善の支援4,000円

「介護職員の職場環境改善の支援」は、介護職員一人あたり月額4,000円相当の賃上げや環境改善を補助するものです。

支援金の使い道を各事業所が柔軟に判断でき、全額を人件費に充てて直接的な賃上げをしたり、介護ロボットやICT機器の導入、休憩室の改善、研修制度の充実といった職場環境を改善するための設備投資に使ったりすることも可能です。

支援を受ける条件は職場環境改善計画の実施で、課題の見える化、職員間の適切な役割分担、業務の効率化など、比較的取り組みやすい内容も多く含まれており、多くの事業所にとって着手しやすい内容となっています。

参考:厚生労働省「令 和 7 年 度 補正予算案の主要施策集」

一時的な賃上げで終わらない?2026年以降の流れ

一時的な賃上げで終わらない?2026年以降の流れ
  1. 前倒しで一時的な補助金の支給
  2. 2026年6月の介護報酬改定で基本給等底上げ
  3. 2040年に向けた集中支援

2026年以降の介護職賃上げの流れは、上記の3段階で実施されます。

1.前倒しで一時的な補助金の支給

第1段階として、2025年12月から2026年5月までの半年分について、補正予算を活用した補助金による賃上げ支援が実施されます。

人手不足加速・事業所閉鎖防止のため、3年に1度の介護報酬改定を待つことなく、緊急措置として前倒しで行われる措置です。

対象期間は半年間と限定的ですが、地方自治体の予算編成や事業所からの申請手続きを経て、実際に現場に支援金が届くのは2026年2月前後になるといわれています。

つまり、2025年12月分と2026年1月分についてはさかのぼって支給され、2月以降は通常の給与支給に反映されていくという流れになるでしょう。

2.2026年6月の介護報酬改定で基本給等底上げ

第2段階として、2026年6月から介護報酬の臨時改定が実施され、補助金による一時的な措置が恒久的な制度へと移行します。

政府は介護報酬を2.03%引き上げることを正式に決定しているため、介護職員の基本給や各種手当の底上げが実現されるでしょう。

2026年6月の介護報酬改定は補助金のような一時的な措置ではなく、介護保険制度のなかに組み込まれた永続的な仕組みです。

介護職員等処遇改善加算の拡充が行われ、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援といったこれまで加算の対象外だったサービスも新たに対象に加わるため、介護業界全体の給与体制にテコ入れが入ることになります。

また、介護職員等処遇改善加算にはランク(区分)があり、より高いランクを取得するほど、国から支給される賃上げ資金が増える仕組みです。

ICTの導入や業務の効率化が上位ランクを取得するための必須条件となったため、最新のデジタルツールを活用して現場の負担を減らす工夫をしている事業所ほど、従業員の給料をより手厚く底上げできるでしょう。

3.2040年に向けた集中支援

第3段階として、高齢者人口がピークに達する2040年を見据えた長期的な支援が検討されています。

厚生労働省の推計によれば、2040年には65歳以上の高齢者が約3,928万人に達し、総人口の約35%を占めるようになります。それに伴い医療と介護の複合的なニーズを抱える方が急増するでしょう。

政府は2040年に向けて介護分野全体で20%の業務効率化を目標とし、ICTやAI、ロボットなどテクノロジーの導入による生産性向上、外国人材の活用、介護職のキャリアパス整備など、多角的な支援策の実施を予定しています。

参考:介護人材確保と職場環境改善・生産性向上、経営改善支援等|厚生労働省 老健局

臨時報酬改定が介護職員の給料に反映されるまで

臨時報酬改定が介護職員の給料に反映されるまで

国が用意した補助金や介護報酬の加算分は、まず介護保険制度を通じて介護施設や事業所に支払われます。

そして、その資金を受け取った施設や事業所が、各職員の給料に反映させるという流れです。

国は「最大で月額19,000円の賃上げ」という方針を示していますが、実際の配分方法は各事業所の判断に委ねられているため、すべての介護職員が同じ金額を受け取れるわけではありません。

処遇改善のルールに基づき、経験や資格、リーダーシップといった「技能や役割」に応じて、例えばベテランには手厚く、新人には一定額といった配分も認められています。

しかし、事業所には「処遇改善計画書」や「実績報告書」を提出する義務があり、もらったお金が正しくスタッフの賃金や環境改善に充てられているか、透明性が確保されるでしょう。

2026年報酬改定のメリット

2026年報酬改定のメリット
  • 給与アップ
  • 業務負担軽減
  • 正当な評価制度

2026年の介護報酬臨時改定では、給与アップのほか働きやすい職場環境の整備や正当な評価制度の構築が同時に進められるため、介護業界で働く魅力が総合的に高まることが期待できます。

給与アップ

2026年の介護報酬改定により、介護現場で働く職員の給与アップが見込めます。

介護職員は一人あたり月額最大19,000円相当、介護職以外の職員も一人あたり月額10,000円前後の賃上げが想定されているため、年収ベースでは約12万〜23万円程度の増加となる見通しです。

今回の賃上げで、他業種との賃金格差が縮まれば人材の増加や定着・離職防止につながることが期待できます。

また、基本給や各種手当が底上げされると賞与や退職金の算定額も増加するため、短期的な収入増だけではなく、長期的に見た生涯賃金の向上にもつながるでしょう。

業務負担軽減

2026年6月の介護報酬改定は生産性向上や協働化の取り組みを報酬で評価し、ICT・AI・介護ロボットの導入を促進するため、業務効率化がが大きく進行するでしょう。

ケアプランデータ連携システム、介護記録のタブレット化などICT機器が導入されれば、介護職員の身体的・精神的負担が軽減されます。

加えて、介護業務に集中できる時間が増えるため、サービスの質向上にもつながるでしょう。

正当な評価制度

2026年6月の介護報酬改定では、介護従事者の頑張りや成長を正当に評価する仕組みが強化されます。

生産性向上や職場環境の改善に取り組む事業所ほど、報酬面で評価される制度へと見直される点がメリットです。

介護職員等処遇改善には職員の昇進や昇給についてⅠ〜Ⅴの段階に分けてキャリアパス要件が定められており、賃金体系の整備や研修の実施状況などが評価されます。

2026年度はキャリアパス要件を満たす見込みがあれば算定を開始できるため、柔軟な対応が可能です。

また、職場環境等要件も区分1・2に分けて評価され、計画を立てるだけではなく取り組み内容を職員に「見える化」することが求められます。

要件を満たすと支援金の上乗せが可能となり、職員のモチベーション向上や定着率アップにつながるでしょう。

2026年報酬改定のデメリット

2026年報酬改定のデメリット
  • 施設間格差の広がり
  • 利用者の負担金増加の可能性

今回の介護業界における賃上げは自動的ではなく申請制であり、財源を必要とするものです。そういった点が施設間の格差を生んだり、利用者の負担金増加につながったりする可能性があります。

施設間格差の広がり

2026年の介護報酬改定では、介護職員等処遇改善加算を活用して職員の待遇をよくできる一方、施設ごとの格差が広がるおそれもあります。

基本の10,000円アップに、ICT導入などの条件を満たすとさらに最大9,000円が積み上がる構造であるため、追加の要件をクリアしなければ支援金の向上はのぞめません。

資金力のある大規模施設はシステム導入や設備投資に資金を回しやすく、上位の加算を取得して職員の給与や手当を手厚くすることが可能です。

一方で小規模な事業所や経営に余裕のない施設では、ICT導入にかかる費用や投資負担が重く、上位の加算を取得できないケースも想定されます。

その結果、同じ介護職員であっても勤務する施設によって給与や待遇に大きな差が生まれる可能性があります。

条件の良い施設に人材が集まりやすくなる一方、小規模事業所では人材確保がさらに難しくなるといった格差が広がるでしょう。

利用者の負担金増加の可能性

2026年の介護報酬改定では、介護事業者の処遇改善やサービス維持につながる一方で、介護サービスを利用する高齢者や家族の負担が増える可能性もあります。

介護保険サービスの利用料は、所得に応じて介護報酬の1〜3割を利用者が自己負担する仕組みです。

そのため、今回の介護報酬2.03%引き上げに伴い、利用者の自己負担額も増加するでしょう。

複数のサービスを併用している場合や、長期間にわたって利用する場合には、年間・累計で見ると負担増は無視できません。

介護報酬の引き上げは、介護保険料そのものの上昇にもつながるため、現在サービスを利用していない高齢者であっても、将来的に保険料負担が増える可能性があります。

介護保険料を支払っている若い世代の負担増につながる点も、大きなデメリットです。

2026年は介護職の賃上げが期待できる一方、施設間格差発生の懸念

2026年、政府は物価高騰と人材不足への緊急対策として介護報酬を2.03%引き上げることを決定しました。介護保険制度に介護業界の給与底上げを組み込み、永続的な改善へと移行します。

介護職員は最大で一人あたり月額19,000円、その他の介護従事者も一人あたり月額10,000円程度の賃上げが見込まれており、訪問看護師やケアマネジャーなど、これまで処遇改善の対象外だった職種も対象となりました。

ただし、すべての介護職員が一律で同じ金額の賃上げを受けられるわけではなく、実際の配分は各施設や事業所の判断に委ねられています。また、ICTの導入や生産性向上の取り組みを行う事業所ほど高い支援を受けられる仕組みとなっているため、施設間で処遇に差が生じるでしょう。




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