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2025.3.19

高齢者の便秘解消法を解説!改善が期待できるマッサージや食事レシピを紹介

高齢者の便秘解消法を解説!改善が期待できるマッサージや食事レシピを紹介

「高齢者は便秘になりやすいって本当かな?」
「高齢者が便秘になったら、どうやって改善するのだろう」

便秘は誰にでも起こることですが、高齢者が便秘を放っておくと重篤な疾患につながる可能性があります。便秘が続くと気分もスッキリしないでしょう。

高齢者の便秘について知りたい方のために、情報をまとめました。便秘になるメカニズムや便秘解消法などを詳しくご紹介します。

高齢者は便秘になりやすい?

高齢者は便秘になりやすい?

加齢による体の変化や生活習慣の影響によって、高齢者は便秘になりやすいといわれています。高齢者と便秘の関係について、見ていきましょう。

便秘はどういう状態?

便秘とは、排便がスムーズに行われず不快感がある状態です。腸に便が溜まってお腹が張ったり、便が硬くなって排便時に苦痛を感じたりします。

単に「何日便が出ないか」だけではなく、便の状態や苦痛を考慮したうえで便秘だと判断されるため、毎日排便がなくても不快感がないのであれば、必ずしも便秘とはいえません。

一般的には3日以上便が出ない状態が続くと、お腹の張りや吐き気など不快な症状を感じやすくなります。特に、介護が必要な状態の高齢者は自覚症状を訴えにくいため、3日以上排便がない場合は便秘と考えて対応するとよいでしょう。

高齢者が便秘になりやすい理由

加齢に伴って腸の動きが弱まって便を押し出す力が低下するため、便が腸内に溜まり、便の水分が過剰に吸収されて便秘を起こしやすくなります。

また、飲食量が減ることも原因の一つです。高齢になると喉の渇きを感じにくいため、水分の摂取量が減ります。日中の活動量が減ったり食欲が低下したりすることから、食べる量も少なくなるでしょう。

食べる量が減ると食物繊維を十分に摂取できなくなります。食物繊維には便のカサを増やし、腸の動きを促す働きがあるため、不足すると便秘の原因になるでしょう。

年齢を重ねると直腸の感覚が鈍くなり、便意を感じにくくなって排便のタイミングを逃しやすいことも便秘の原因です。そのほかにも、運動不足や薬の影響など、さまざまな要因が関係しています。

高齢者の便秘は危険?

高齢者の便秘は危険?

高齢者が便秘を放置すると重大な疾患を招くおそれがあるため、注意が必要です。

たとえば、慢性的に便秘である人は慢性腎臓病や心血管疾患といった重篤な疾患のリスクが高くなるという報告もあります。

便秘で硬くなった便を出す際も気を付けなければなりません。力を入れていきむと血圧が急に上がり、動脈瘤が破裂したりくも膜下出血を引き起こしたりする事例もあります。

また、便秘の人は心筋梗塞や慢性腎臓病などの疾患にかかるリスクが高いともいわれており、便秘を引き起こしやすい高齢者は体調の変化に気を配らなければなりません。

ほかにも、便秘は大腸がんのサインやパーキンソン病、うつ病の症状としても確認されているため、放置せずに早めの対処すると隠れた疾患の早期発見にもつながるでしょう。

高齢者の便秘解消法

高齢者の便秘解消法
  • 食生活の見直し
  • 腹部のマッサージ

高齢者の便秘は、生活習慣やマッサージなどで解消できる可能性があります。具体的な解消法を3つ、ご紹介します。

食生活の見直し

食事内容は便秘と深く関係しており、特にポイントとなるのは食物繊維の摂取です。食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。

腸の動きを活発にして排便を促す働きをもつ、不溶性食物繊維を意識して摂取することが大切です。水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状になることで、便をやわらかくする働きがあるため、あわせて摂取すると便秘解消に役立ちます。

不溶性食物繊維は大豆などの豆類、しめじや舞茸などのキノコ類に含まれており、水溶性食物繊維はりんごやバナナなどの果物類、こんぶやわかめ、もずくなどの海藻類が含有食品です。

また、乳酸菌を摂取するのもおすすめです。乳酸菌は腸内で善玉菌として作用し、腸内環境を整える働きがあります。ヨーグルトや納豆、味噌などに多く含まれています。

高齢者が便秘になる原因の一つに、水分摂取量の不足が挙げられるため、こまめな水分補給を心がけましょう。

高齢者の水分補給について詳しくはこちら↓
高齢者の水分補給は何がいい?1日の摂取量目安やタイミング・拒否された際の対応など

腹部のマッサージ

お腹を「の」の字にマッサージする方法は、便秘解消に効果が期待できます。便が動く方向にマッサージすることで、腸の動きを促してくれるでしょう。

おへその下に手を当てて、自分側から見て時計回りになるように、手のひらで10回マッサージしましょう。お腹が1~2cm沈むくらいの強さで行うと効果的といわれています。次にS状結腸を押していきましょう。

S状結腸は、自分側から見ておへその左下にあり、便が溜まりやすい場所です。マッサージで刺激すると便の詰まりを解消できる可能性があります。手のひらか親指の根元で、10回ほど押して刺激しましょう。

腹部のマッサージは簡単でどこでもできるため、毎日の習慣として取り組むのがおすすめです。

【管理栄養士監修】高齢者の便秘解消が期待できる食事レシピ

高齢者の便秘解消が期待できるレシピ
  • とろろ昆布とオクラのネバネバ味噌汁
  • さつまいものヨーグルトサラダ

食物繊維や乳酸菌を取り入れた、便秘解消効果があるレシピを2つ、ご紹介します。簡単に作れて高齢者でも食べやすいため、ぜひ試してみてください。

とろろ昆布とオクラのネバネバ味噌汁

とろろ昆布とオクラのネバネバ味噌汁

(材料・2人分)

  • オクラ 4本
  • 絹ごし豆腐 1丁 
  • とろろ昆布 3g
  • ★水 400ml
  • ★顆粒和風だし 小さじ2
  • ★味噌 大さじ2

(作り方)

  1. オクラはガクを取って薄切りにする。豆腐は食べやすいサイズにカットする。汁椀にとろろ昆布を2等分にして入れておく。
  2. 鍋に水・顆粒和風だしを入れて火にかけ、フツフツしてきたらオクラと豆腐を加えて弱火にする。
  3. 最後に味噌を溶き入れて、とろろ昆布を入れた汁椀に盛り付けたら完成。

水溶性食物繊維が豊富なオクラととろろ昆布と、乳酸菌が豊富な味噌を組み合わせた、腸内環境に嬉しいレシピです。

簡単に作れる点や、豆腐を加えることでタンパク質摂取量を上げられ、フレイルやサルコペニアの予防にも役立つでしょう。

フレイルについて詳しくはこちら↓
フレイルとは?症状や原因から予防方法までわかりやすく解説!サルコペニアとの違いも

さつまいものヨーグルトサラダ

さつまいものヨーグルトサラダ

(材料・2人分)

  • さつまいも 200g
  • ★無塩ヨーグルト 100g
  • ★クリームチーズ 30g
  • ★はちみつ 小さじ1
  • ★レモン汁 少々
  • ★塩・こしょう 少々

(作り方)

  1. さつまいもは皮つきのまま1~2cm角にカットして、水にさらしておく。耐熱容器に入れてラップをふんわりかけ、さつまいもがやわらかくなるまで600W・3~4分ほど加熱する。その後、粗熱をとる。
  2. ★印の調味料を混ぜ合わせ、1のさつまいもに加えて和えたら完成。

さつまいもには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が含まれており、特に食物繊維が多く含まれる皮付きのまま調理することで、効果的に腸内環境を整えられるでしょう。

ヨーグルトやチーズには善玉菌である乳酸菌も豊富なため、便秘解消にぴったりのレシピです。

高齢者の便秘が改善しない場合は早めに受診する

高齢者の便秘が改善しない場合は早めに受診する

生活習慣の改善や見直しで便秘が改善しない場合は、早めに病院を受診する必要があります。受診する科や受診の目安について解説します。

受診する科

便秘は、一般の内科や消化器内科、胃腸科で受診が可能です。便秘が原因で痔を発症した場合は肛門科を受診しましょう。

病院を受診したら、必要に応じて検査が行われたり薬が処方されたりします。市販薬では、病気を見逃すおそれや根本的な便秘の改善につながらない可能性があるため、必ず病院を受診しましょう。

受診する目安

  • 1週間以上便が出ない
  • 便に血が混じる
  • 便秘に伴って吐き気や頭痛などがする
  • 便秘が辛い

1週間以上便が出ていない場合や、便に血が混じっているなどの症状が見られる場合は病院を受診しましょう。何らかの疾患が隠れているおそれがあります。また、便秘に伴う吐き気や頭痛によって日常生活に影響が出ている場合も、受診しましょう。

「たかが便秘」と思ってしまいがちですが、便秘が命に関わる場合もあります。高齢者は持病がある人が少なくありません。

自己判断で市販薬を長期間使用すると、薬の副作用が発生するおそれがあるため、病院で医師に相談するのが安心です。

高齢者の便秘は要注意!生活習慣やマッサージで対策を

高齢者は加齢による腸の機能低下や飲食量の低下によって、便秘になりやすいといわれています。放置するとくも膜下出血や慢性腎臓病などのリスクが高くなったり、重篤な疾患を見逃したりするおそれがあるため、早めの対策が必要です。

食事内容の見直し、適度な運動、お腹を「の」の字にマッサージすると便秘を解消できる可能性があります。また、水分が不足すると便が硬くなって便秘になりやすいため、こまめに水分補給することも大切です

ただし、生活習慣の見直しやマッサージで対策しても便秘が改善しないことがあります。1週間以上便が出ない、便に血が混じる、便秘に伴って吐き気・頭痛がする場合は病院で相談しましょう。

高齢者は便秘が命に関わることもあるため「大したことない」と自己判断せずに、異変があればすぐに受診することが重要です。

PROFILE

顔写真・イラスト

管理栄養士

今井尚美

(Imai Naomi)

大阪府出身のフリーランス管理栄養士。急性期病院で管理栄養士として約5年勤務し、NSTや緩和医療チーム、入院時・外来時栄養指導の業務に関わる。2018年に独立し、現在はフリーランス。サプリメント管理士の資格所有。 病院での勤務経験を生かし、根拠のある情報を発信することをモットーとする。健康・美容に関する記事執筆・監修、食事相談、レシピ作成などの業務を中心に活動中。



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