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2023.6.28

高齢者の夏の過ごし方|暑いのに寒がる理由や夏バテ防止策

高齢者の夏の過ごし方|暑いのに寒がる理由や夏バテ防止策

夏は高齢者の身体にいろいろと影響をもたらす季節です。
喉の渇きに気づきにくく、あまり水分を口にしなくなるという傾向にあります。

暑さで胃腸の働きも悪くなり、食欲がわかずに体調を崩すことも。高齢者が健康を損ねると、持病を悪化させる危険性も高まってしまいます。

今回の記事では、「夏の注意点」や「健康管理」など高齢者が夏をどのように過ごせば良いのか、じっくり説明していきます。

猛暑を乗り切るためにぜひこの記事を参考にしてみてください!

高齢者の夏はここに注意!

高齢者の夏はここに注意!
  • 水分不足
  • 室温調整
  • 熱中症

ここでは、高齢者が夏場を乗り切るために気をつけなければならない点をいくつか挙げて説明します。

水分不足

水分不足は、熱中症を引き起こすだけでなく、血液が濃くなり、血栓が生じやすくなるため、脳梗塞や心筋梗塞などの病気につながる恐れがあります。

高齢者は、水分を蓄積する筋肉が減っており、特に汗をかく夏は身体の水分が不足してしまうことが多いのです。脱水症状には十分に注意したいところですね。

そのため、喉の渇きを感じる前の水分補給をオススメします。その際、一度にたくさん飲むよりも、少しずつこまめに飲むのが良いでしょう。

また、飲料ではなく、アイスクリームやゼリー、果物を食べることも水分補給になります。

室温調整

季節温度湿度
24~28℃45~55%
春秋18~20℃55~70%
20~22℃45~55%
[適切な温度・湿度の目安]

夏場の室内調整は、大げさではなく、命にかかわるほど重要です。

熱中症対策として一般的に推奨されている室温は28℃以下。

また、湿度が高くなると発汗しにくくなり、熱中症につながってしまいます。室温が28℃以下でも、湿度が75%を超えると熱中症リスクが厳重警戒レベルまで高まるといわれています。

冷房が苦手な方は、ドライ運転を利用したり、窓を開けて換気したりすれば、不快感は軽減されるでしょう。

熱中症

夏は熱中症で命を落とす人も少なくないため、特に注意が必要です。
特に高齢者は体温調節機能の衰えなどから暑さを感じにくく、室内でも熱中症になりやすい傾向があります。

軽度の熱中症はめまい、顔のほてり、頭痛、汗をたくさんかく、体のだるさ、吐き気などが症状として見られる場合がほとんどです。このような症状が見られたら、水分補給や室温調整などで対応しましょう。

しかし、それでも回復が見られない場合は、軽度でも早めに医療機関を受診し、重症化を防ぎましょう。

また、反応が鈍い、目の焦点が合わないなどの意識障害がみられる場合は、重度の熱中症かもしれないため、救急車を呼ぶことも検討してください。

高齢者の熱中症について詳しくはこちら↓
高齢者は熱中症になりやすい?理由や症状・対策・応急処置など紹介

高齢者が暑い日に寒がる理由は?

高齢者が暑い日に寒がる理由は?

高齢者が、夏の暑い時期に寒がることがあります。これには病気以外にもさまざまな原因が考えられます。ここでは、高齢者がなぜ暑い夏に寒がるのか、その原因を説明します。

体温調節がうまくできない

人間の身体は、体温が常に36~37℃ぐらいに調節される仕組みになっているといわれています。

しかし、高齢者はすべての臓器の機能が徐々に低下しているため、夏は暑さを感じにくく、冬は寒さに気づかないということが起こり得るのです。

また、運動不足になることで汗腺の機能も低下してしまうので、発汗による体温調節もしにくくなるといえます。

筋肉量の減少

筋肉には、身体の中に熱を生み出す働きがあるため、筋肉量が減少すると、自ずと体温は上がりにくくなってしまいます。これも高齢者が寒がる原因の一つといえるでしょう。

昔は暑がりだったにもかかわらず、年をとって寒がりになったという方は、筋肉の減少が原因かもしれません。

食事量の減少

高齢者は歯が悪くなったり、消化機能が低下したりするため、食欲が低下する傾向にあります。

食事量が減り、摂取するカロリーが少なくなると、体内の熱を生み出しにくくなるわけです。そのため体温が低くなり、夏でも寒さを感じやすくなってしまいます。

また、食欲が低下することで低栄養になってしまうことも、寒がりになる原因といえるでしょう。

気付きにくい高齢者の夏バテ症状

気付きにくい高齢者の夏バテ症状
  • 体が重い
  • 眠れない
  • 肩こり
  • 頭痛
  • 胃腸の不調

人それぞれ症状は違いますが、高齢者の夏バテの症状には主に上記のようなものが挙げられます。
高齢者の場合、基礎体力や免疫力機能が低下しているため、自己治癒力が弱くなっています。

また、年を取ると暑さや喉の渇きを感じにくくなることから、夏バテのサインを見逃してしまうことが少なくありません。

さらに、体温調節機能や体内の水分量が低下していることも、夏バテになりやすい原因です。
高齢者が夏バテから体調不良を起こさないように意識して水分補給をするなど、注意しましょう。

高齢者の夏の健康管理注意点

高齢者の夏の健康管理注意点

こまめな水分補給

こまめな水分補給は脱水予防や熱中症予防に欠かせません。

特に高齢者は脱水症状を起こしやすいため、暑い時期には喉が渇く前に水を飲むなど、水分補給を意識しましょう。

また、汗をかいたら、水分だけではなく塩分補給も必要です。薄めたスポーツドリンクなどを用意しておくと良いでしょう。

しっかり栄養をとる

栄養素期待できる効果含有食材
ビタミン骨や筋肉の修復
疲労回復
ストレス緩和
豚肉、ウナギ、レバー、豆腐、玄米、キノコ類、野菜類(ジャガイモ、ほうれん草、ニンジンなど)
ミネラル歯や骨の強化
脳の活性化
肉体疲労回復
野菜類(ブロッコリー、オクラ、玉ねぎなど)、魚(さば、鮭、イワシなど)、豆腐、乳製品、海藻類など
クエン酸新陳代謝促進
疲労回復
梅干し、レモン、キウイフルーツ、黒酢など
たんぱく質血液・筋肉増加
免疫力・スタミナ向上
肉、魚、大豆、卵、豚肉レバー、納豆、チーズなど

夏バテ予防に摂るべき栄養素を表にしました。

夏は食欲が減退し、さっぱりした食事に偏ることが多いですが、それだと栄養不足の恐れが出てくるため、バランスを意識した食事を摂ることが何より優先です。

上記の表を参考に、バランスの良い食事を心がけましょう。

適度な運動

暑い夏に運動するというのは、なかなか抵抗がありますが、まずはラジオ体操やウォーキングなど、軽めの運動から始めてみてはいかがでしょうか。

屋内外の温度差についていけずに自律神経が乱れ、それが夏バテを引き起こしてしまう場合もあるので、適度な運動で汗を流し、自律神経を活発にさせることが必要なのです。

まずは、昼間を避け、涼しい時間帯に取り組んでみましょう。

室温の定期確認

室温の調節は体感で判断するのではなく、目で見て数字として分かる室温計などを使って判断することをオススメします。

高齢者は加齢による機能低下で温度変化に鈍感になっているため、冷房の効きすぎで室内温度が低すぎたり、逆に室内が暑くなりすぎていても、気付きにくいのです。

定期的に室温を確認する習慣をつけておくのが良いでしょう。

良質な睡眠

人間は睡眠中に疲労を回復するので、とにかく良い睡眠をとることが大切です。

熱帯夜は暑くてエアコンをつけっ放しにしておくことが多いかもしれませんが、それだと寝ている間に身体が冷えすぎる危険性があります。

夜間のエアコンの温度は28℃ぐらいに設定して、送風が直接あたる場所で寝るのも控えた方が良いでしょう。

また、入浴時に湯船に浸かるのも良質な睡眠を促す効果があるでしょう。体の奥の温度を上げ、眠気を誘う体内温度変化を起こすため、就寝時間の1時間ぐらい前に40℃程度の湯に10分ほど浸かるのが良いと言われています。

夏を乗り切るには栄養・運動・睡眠が大切!

夏を乗り切るには栄養・運動・睡眠が大切!

高齢者は体温調節がうまくできなかったり、筋肉量が減っていたり、加齢で体の機能が低下しているため、夏場は特に、水分不足、室温調整、熱中症に特に注意したいところです。

また、元気な体を作り、夏を乗り切るためには、「しっかり食べる」「しっかり寝る」「しっかり動く」ことが大切。

健康管理をしつつ、運動も習慣になるように心がけましょう!




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